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コニャックのシャラント式蒸留機を詳しく見てみよう

ブランデー豆知識中級編で「コニャックの蒸留方法」を書きましたが、ここではコニャックの蒸留機である「シャラント式単式蒸留機」の中身と各部分の役割をもう少し詳しく見てみましょう。

シャラント式とは?

コニャックで使用されるシャラント式蒸留機のシャラントとは、コニャック地方が属するフランスのシャラント県から名付けられています。

「シャラント式アランビック」(Alambic charentais)と呼ばれることがありますが、アランビックとはアラビア語で「蒸留器」を意味する「 الأنبيق 」からきています。(←読めない笑)
フランス語でalambicと言えば、コニャックの蒸留機を指します。

シャラント式蒸留機の全体像はこんな感じ。

シャラント式

蒸留所や年式によって微妙に形や大きさは異なりますが、基本的な構造や形は同じです。

シャラント式蒸留機の各部位と役割

それでは蒸留機の各名称と役割を見てみましょう。

シャラント式

出典:http://www.cognac.fr/
(日本語を一部加筆しました。)

①ショーディエール(chaudiere)

ヒーティングチャンバー。いわゆる蒸留窯です。

標準容量は3,000リットル。蒸留されるワイン約2500リットルを入れ、ガス直火式で加熱します。

実は初留時のみ使用できる14,000リットルの大容量の窯も存在します(最大張り込み13,000リットル)。しかし、窯が大きくなればなる程、中のワインの一部しか蒸留できなかったり、やや精度の低い溜液になる事もあるようです。

この独特の玉ねぎ型が採用されているのには理由があります。ガスの熱を横から受けやすく、効率的に燃焼でき、燃料コストも安く済むからです。

釜の厚さは約15mmで、この厚さが釜全体に熱を通すのに最も良いとされています。

②シャピトー(chapiteau)

スチルヘッドの事。

ショーディエールの10分の1程の大きさです。10分の1以上に大きいと、アルコール分だけが先に通り精留されやすくなる。容量は260~380リットル。

蒸気を集めて流れをスムーズにします。蒸気が通り抜けずに液体に戻って落ちるのを防ぐ役割もあります。

③コルドシーニュ(col de cygne)

白鳥の首のような形から別名「スワンネック」。

より多くの蒸気を流すための管。次の④ショーフヴァンを通り、それ以降の冷却器に導く。昔の蒸留機はこのコルドシーニュが無く、シャノピーから真っ直ぐ横に伸びており、蒸気が通り抜けずに液体になって落ちてしまっていたらしい。

次の④ショーフヴァンの温度によって中を通る場合と、後方か前方に迂回する管を使い分ける場合があります。

④ショーフヴァン(chauffe-vin)

ワイン予熱器。

熱エネルギーを節約するため、ショーディエールに流す蒸留用ワインを予め温めておく装置。

容量は①ショーディエールと同じ。蒸留用のワインは35℃超えた辺りから劣化(酸化)し始めるので、35℃以下の時は中を通しますが、35℃以上になると迂回ルートに切り替えて蒸気を通します。(この基準はメーカーによっても異なる)

ちなみに、このショーフヴァンはオプション的な機能なので、別に無くても良いそうです。マーテルラニョーサボランの蒸留機はショーフヴァンが無いです。

⑤セルペンタン(serpentine)

冷却管。

蛇管を通ってゆっくりと一定温度で蒸気を冷やし凝結(※)させ、液体に変える装置です。
※凝結=気体から液体へ転化する現象

長さは72~78m あり、必要な温度で凝結させる。

蒸留所によっても異なりますが、1回目の初留でできる蒸溜液「ブルイ」は13℃~14℃で凝結させます。2回目の再留の際にできる蒸溜液「クール」は17℃~20℃で凝結。スコンドは14℃くらいだそう。

ここから最終的にブルイやクールなどの液体になって再留に使われたり、バレルに注がれたりします。

⑥コンデンサー

冷却器。

セルペンタンを冷却するために必要な水を貯めている装置。容量は約5,000リットル。下から10℃の水を流し入れ、上から80℃程で出されるそう。

pipe de refroidissement(ピプ・ド・ルフロワデスマン)やrefrigerantとも呼ばれたりする。

流れを確認

コニャック蒸留の流れをflashで解説したBINC(フランスコニャック事務局)のページがありますので紹介します。

コチラ
(flashなのでスマホでは見れないかもしれません・・・)

あと蒸留の流れを解説した動画。↓

レオポルドグルメル、ヘネシーの蒸留所、そして最後の方にポールジロー氏が・・・。

ちなみにポールジローで使用しているシャラント式単式蒸留機は2つ。1950年製と1964年製のシャラント式単式蒸留機を使用しているそうです。

以上、コニャックの蒸留について、シャラント式蒸留機の各部位の名称と役割でした。何かのお役に立てば幸いです。

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