ブランデー好きな方なら一度は耳にしたことのあるかもしれない言葉
プルミエ・ファンボア
ギィピナールやレオポルド・グルメルなどで有名なコニャックの生産地域の呼び名の一つなのですが、プルミエファンボアとは一体何なのでしょうか?普通のファンボアとの違いは?プルミエファンボアの作り手とは?
今回はプルミエファンボアについて紐解いていきます。
プルミエ・ファンボアとは何か?
まずは言葉の意味から
Premier Fins Bois(プルミエ・ファンボア)
=「最初のファンボア」
Premierとはフランス語で「最初の・第一の」という意味です。
その名の通り、一番最初に「ファンボア」としてブドウ畑が開墾された土地の事を指します。
なぜプルミエファンボアだけ特別な名称なのか?
このファンボアの中でも特別な呼び方をされているプルミエファンボアですが、元々は何百年も前からワイン用のブドウに力を入れて栽培している地域でした。コニャックを作り始める前の話です。
コニャックが作られる前は、グランドシャンパーニュやボルドリでもワインを作っていました。その地域で作られたワイン樽がシャラント川を下って売られていました。
そしてジャルナック周辺でワインが売れるようになり、元々ジャルナック周辺の林だった場所を開墾しブドウ畑にしたことがプルミエファンボアの始まりです。
繰り返し言いますが、「最初に開墾されたファンボア=プルミエ・ファンボア」です。
元々このファンボアの地区はブドウ作りには最適で、点々とブドウの木が植えられていましたが、このプルミエ・ファンボアの開墾によって一気にブドウ畑が広がり、現在の一面ブドウ畑の土地になったそうです。
プルミエ・ファンボアはどこにある?
プルミエファンボアと呼ばれる地域は、もちろんファンボア地域に入るのですが、具体的な場所はフランスのJarnac(ジャルナック)という村の北東に広がっています。
ちょうどシャラント川を挟んで、グランドシャンパーニュとファンボアの境目あたりです。
↓だいたいこの辺↓
Google Mapでの確認はコチラ↓
プルミエ・ファンボアは何故良いとされるのか?
現在、現地ではやや死語となりつつあるプルミエ・ファンボアですが、やはりいまだにこの地域で作られたブドウやコニャックは高く取引されています。
元よりファンボア地域は平坦で作物が植えやすい土地柄でしたが。特にこのプルミエ・ファンボアと呼ばれる地域は赤土(チトニエン)が露出しており、日照条件も良く、独特の風味をもったブドウが育つそうです。
その独特の風味が評価を得ており、実際に今でもギィピナールやレオポルド・グルメルなどのファンボアの中で有名な作り手(後述)はプルミエファンボアに存在している農家さんが多いのです。
もちろん、その特徴的な味を良いとする人もいれば、良しとしない人もいます。
ただ、一般的なファンボアコニャックより高値で取引されていたり、今でも人気のあることから、好みはあるにしろ、プルミエ・ファンボアの畑の個性を持つ一味違ったファンボアコニャックが楽しめる事は間違いないでしょう。
プルミエ・ファンボアの有名な作り手は?
では実際にプルミエファンボアの有名でおすすめな作り手を紹介しましょう。現在日本で手に入り安いおすすめブランドは次の2つでしょう。
- ギィピナール(Guy Pinard)
- レオポルド・グルメル(Leopold Gourmel)
ではそれぞれ少し詳しく見てみましょう。
ギィピナール(Guy Pinard)の特徴とラインナップ
フーシニャック(Foussignac)村にあるギィピナールは元々オーガニックワインの先駆者でもあります。1969年にフランスでいち早くビオ認定されたコニャックの一つでもあります。プロプリエテールコニャックです。
お手頃なのはギィピナールファンボアセレクションですね。熟成年数も若く、青々しいコニャックなので最初の一杯に良いかもしれません。
↓ウチにあるファンボアセレクション↓
濃いコニャックを飲む前に飲むと、違いが明確に分かって面白いです。
↓BIO主張が激しい
あとはギイピナールXO 1990-2010年も美味しかったですよ。↓(一番右のボトル)↓
レオポルド・グルメル(Leopold Gourmel)の特徴とラインナップ
言わずと知れたファンボアの有名処です。レオポルド・グルメルはプロプリエテールではなく、他農家からの原料・原酒買い付けでコニャックを作っていますが、全て厳選された3~4つのプルミエファンボアの農家からコニャック原酒を買い付けています。
日本流通分の通販の場合は楽天に多くラインナップがありました。
↓某氏のプライベートストックから飲ませて頂いたレポルドグルメル Age du Fruit
非常に個性的な風味。
日本に流通しているのはほんの一部なので、色んなラインナップを見たい方は公式サイトか海外の通販サイトを見てみるといいかもしれません。
一味違ったファンボアコニャックを楽しみたい方はプルミエ・ファンボアに着目してみると面白いかもしれませんね!