2019年5月に開催されたフランス大使館試飲会にてボトルごと頂いたABK6(アベカシス)コニャックの詳細を書いていなかったので、レビューと感想を書いて参ります。
今回レビューを行うのは、2019年7月時点ではまだ日本未入荷のコニャック「ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス XO ルネサンス)」です。まずは、この初見では必ずといっていいほど某アイドルグループに間違われるABK6コニャックについて少し見ていきましょう。
参考記事
→日本未輸入コニャック三昧!フランス大使館主催試飲会レポート
ABK6 Cognacとは?
ABK6はグランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、ファンボアに合計370ヘクタール以上の葡萄畑を所有する大規模プロプリエテールであるDOMAINES FRANCIS ABECASSIS(ドメーヌ・フランシス・アベカシス)が展開するブランドの一つです。
ABK6公式サイトはコチラ
DOMAINES FRANCIS ABECASSIS(ドメーヌ・フランシス・アベカシス)はABK6の他にも、LAYRAT、REVISEUR、GRANDS DOMAINESといった4つのブランドを展開しています。サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションやワールド・コニャック・アワード等のコンペティションでこれまでに合計60以上のアワードを受賞しており、様々なコニャックを精力的にリリースしています。
私の同年代のCEOが手掛けるブランド
DOMAINES FRANCIS ABECASSISのオーナーはFrancis Abecassis氏ですが、SBK6はその娘さんであるElodie AbecassisさんがCEOを務めています。彼女、私と同い年くらいで、確か2019年時点で32歳か33歳。何とCEOに就いたときは若干23歳でした。自分と同世代のCEOが展開するコニャック。これだけでも応援したくなります。
↓分かりやすいPV↓
ABK6は比較的規模の大きなブランドですが、葡萄の栽培・収穫・発酵から熟成・ブレンドに至るまで、何十年もその仕事を続けている経験豊富な職人達の手によって進められます。
熟成庫は20か所以上所有しており、合計で3,500以上の樽が保管されています。それら全ての熟成庫を管理し、ブレンドを行うのはセラーマスターのChristian Guerin氏。彼は4世代にわたってアベカシスのセラーマスターを務めているコニャック一族です。彼のブレンディング技術によってABK6のコニャックの方向性が形作られているといってよいでしょう。
2019/11/13追記:現セラーマスターは別の人です
※ Christian Guerin氏がセラーマスターを務めたのは2018年までです。それ以降は元Cognac Gautier (ゴーティエ)のセラーマスターであるIsabelle Couprieさんがアベカシスのセラーマスターを務めています。
このブランドに関してはもっと詳しく書ける内容がたくさんあるので、それはまた別の記事にて書いていきたいと思います。
ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス ルネサンス)のスペック
ではここで今回頂いたABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス ルネサンス)のスペックを見てみましょう。
ABK6 XO RENAISSANCE
日本呼称「アベカシスXO ルネサンス」
容量:700ml
アルコール度数:40%
熟成年数:30~45年の原酒をブレンド
生産域:ファンボア80% プティットシャンパーニュ20%
2017年World Cognac Awards – Best XO受賞
2019年World Cognac Awards – Best XO受賞
2019年World Cognac Awards – World's Best Cognac受賞
2019年の受賞歴はかなり頑張っていますね。
World Cognac Awards – World's Best Cognac、つまりベストオブベスト、最優秀金賞を獲得しています。
2019年7月時点ではまだ正式に日本へは輸入されていないため、小売価格も定まっていませんが、海外価格だとおよそ135ユーロ~150ユーロくらいで落ち着いているようです。日本円にすると16,000円~18,000円くらいですね。
熟成年数が30~45年の原酒がブレンドされていると考えると比較的リーズナブルな部類に入ると思います。
ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス ルネサンス)のレビュー
では前置きはこの辺にして早速テイスティング。フランス大使館のイベントでは立ちながらテイスティングでゆっくりできませんでしたが、今回は何杯でもゆっくりテイスティングできます。
ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス XO ルネサンス)の香り立ち
香り立ちはかなり良い。
ABK6のコニャックは全体的に柑橘系を中心としたフルーツの香りを基調としていますが、このABK6ルネサンスはオレンジ、イチジクといった香りが華やかに開いています。後半にはハチミツ系の香りも漂い、熟れたフルーツの香りと、甘みを伴った香気成分が大変心地よいです。
ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス XO ルネサンス)の味わい
熟したドライフルーツ感がたっぷりです。
開けたては少し樽感というかクルミやナッツ系の渋みを強く感じますが、ボトルを開けて1ヶ月程経つとその風味がちょうどよい塩梅にバランスをもたらしてくれます。
鼻抜けではオレンジ、レモンといった香り立ちで感じた柑橘系の風味が心地よく抜けていき、ピーチ感、南国フルーツを味わっているような余韻を結構長く感じることができます。
比較対象としてはラニョーサブランフォンヴィエイユ35年やあたりになるかもしれませんが、またこれらの2本とは違った住み分けができています。
風味に関してはフローラルな香りが開くラニョーサブランとは異なり、どちらかというとフランソワヴォワイエ エクストラで感じたようなフルーツ系の風味が特徴として強く感じます。ファンボアの葡萄が80%を占めるこのコニャックですが、30年~45年の熟成を経たファンボア+プティットシャンパーニュは、グランドシャンパーニュコニャックのようなパンチや力強さを楽しむというよりも、軽やかで南国感のある味わいを楽しむことができます。
「〇〇賞受賞!」というはあまりあてにならないと考えていましたが、このコニャックに関しては納得。これは個人的には大変好きな部類のコニャックです。
ABK6 XO ENAISSANCE(アベカシス ルネサンス)の総評
まとめとして、私としては大変好きな部類であり、おすすめできるコニャック。
そして何より、恐らくこのコニャックは相当コスパがよい。2019年7月時点ではまだ日本未入荷のため、小売価格は決まっていませんが、海外価格から考えるに、もし小売価格が17,000円~19,000円前後の価格であれば、「買い」のコニャックだと思います。
比較的規模の大きいコニャックメーカーでありながら、葡萄の栽培から瓶詰まら一貫して自社生産。ブランドとしての方向性やマーケティングも非常に明確でありなが、World's Best Cognac受賞に値するクオリティを持ち合わせているコニャックです。
日本未入荷といいつつ、フランス大使館のテイスティング会では私と一緒にインポーターさんも一緒に色々と話した経緯があり、おそらくこのコニャックは遅かれ早かれいずれ日本に入ってくるコニャックです。早ければ2019年11月くらいかもしんない。
ブランド名もインパクトがあり、コニャックのクオリティも名前負けしていないので、今後が大変楽しみなコニャックです。私としては応援したい。
ということで、ABK6 XO RENAISSANCE(アベカシス ルネサンス)が日本に入荷される日がとても楽しみである!
2019/12/1追記:とうとう日本でも販売開始!
とうとうABK6コニャックが日本でも販売開始となりました!輸入してくれてありがとう><