コニャック滞在記2025年 秋

コニャック滞在記2025秋⑨みんな大好きフランソワ・ヴォワイエ!貴重な蒸留器のメンテナンス中

2026年8月1日

滞在5日目②
2025年9月25日(木)

午前中のハーディー訪問を終え、午後からはお待ちかねフランソワ・ヴォワイエへの訪問です。

2023年の訪問依頼、2回目の訪問となります。

参考記事
コニャック滞在記2023冬⑭神コニャック「フランソワ・ヴォワイエ」訪問
コニャック滞在記2023冬⑮フランソワヴォワイエの熟成庫に潜入
コニャック滞在記2023冬⑯神の領域に達したコニャックを堪能する

前回も訪問時にお世話になったMorganさんと11時にコニャックの市街地で待ち合わせ。それからジャルナックに移動し、Morganさんと当主のVandonさんと一緒にランチをさせて頂きました。最近のヴォワイエの様子、Bar Dorasの中森さんとの話、日本の話など様々な話題に華が咲き、あっという間の1時間のランチタイム。何という幸せな時間。

お腹もいっぱいになったところで、Vaudonさんの車でフランソワ・ヴォワイエの本拠地へと向かいます。

収穫機に乗って

9月下旬のタイミングで既に収穫は完了しており、既にワインを作っているところ。収穫自体を見ることはできませんでしたが、収穫期をメンテナンスするタイミングだったので、せっかくだしということで収穫機に乗せてもらい、乗りながら移動させて頂きました。

結構高くてスリル満点!!

コニャックのブドウ収穫においては「GREGOIRE」というメーカーの収穫機の普及率がかなり高く、収穫機=GREGOIREというイメージも定着しています。

ヴォワイエの収穫機もGREGOIREです。

フレッシュ出来立てのワインを頂く

すでにワインの発酵は進んでおり、良い感じの状態のワインをタンクから直接頂くことができました。

まだ澱が舞っている状態なので、ワイン自体は濁っています。

Vaudonさんが経営するビバルディ社では、日本でも有名なグランドシャンパーニュ100%のコニャック「フランソワ・ヴォワイエ」と、もう一つファンボア主体の「Cognac Vaudon(ヴォードン)」の2ブランドを展開しています。

ここではフランソワ・ヴォワイエの元となるグランドシャンパーニュのワインと、コニャック ヴォードンの元となるファン・ボアのワインの飲み比べをさせて頂きました。うーん、貴重な体験。

このタンク内のワインの澱がだんだんと降りてきて、もう少ししたらクリアな色のワインが出来上がります。

そのワインを蒸留器に入れるわけですが、それにプラスして下に貯まった澱を混ぜて蒸留するのがヴォワイエはじめ、ボルドリ地区以外の多くのコニャック生産者で用いられている手法です。この澱の量によって最終的な酒質やどれだけ長期熟成が可能になるかなど大きな要素が左右されます。

そのボリュームをコントロールするのも腕の見せ所です。

メンテナンス中の蒸留器

一通り生ワインを楽しませて頂いた後は、前回もお邪魔した蒸留施設へ。

何と、ちょうど蒸留器をメンテナンスしている最中でした。

こちらの蒸留器のガス管が古くなったため、ガス設備を取り換えるそうです。ヴォードンさん自身も、蒸留窯を取り外して中のガス設備を取り換えるのは今回が初めてとのこと。

ガス管を取り換えた後はちゃんと元の蒸留窯を元の位置に戻します。

元の位置とズレないように、ちゃんと位置を記録しているそう。ヴォードンさん自身初めての体験だそうで、今年の蒸留に影響が無いよう慎重に行っているとのこと。

「ガスの火力も窯の位置も元に戻すから多分大丈夫!多分!」

多分(笑)

ヴォードンさんもドキドキの蒸留器メンテナンスです。

こんなタイミングじゃないと蒸留器の窯を取り外したところなんて見る機会はないので貴重なタイミングでした。

この記事を書いている頃には既にその年の蒸留は終わっているのですが、結果どうだったか気になります。

アンセストラル No.9とその原酒を飲み比べる

一通り蒸留施設を見せてもらった後は、お待ちかねの熟成庫タイムへ。ここでも様々な原酒を樽から直接テイスティングさせて頂きました。

同じ1978年ヴィンテージのヴォワイエ向けグランドシャンパーニュと、ヴォードン向けファンボアとの飲み比べは大変興味深かったです。

こうやって飲み比べると、やはりヴォワイエのグランドシャンパーニュコニャックの力強さと余韻の長さは圧倒的ですね。もちろんファンボアの個性も大好きなのですが、ヴォードンさん自身も「やはり長期熟成となるとグランドシャンパーニュの方が圧倒的」とおっしゃっていました。

一通り熟成庫を案内して頂いた後は、パラディセラーへ。

前回、このパラディセラーでフランソワヴォワイエの最高峰コニャックでもあるコレクションペルソネルの原酒となる全てのヴィンテージを飲ませて頂いた天国のような体験の思い出が蘇ります。

今回はこのパラディセラーでフランソワヴォワイエ アンセストラル No.9と、そのメイン構成原酒のひとつである1960年ヴィンテージの飲み比べをさせて頂きました。

「じっくり好きなだけ時間かけていいよ」と有難いお言葉を頂き、一人パラディセラーでテイスティングさせて頂くことに。

なんという至福の時間。永遠の時が流れます。

前回のコレクション ペルソネルの原酒を飲んだ時もそうでしたが、ヴォワイエの真骨頂はヴォードンさんのブレンドテクニックにあります。

もちろんヴィンテージ単体でも素晴らしいコニャックなのですが、それら構成原酒をベストな分量でブレンドすることで何倍、何十倍にも素晴らしい香味と余韻を持ったコニャックが生み出されます。まさにコニャックの神髄はここにあり。

そんなこんなで改めてアンセストラルNo.9の完成度の高さと、構成原酒の質の高さを実感した時間でした。

貴重な経験をありがとうございました。

おまけ:アンセストラルの構成ヴィンテージ

ちなみにフランソワ・ヴォワイエ アンセストラルNo.9の構成ヴィンテージと割合は次の5つ。
※公表許可済み

  • 1948年(度数50.1%):9%
  • 1958年(度数43:8%):10%
  • 1955年(度数53.2%):23%
    ※これだけ1950年と1955年のブレンド
  • 1960年(度数48.1%):23%
  • 1971年(度数43.6%):34%

アンセストラルは数年に1度のリリースがあり、その度にブレンドは変わります。

次回、アンセストラルNo.10が出た時にどのようなブレンドになっているか楽しみですね!

どうやってヴォワイエの南国ランシオは生まれるのか?

パラディセラーで小一時間楽しませて頂いた後、再びゆっくりヴォードンさんとお話する時間がありました。

ここでは一番気になっていた事を聞く事ができました。それは

「どうやってヴォワイエの南国ランシオは生まれるのか?」

フランソワヴォワイエ エクストラ以上のコニャックを飲んだ事がある方ならわかるかと思いますが、ヴォワイエのコニャックはライチやマンゴー、パッションフルーツといった南国感あふれる香味と余韻が特徴的です。

このフレーバーの人気は非常に高く、コニャックファンのみならずウイスキーラバーの方々からも好かれる間違いなく100人中100人が「おいしい!」という香味。その香味を意図して出せるのがヴォードンさんの蒸留・熟成・ブレンド技術です。

その秘訣をじっくりと聞いて参りました。

・・・知りたい?

・・・知りたいですよね。

ここで書くとそれだけで1万字以上いってしまいそうなので、その詳細は別記事でまとめたいと思います。もったいぶってすみません。

簡単に重要な要素としては次の項目が挙げられます。

  • グランドシャンパーニュであること
  • 樽のシーズニング期間
  • 熟成庫の湿度
  • 蒸留時の澱のコントロール
  • 蒸留時のスゴンドの使い方

このあたりが重要要素になってきそうです。多分書くの時間かかるので気長に待ってくださいね。

ちなみに内容自体は「書いてもOKだよ!」と許可は得てるので大丈夫です。

また次回の再会を約束して

そんなこんなで午後は18時近くまでフランソワ・ヴォワイエにお世話になりました。

そして大変厚かましく、帰りはVaudonさんにコニャック市街地まで送り届けて頂きました。何から何までありがとうございました。。。

また次回コニャックを訪れた際にも必ず訪問させて頂きます。

次の記事
→ボルドリ地区の秘密?ジボアン コニャック訪問(仮)

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