ブランデー知識【入門編】

【初級編】ブランデーの賞味期限・保存・保管方法

2015年7月7日

ブランデーを買ったはいいものの、1週間では飲みきれないし、どのくらいの期間、どこで、どんな風に保管しておけばいいの?
と迷われた方が多い事でしょう。今回は長期間おいしくブランデーを楽しむための保管・保存方法を解説します。

ブランデーに賞味期限・消費期限はあるのか?

賞味期限とは「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、美味しく食べられる期限」を表し、消費期限とは「製造者が定めた、ある保存方法で概ね5日間経つと品質劣化する長期間保存できない食品の食用可能期限」を表します。賞味期限が切れたからといってすぐに腐り始めるというわけではありません。

ではブランデーの賞味期限・消費期限はどのくらいかというと・・・
実はブランデーに賞味期限・消費期限は存在しません。ブランデーはアルコール度数が約40度と高く、殺菌力に優れており、有害な微生物が繁殖しづらいので通常の環境ではほとんど腐ることがありません。
以上の理由からブランデーは賞味期限・消費期限がなく、表示義務が免除されています。

ただし、一度開封した場合は下の「開封後の保管・保存方法」にも書いているように、一般的なXOクラス以下のブランデーであれば風味が損なわれない目安は約6ヵ月間~1年といったところでしょう。(ただし熟成年数によっては1年、2年・・・と年数が経過した方が風味がより花開くことがある)

ブランデーの保管・保存方法

ブランデーの保管・保存方法は未開封の場合と開封後の場合で若干異なります。

未開封の場合

  • 冷暗所がベスト
  • 直射日光は避ける
  • 冷蔵庫・冷凍庫保存はおすすめしません

ブランデーは生産された場所と同じような環境・室温で保管するのがベストです。
コニャックであればフランスのコニャック地方の気温(平均約15~20℃)といったところでしょう。温度・湿度調整管理が可能な専用のボトルセラー等を持っている方はよいのですが、なかなか一般的に専用セラーを持っている方は少ないかと思います。

一般の家庭であればキッチン下の収納や、日光が当たらない収納場所がよいでしょう。あまり神経質にならない方がよいかもしれません。

ただし、直射日光は避けましょう。直射日光が当たるとブランデーの温度が上がってしまいますので要注意です。

【冷蔵庫・冷凍庫保管について・・・】
ちなみに冷蔵庫や冷凍庫での保管も可能ですが、当サイトとしてはブランデーの冷蔵庫・冷凍庫保管はおすすめしません。アルコールは温度が低くなればなるほど、口に含んだ際の刺激が強くなります。マティーニに使用するジンや他のスピリッツは刺激を強めるため、あえて冷凍庫に保管する場合がありますが、ストレートで風味を楽しむブランデーにはあまり向いていないように思います。
なお、ブランデーやその他のアルコール度数40度前後のスピリッツであれば、アルコールにより凝固点がかなり低くなるため冷凍庫に保管しても凍りません。ブランデーやその他スピリッツに当てはまるアルコール40度の凝固点は-31℃です。ワイン等のアルコール15度で凝固点は-7℃、アルコール20度で-11℃、アルコール60度で-60℃となります。家庭用冷凍庫の温度は約-18℃くらいなので、ワインや日本酒は凍ってしまいますね。

開封後の場合

  • 冷暗所がベスト
  • 栓はしっかり締める
  • 可能であればパラフィルムを使ってフタを覆う
  • 冷蔵庫・冷凍庫保存はおすすめしません
  • 美味しく飲める目安期間は6ヵ月~1年
  • ボトルは横置きせず縦置きしておく

ブランデーも一度開封すると、栓をしても空気に触れるため、ちょっとずつ劣化が起こり始めます。ここで言う劣化の定義は「ブランデーが空気に触れることで酸化し、本来の風味とは違う風味になる事」を指します。
完全に酸化を防ぐことは難しいですが、やはり冷暗所で保管することがベストです。しっかりとコルクを締めておきましょう。

また、Barやお店等で行われている方法として、酸化を防ぐためにパラフィルムというシールテープを使用すると効果てき面です。一般家庭で常に持っている方は少ないと思いますが、瓶とフタの境界線をパラフィルムで覆うことで、空気の入りを極端に少なくすることが可能です。コダワリ派の方は是非試してみて下さい。

パラフィルム詳細はコチラから

冷蔵庫・冷凍庫保管は「未開封の場合」で先述したように、当サイトとしてはあまりおすすめしません。

ちゃんとフタが閉まっており、常温くらいで保管されていれば、たとえ開封後5年くらいのブランデーを見つけても飲んで大丈夫でしょう。ただし、開封後であれば確実に酸化は進みます。
このブランデーにとっての酸化というのは実に難しく、熟成年数が若いブランデーであれば徐々に風味が落ちていくのですが、熟成年数35年以上くらいの長期熟成を経たブランデーであれば、逆に開封後1年でよりまろやかに花開くものもあります。

開封後どれくらいがちょうどよいかは、物によって違うのですが、熟成年数25年以上の一般的なXOクラスであれば開封後も風味を損なわず飲める、あるいはより花開く目安は約6ヵ月間~1年といったところではないでしょうか。

ブランデーは横置き?縦置き?

開封後のブランデーボトルは横にせずに縦置きで保管したほうがよいです。
ワインではボトルを横に寝かせて保管する場合がありますが、これは横置きしてコルクにワインを触れさせることによりコルクを湿らせ、コルクの乾燥を防ぐために行われます。コルクを湿らせることにより開封時のコルク崩壊を防いだり、空気の通り道を狭くする役割があるとされています。しかし、この横置きはブランデーにはあまり向いていない置き方かと思われます。理由は次のとおりです。

  • アルコール度数が高いとコルクの臭いが移りやすくなる
    →ワインと違って40度近いアルコール度数のブランデーは、そのアルコール度数の高さ故にコルクに接触しているとワインよりもはるかにコルクの臭い移りが激しくなります。
  • 空気に触れるブランデーの表面積が増えるため
    →横にすることで空気に触れるブランデーの表面積が多くなり、酸化が早まります。
  • コルクが短いボトルが多いため
    →ブランデーのコルクはワインコルクと比べて短く、横置きにするとフタが取れやすくなる危険性があります。
  • ボトルの形状的に横置きが難しいボトルが多い
    →ブランデーのボトルってものによってはとても特徴的で装飾的です。形状的に横置きに向かないボトルも多いですね。(ヘネシーXOとかクルボアジェXOとか・・・)

「横にしてコルクを湿らせないとコルクが劣化して開封時に崩れてしまうのではないか?」という意見もあり、これは賛否両論分かれるのですが、当サイトでは家庭でブランデーの風味を楽しんで頂くことを優先して縦置きを推奨します。もし、万が一コルクが崩れてボトルの中に落ちてしまった時は、コーヒーフィルタのようなフィルタでろ過してコルクを取り除いてあげましょう。

まとめ:ブランデーの賞味期限・保存・保管方法

以上のブランデーの保管・保存方法のポイントを箇条書きでまとめてみます。

  • ブランデーに賞味期限・消費期限はない
  • 未開封ブランデーの場合
    ・冷暗所がベスト
    ・直射日光は避ける
    ・冷蔵庫・冷凍庫保存はおすすめしません
  • 開封後の場合
    ・冷暗所がベスト
    ・栓はしっかり締める
    ・可能であればパラフィルムを使ってフタを覆う
    ・冷蔵庫・冷凍庫保存はおすすめしません
  • ブランデーは横置きせずに縦置きで保管する
  • 一般的なXOクラスであれば開封後も風味を損なわず飲める、あるいはより花開く目安は約6ヵ月間~1年
  • モノによっては1年、2年・・・と経つにつれより丸みを帯びて円やかになるブランデーもある

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