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リーデル社の<ヴィノム>スピリッツはコニャックにもおすすめできるグラスなのか?

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先日、当サイトをご覧頂いてる方からこのようなお問合せを頂きました。

ブランデー以外にジンなど他のスピリッツもよく飲むのでリーデルのグラスで「ヴィノム スピリッツ」が気になってます。このグラスもパッと見はコニャックにも適してそうなデザインなのですが、アツ様はこのグラスについては何か思う事はあるでしょうか?

ご質問頂いた方にはメールにて返信させて頂いたのですが、せっかくなので、私の見解と、その後リーデル社に直接問い合わせて確認した回答と共に皆さんに共有したいと思います。
また、コニャック用グラスとして<ヴィノム>スピリッツを迷われている方の参考になればと。

当サイトでコニャックはじめブランデー用におすすめとして書いているリーデル社のグラスは、ハンドメイドの「<ソムリエ> コニャックXO」か「 <ソムリエ>コニャックV.S.O.P.」、またはマシンメイドの「<ヴィノム> コニャック」となります。

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参考記事:
おすすめブランデーグラスの選び方
7種類のリーデルグラスでコニャックの風味の違いを検証
ポリ社最強グラス VS リーデル社コニャックXOグラス

リーデルのグラスには、それらにやや似た形状のスピリッツグラスとして「ヴィノム スピリッツ」というグラスがあります。私も2脚セットを保有してます。

↓このグラス↓

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このグラスについて、私の見解とリーデル社からの回答を見てみましょう。果たして<ヴィノム>スピリッツはコニャックにもおすすめできるグラスなのでしょうか?リーデルコニャックグラスの最適解とは?

私の見解:使えなくはないが、やはり劣る

ヴィノム スピリッツは「コニャックに使えない事はないが、ヴィノムコニャックやポリ社グラッパグラスには劣るかな」というのが正直な感想です。

特に大きく感じる違いは「香り立ち」と「飲みやすさ」です。

香り立ち

香り立ちに関しては、やや香りが逃げやすいような感覚があります。特にグラスを傾けて飲むタイミングの香り立ちです。

おそらく、飲み口がやや狭いけれどもリムの口が広がっていないため、グラスを口まで持ってきて傾けるとリムが鼻の下に位置します。そのため、飲むタイミングでうまく香りが鼻に届かないのでは?と思う次第です。

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ポリのグラッパグラスの場合は飲み口は同じく狭いですが、リムが外に広がっているため、飲むタイミングでも香り立ちます。その違いです。
(ヴィノムコニャックは飲み口がもっと広いですが)

飲みやすさ

また、飲みやすさに関して、これも微妙なラインなのですが・・・グラスのボウル部分がやや広がり過ぎており、ボウル部分と直線部分の角度が結構キツイ角度になっています。

ちょっと文章だと伝わりにくいので、私が持っているヴィノム スピリッツとポリ社グラッパグラスを真横から見た写真↓

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ボウル部分の効果は、くびれによって一旦コニャックをホールドし、角度をつけてグラスを傾けることで、舌の中央をコニャックが通って、アルコールの刺激を和らげる役割があります。しかし、このくびれ角度がキツ過ぎると、液体が溜りすぎてしまい、かなりの角度で傾けないと口に流れ込んできません。そしてある一定の角度を超えると、一気に流れ込み過ぎる傾向にあります。

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<ヴィノム>コニャックや<ソムリエ>コニャックVSOP、<ソムリエ>コニャックXO、ポリのグラッパグラスは比較的なだらかなクビれが、ちょうどいい塩梅の量を口の中に運んでくれます。

参考までに、上からリーデルのグラス<ソムリエ>コニャックXO・<ソムリエ>コニャックVSOP・<ヴィノム>コニャックです。↓

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それぞれ微妙にくびれ角度が違うのが分かります。いずれも<ヴィノム>スピリッツより角度がなだらかです。この微妙なくびれ角度とリムのソリ角度の違いが細かな違いを生み出しているのではないかと想像しています。

グラス角度をきつくするのは、もっとアルコール度数の強いスピリッツ向けです。

以上2点の理由から、コニャックにおいてはヴィノムコニャックやポリ社のグラスの方が優れていると私は思います。これは私個人の感じ方なので、人によってとらえ方は変わるかもしれません。

後は価格的に同じくらいであればヴィノムコニャックを買うかなぁ・・・という感じです。

リーデル社からの回答

上記は私個人的な見解なのですが、実はお問合せメッセージを頂いたあと、私も気になったので直接リーデル社に問合せました。そしてリーデルのグラスエデュケーターの方からメールにて直接詳しい回答を頂きました。

私の質問その1:

「ヴィノムスピリッツ」でコニャックを飲んだ場合、理屈としてはコチラの記事で書いたような「ヴィノムコニャック」と同じような効果は得られるのでしょうか?

リーデル回答(一部抜粋):

ご質問へのお答えとしましては「YES」でもあり「NO」でもございます。

「コニャックグラス」、「スピリッツグラス」の2つのグラスに共通する点といたしましては、
1)高い度数のアルコールの、空気との接触による揮発を抑えるための形状となっていること
2)高いアルコール度数の飲料を、少量ずつ口に含み、舌上ではあまり広がらないことで、口中でのアルコールの刺激を抑えて感じられやすいボウル形状となっていること
こちらの2点が大きいかと思われます。

とくに、この2点の共通項に着目いたしますと、理屈としましては、「コニャック」「スピリッツ」の2つのグラスは同じ系統のグラスと言えますので、上記2点に見られる効果を得やすいと思いますので、同じような効果はそれなりに得られるかと思います。

私どもでは、ワイングラスを大きなカテゴリーに分ける際に、下記の3つのカテゴリー分けをする場合がございます。

A)コンテナ
B)ワインフレンドリーグラス
C)ブドウ品種別グラス

A)コンテナ
コップや、カフェなどで使用される、飲み口の大きく開いた、グラスの縁が丸まった、また重量の思い、というようなグラスです。
こちらは、ただワインを口に運ぶという機能はありますが、ワインの香りや味わいを楽しむには不向きなグラスです。

B)ワインフレンドリーグラス
こちらは、ワイングラスに最低限不可欠な「卵型のボウル」「薄い飲み口」「全体的なバランス」などの特徴を有し、そこそこワインを楽しんでいただけるグラスです

C)ブドウ品種別グラス
そして(C)が、私どもリーデルの特色でございます、ブドウ品種別にボウル形状を選定したグラスですので、ブドウ品種のキャラクターを、もっとも理想的な状態でグラス内に再現してくれるグラスです。

これを、お問い合わせの2つのグラスに当てはめますと、

「スピリッツ」が「蒸留酒フレンドリーグラス」
「コニャック」が「コニャックのために開発されたグラス」

と言えるかもしれません。

「コニャック」は、ヘネシー社とのワークショップ(最適なグラス形状を探し出すためのテイスティング)を経て選定されたグラス形状で、<ソムリエシリーズ> では、「VSOP」と「XO」で形状が異なっております。コニャック特有の香ばしく甘い香り、40度ほどのアルコールを舌上で大変やわらかく感じさせてくれる流れ方、を実現できるボウル形状となっています。

この、「お酒のキャラクターを感じられるかどうか」という視点で2つのグラスを比べますと、やはり(B)蒸留酒フレンドリーグラス、は、(C)コニャックのために開発されたグラスにはかなわないと思いますので、同じ効果が得られるかと問われましたら、「NO」というお答えとなるかと思います。

私の質問その2:

個人的には「ヴィノムスピリッツ」は「ヴィノムコニャック」と比べるとリムが狭く広がりがないため、コニャックの香り立ちでは劣るかなという印象がありますが、いかがでしょうか?

リーデル回答:

仰る通りです。また飲みやすさにおいても、「ヴィノムスピリッツ」のほうがボウルの角度が大きいため、ヴィノムコニャックよりグラスを傾ける角度が大きくなり、飲みづらさを感じてしまう場面があります。

ボウル形状や飲み口の口径の大小によりまして、飲料を口にするときの姿勢や、唇の形が変わってまいります。とくに、「コニャック」の反り返ったリムは、アルコールの揮発を良い塩梅で逃しているように思われますし、より少量のコニャックを、より舌の先端に、優しく導きますので、味わいに占めるアルコールの刺激感をかなり和らげるとともに、アルコールがもたらす甘味感も、よりよく引き出すグラスかと思われます。

私の質問その3:

ヴィノムスピリッツの形状について、上記の質問と重複するかもしれませんが、ヴィノムスピリッツのボウル部分がヴィノムコニャックと比較してボウルの膨らみが大きいのと、飲み口が煙突上で狭くなっている理由について教えて頂きたく存じます。

リーデル回答:

「スピリッツ」は「蒸留酒フレンドリーグラス」ですので、「コニャック」とは異なり、生産者とのワークショップにより選ばれた形状ではなく、蒸留酒メーカーのテイスティングなどでよく使用されているグラス形状をベースに、専門家の意見も織り交ぜながら開発されたグラスとなります。

グラスの大小はございますが、基本的に、各グラスメーカーのスピリッツグラスは、丸系のボウル下部に煙突型の飲み口が付いている、この形状がよく採用されているようです。

ここからは個人的な考えですが、「アルコールの揮発を抑える」ことだけを考えれば、ボウル下部の膨らみは必要ないかもしれません。

ただ、蒸留酒から楽しむことのできる素材特有の香りを、高い度数のアルコールの中から引き出すには、この膨らみ(酸素との接触)が必要なのだろうと思います。

香りだちのよいタイプの蒸留酒は問題ないのですが、穏やかなタイプの蒸留酒までも含めて、共通して香りを取れるようにするには、グラスが大きい場合に香りが取りにくくなる可能性がございますので、かなり小ぶりな形状に落ち着いたのかと思います。このボウルのサイズにつきましては、対象となるお酒がどのレンジなのかによって変わってくるだろうと思われます。

また、膨らみのあるボウルにより空気と触れて発生する、アルコールの揮発成分による、嗅覚器官への直接的な刺激を抑えるべく、煙突部の距離がクッションの役割を担っているのではないか、そのように考えております。

私の質問その4:

コニャックやウイスキー以外の蒸留酒(主にジンやウォッカなどでしょうか?)を飲む場合に、ヴィノムコニャックと比べてヴィノムスピリッツを使うメリットはどのようなポイントが挙げられるのでしょうか?

リーデル回答:

リーデルの「スピリッツ」を使用していただくメリットが感じられやすいものとしましては、いわゆるダーカースピリッツ系よりも、アルコール度数が、コニャックなどよりもより高く(70度前後)樽などによる、付加的な香りがあまりないホワイト・スピリッツが、よりフィットするのではないかと思います。

結論:コニャックに使えないことはないが、最適解ではない

これが全てでしょう。

私も「コニャックに使えるのでは?」と思ってヴィノムスピリッツ2脚セットを買った人間ですが、やはりコニャック用のグラスとしては最適解でありませんでした。

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理屈としても、実際に飲んで比較した感覚としても、コニャック用に作られたグラスであるヴィノムコニャックまたソムリエコニャックVSOP、ソムリエコニャックXOの方が圧倒的な香り立ちの良さとコニャックの味を引き出しているのに適していると分かります。

個人的に「そうだよね」と思ったのは、ヴィノムスピリッツはアルコール70度前後のホワイトスピリッツにより適しているグラスであるという事でした。

・・・というかアルコール度数70度のスピリッツを家に常備している人ってかなり珍しいと思いますけどね。

コニャックではないけど蒸留したてのアルコール70度のオードヴィーであればまた違った感覚を楽しめるのかもしれません。この熟成年数0年のポールジローとか。

という事で、ヴィノムスピリッツのコチラのAmazonレビューで「ウイスキー用に買いました!」とレビューされている方には是非別のグラスも試して頂けたらなぁと思います。

ウイスキーマガジンのウイスキー検証会では、ウイスキー用にリーデルの<ソムリエ> コニャックXOが評価されているので、コニャックに限らずウイスキー好きの方にも<ソムリエ>コニャックXOはおすすめです。

・・・高いけどね!!

リーデルグラスが最もお手軽に手に入るのは・・・

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以前はAmazon からの並行輸入が安かったのですが、最近はリーデル公式オンラインショップとあまり価格差がなくなってきました。また並行輸入の場合、正規品と検査基準も異なり、最悪偽物が混ざっている可能性もあります。

安さで言うならAmazon かもしれませんが、品質を重視すべきだと考えるので、やはり正規オンラインショップからの購入が推奨されます。
ちなみにリーデル公式オンラインショップだとポイントが最低5%付与されるので、実質楽天やAmazon よりも安くなります。

【リーデル社グラス検証シリーズ(全3回)】
第1回:「ヴィノム」と「ソムリエ」シリーズの違い検証
第2回:7種類のリーデルグラスでコニャックの風味の違いを検証
第3回:ポリ社最強グラス VS リーデル社コニャックXOグラス

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