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コニャック(ブランデー)におけるランシオ香とは何か?

ワインでもよく聞く言葉「ランシオ香」。ワインでは否定的に取られる事が多いランシオ香ですが、ブランデーにおけるランシオ香とは一体何なのでしょうか?

今回はブランデーの中でもコニャックにおけるランシオの秘密と、その役割を紐解いていきます。

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まず、感覚的に表現すると、コニャックにおけるランシオとは「余韻を残してくれるもの」です。

飲んだ時に最後に鼻から抜けていく余韻の事です。その余韻を長くしてくれるもの。コニャックの風味を決める最も重要な要素の一つです。

元々はシェリーの香りの一つ。ワインでの表現です。行き過ぎた香りのことで「腐ったような香り」と評されることがありますが、コニャックや他の蒸留酒においては全く違う意味合いとなります。(後述)

ランシオはどのようにして生まれるのか?

まず、ブドウを発酵させる時に「高級脂肪酸」が出来ます。
※高級脂肪酸:分子の中に炭素を12個以上持つ脂肪酸のこと。

その高級脂肪酸が樽熟成中に酸化して「メチルケトン」という成分に変化します。

そのメチルケトンが、蒸留時にできた「エステル」と混ざってランシオになるのです。

発酵→蒸留→長期熟成のステップを経て初めて余韻の残るランシオになります。脂肪酸が重要なのです。

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ランシオが多すぎるとベーコンや牛脂の臭いになってキツイ香りになってしまいます。油が酸化するので、とても嫌な匂いです。例えば何もせずに100年も寝かしたコニャックは脂肪酸が大量に酸化して、とてもランシオが多くなり、バルサミコのようなきつい匂いになってしまいます。

上手な作り手はオリを入れてランシオを強めますが、入れ過ぎるとだめになってしまいます。その調整が熟練の技でもあるのです。

ワインのランシオと何が違うか?

最大の違いは蒸留と樽熟成の期間です。

ワインも発酵させた成分が酸化することでランシオが生まれますが、ワインの樽熟成年数は短いため、ここちよい香りには変化しにくいのです。そのためワインにおいてはランシオとはマイナスの表現となります。

それに対し、コニャックはじめ蒸留酒の場合は蒸留をおこなった時点で細かい化学物質が凝縮されます。それらが長期の樽熟成によって余韻の残るランシオに変化するのです。

蒸留・熟成というステップを踏んだ場合、ワインにおけるランシオとは全く別物のランシオとなるのです。

そのため、コニャックにおいてはランシオこそが最高の風味を出せるかどうかを決める大きな要素の一つとなるのです。

新樽を使う理由

コニャックの熟成には古樽を使ったり、新樽を使ったり、そのメーカーや目標とする熟成年数のコニャックによって古樽か新樽かを使い分けています。

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その中でも新樽を使用する主な理由はタンニンが多いためです。

タンニンが多いと酸化が早まり、ランシオも濃くなりやすいのです。

また、一度も使用されていないので、タンニンの量を計算しやすくするなります。タンニンの量を計算してうまく調整し、程よいランシオを作りだす事も新樽を使う主な理由の一つなのです。

樽を焦がしたり、二度焼きしたりするとタンニンが出やすくなりランシオも強まります。ただ、タンニンが多ければよいというわけではなく、予めタンニンの量を計算して、どの樽を使うか決める必要があるるので実は調整がかなり難しいのです。

ランシオの変化

熟成年数が経つにつれて酸化してランシオは増えていきます。

ランシオ自体は1年目から存在しますが、ほとんど香りには影響しません。15~20年くらいで所謂ランシオ香が出てきます。年数が経つにつれ、どんどん変化するので、若いランシオと年数が経ったランシオは全く違う香りがします。

香りで例えると次のようなイメージです

15~20年熟成のランシオ

  • ブルーチーズのロックフォールの香り(青カビ臭い)
  • カサブランカ香り
  • スイセン(ナルシス)の香り
  • フランスにあるスミレの香り
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30年熟成程のランシオ

  • 木の香り
  • 葉巻の箱の香り

これ以降はどんどん木の香りが強くなっきます。
表現としては「森の茂みの香り」とか「トリュフの香り」とか。

40~50年熟成のランシオ

エステルが凝縮され、乾燥させたフルーツの香りがするようになります。
パッション
ノアデココ
ライチ
などの香りがするようになります。

そして木の香りも同時に強くなっていきます。

若いコニャックでもランシオを強く?

若いコニャックに長期熟成コニャックをブレンドするとランシオが強くなり、若いコニャックでも最後の余韻を作ることができます。

これはVSなどのランクでヘネシー がよく取り入れている手法だそうです。だから若いコニャックでも味わいよく感じてしまうのだとか。

例えば、
10年熟成くらいの若いコニャックに、開封して何年もたってヘタってしまった30年以上の長期熟成コニャックを自分でブレンドしてみると、若いコニャックでもランシオ香を強めることができるそうです。やり方によっては美味しくなります。

若いコニャック
×
ダメになりかけた長期熟成コニャック

の組み合わせで自分ブレンドをしてみると楽しいかもしれません。

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コニャックにおけるランシオとは?まとめ

  • コニャックにおけるランシオとは「余韻を残してくれるもの」
  • ワインのランシオとは大きく異なる
  • 熟成時に酸化した高級脂肪酸がランシオの大きな要素
  • 新樽を使うのはタンニンの量を計算しやすくするため
  • 15~20年熟成でようやくランシオを感じることができる
  • 年数が経つにつれてランシオ香は様々に変化する

以上、コニャックにおけるランシオとは?に関するまめ知識でした。

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