リーデル社より協賛頂いた7種類のグラスとブランデーを使って様々な違いを検証するシリーズ第2回目です。(全3回)
なお第1回目はコチラ↓
今回はリーデル社のグラス7種類を使って、一つのブランデーを飲み比べ、風味や味わいの違いを比較していきます。コニャックグラスからシャンパングラス、ワイングラスまで様々です。果たしてその違いと最もブランデーに向いているリーデルグラスやいかに・・・。
プロに依頼!銀座Bar Mistyの三澤店長にご協力頂きました!
2016年1月23日に行った今回のテイスティングは、私のような素人ではなくベテランバーテンダーである銀座Bar Msityの三澤 政樹 店長にご協力頂きました。
Bar Mistyは全国各地の47都道府県の農家から取り寄せた各季節ごとの特産品フルーツを使用したオリジナルのフレッシュフルーツカクテルが楽しめる日本で唯一のバーなのです。三澤店長が自らの手で作るフルーツカクテルの種類は年間で300種類以上にも上るとか・・・。
もちろんコニャックやワイン、その他スピリッツに関しても長けてています。そんなプロの舌はどのような評価を下すのでしょうか。コメントと写真と共にお楽しみ下さい。
使用するリーデルグラスについて
今回リーデル社よりグラス比較検証用に提供頂いたグラスは全7種類↓
上の写真の左から順に次のようなラインナップです。
- ソムリエ「コニャックXO」
- ソムリエ「コニャックVSOP」
- ヴィノム「コニャック」
- ヴィノム「ブランディ・スニフタ」
- ヴィノム「シングル・モルト・ウイスキー」
- ヴィノム「シャンパーニュ」
- ヴィノム「カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロー」
※ソムリエシリーズとヴィノムシリーズの違いについてはコチラの記事を参照
使用するブランデーについて
今回テイスティングに使うブランデーはコニャック「ジャンフィユー トレヴィユー 」です。当サイトでも評価が高く、初心者おすすめブランデーにもランクインするコニャックです。熟成年数23~25年の原酒がブレンドされ一般的なXOクラスとなり、検証用にはもってこいのコニャックです。
参考→そもそもコニャックとは何?
参考→XOやVSOPの定義とは?
参考→ジャンフィユー特集・ラインナップ
検証1:ソムリエ「コニャックXO」
それでは早速テイスティングに移ります。まずはコチラのグラス。このコニャックXOはリーデル社とヘネシー社が共同開発し、熟成年数が20年以上のXOクラス向けに作られたグラスです。
三澤店長
「ジャンフィユーの香りがしっかりと香ります。ジャンフィユーの良さを全て引き出せている感じですね。くびれ部分にたまった香りが優しく放出されます。飲む際もスッと口の中に適量が流れ込むので飲みやすいです。」
おお、さすが今回一番高級なコニャックグラスだけありますね。
検証2:ソムリエ「コニャックVSOP」
続いてコチラのグラス。コニャックVSOPは上のコニャックXOより熟成年数が若いコニャック向けに作られたグラスで、コニャックXOグラスと比べて飲み口が外側にロがっていることで味わいをまろやかにするのが特徴です。
三澤店長
「コニャックXOと比べて香りがちょっと控えめになりますね。若さが全面に出るって感じです。飲み口が広がっている分、口当たりはこちらのほうが優しいかもしれません。」
微妙な差ですが、やはり飲み口でちょっと違うようです。
検証3:ヴィノム「コニャック」
ここからはマシンメイドのヴィノムシリーズ。ヴィノム「コニャック」はその名の通りコニャック全般向けに作られたコニャック万能グラスです。形は上のコニャックVSOPとほぼ似ていますが、マシンメイドのためこちらのほうがグラスの厚さがあり、くびれ形状も微妙に違います。
三澤店長
「どっちかというとコニャック独特のエステル香を強く感じます。アルコールの香りが強くでますね。味もあれですね、アルコール感が結構出てるような感じです。」
なるほど・・・形はほとんど同じに見えますが、グラスのサイズや形で微妙な違いが・・・
検証4:ヴィノム「ブランディスニフタ」
こちらはオールドタイプのバルーン型ブランデーグラス。グラスが大きく香りがきつくなりすぎすため、近年はコニャック用グラスとしては避けられることが多くなったグラスです・・・。果たして・・・。
三澤店長
「グラスが大きいからかもしれませんが、でも、うーんそうですね、最初は静かでつ包み込むような香り立ちで、特に香りがキツすぎるという感じもありません・・・が、飲む際に鼻をグラスの中に突っ込むような形になるので香りが少々攻撃的になりますね。ブランデーの香りがストレートすぎるくらいに鼻に届きます。」
最初は意外と香りがきつくないという意外さ。
検証5:ヴィノム「シングルモルトウイスキー」
こちらはリーデルがシングルモルトウイスキー用に開発したグラスです。ブランデーへの応用は効くのでしょうか。
三澤店長
「うーん・・・全く香りが立たないですね。味も実直な感じです。それほど空気と触れ合わないので、空気とのバランスが必要ではないウイスキー向け。コニャックの香りは活かせません。」
はい、ダメでした。
検証6:ヴィノム「シャンパーニュ」
一般的なフルート型のシャンパングラスです。コニャックをこのグラスに入れるのは初めてですが、結果やいかに・・・
三澤店長
「おぉ・・・意外と・・意外と香り立ちますね。意外と。ただ、酸化はあまりしないので、グラスの高さがある分シングルモルトグラスより香るけど、コニャックの香りは半ばで消えてしまいます。」
これは意外。実は今回最もダメなグラスと予想していました。
検証7:ヴィノム「カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロー」
赤ワインで使用されるカベルネソーヴィニョンまたはメルロー向けに開発されたリーデル社のワイングラスです。
三澤店長
「香り立ちは微妙。やはりワインにはいいと思うが。割と水っぽくなる。コニャックがワインに変化する感じ。シングルモルトグラスとシャンパングラスに比べると良い香り立ちがしますが・・・。あとはグラスの幅も高さもあるので、少量注ぐブランデーはちょっと飲みにくいかもしれません。」
やはり赤ワイン用は赤ワインなのか・・・。
決定!最もコニャックに合うリーデルグラスは・・・・
さて、7種類のグラスでコニャックジャンフィユーをテイスティングし終えた結果、最も風味、味わい、口当たりがよいリーデルグラスはどれだったのでしょうか・・・
三澤店長
「一番最初にテイスティングしたソムリエシリーズのコニャックXOグラスがダントツにウマいですね。圧倒的です。次点としてコニャックVSOPグラスです。」
まとめ:リーデルコニャック用グラス検証比較
今回のテイスティングでは結果としてソムリエシリーズ「コニャックXO」が最も評価されました。やはりハンドメイドでコニャックの旨さを引き出すために研究開発されたグラスはそのれなりの実力を兼ね備えているようです。
コニャック用リーデルグラスとしての順位としては次のような結果です。
当サイトのおすすめブランデーグラス特集にも書いているように、私としてもリーデルのコニャック用グラスではソムリエ「コニャックVSOP」か「コニャックXO」が最もよいと感じるので納得のいく結果となりました。逆に意外だったのはシャンパングラスの香り立ちの良さ。そしてシングルモルトウイスキーグラスの香り立ちの悪さでした。
ただソムリエシリーズの「コニャックXO」は一脚1万以上の価格で、グラスが薄く扱いも難しいので、ブランデー初心者の方はお手軽なヴィノム「コニャック」のほうがおすすめできるグラスかもしれません。
また今回の結果はあくまで7種類のグラスの中からコニャック「ジャンフィユー トレヴィユー」を使ったテイスティング企画です。また違うグラスを使ってみたり、違うコニャックでテイスティングを行うと違う結果と別の発見があるかもしれません。興味は尽きませんね!
リーデルグラスが最もお手軽に手に入るのは・・・
以前はAmazon からの並行輸入が安かったのですが、最近はリーデル公式オンラインショップと最近はあまり価格差がなくなってきました。また並行輸入の場合、正規品と検査基準も異なり、最悪偽物が混ざっている可能性もありますのでご注意を。
安さで言うならAmazon かもしれませんが、品質を重視すべきだと考えるので、やはり正規オンラインショップからの購入が推奨されます。ちなみにリーデル公式オンラインショップだとポイントが最低5%付与されるので、実質楽天やAmazon よりも安くなります。
三澤店長と銀座Bar Mistyについて
三澤 政樹 (Masaki Misawa)
銀座Bar Misty店長。フレッシュフルーツカクテルの第一人者、カクテルアーティスト。旬のフレッシュフルーツカクテルを中心に提供。年間で創作するオリジナルフルーツカクテルは 300種類を超える。
日本全国の特産品フルーツ ・ 野菜を素材としたカクテルを創作することで、生産地のPRと地域振興、そして日本の高品質な農産物をフルーツカクテルというツールで世界に発信することを目指す。
銀座 Bar Misty
営業時間:18時~朝4時(平日) 18時~23時(土曜)
定休日:日・祝
住所:東京都中央区銀座7-6-5 石井紀州屋ビル3F
TEL:03-6264-6845