ブランデーを楽しむ方の中には、日ごろの食生活やダイエットに気を使って「トクホ飲料」を飲んでいる方も多いかもしれません。
今や多く普及してる「トクホ飲料」。「脂肪と糖に効く」や「脂肪吸収を抑える」「血糖値の上昇を抑える」などの謳い文句でコンビニやスーパーでもトクホのコーラやお茶、トクホのノンアルコールビールまで絶好調に売れています。
そしてこの「トクホ」を支えているのが「難消化性デキストリン」という成分。この「トクホ飲料」「難消化性デキストリン」、ブランデーにも応用できないだろうか・・・?
そもそもトクホとは?
まず、そもそもトクホ飲料とは何なのかをハッキリさせておきましょう。
トクホとは「特定保健用食品」の略で、消費者庁に効能表示を許可された食品を指します。つまり健康に何らかの良い影響を与える事が期待できる、と国が認めた食品の事です。
アルコールはトクホとして認められない?
ようやく2014年にノンアルコールビールがトクホとして認められましたが、現時点(2017年3月)ではトクホとして販売されているアルコール飲料(お酒)類はありません。
そもそも「健康にいい!」というイメージを大前提としているのがトクホなので、一般的に飲酒自体にそのイメージが持たれることはないでしょう。
2014年以前、ノンアルコール飲料がトクホとして消費者庁がNGを出していたのも「社会的見地からの判断」で「トクホとして不適切」「未成年飲酒を助長する」といった理由でした。
トクホと同じ効果を得ることは可能か?
結論から言うと、糖尿病レベルで血糖値を気にしたり、本気でダイエットに取り組もうとしているのであれば、そもそもブランデーを含むアルコール類は飲まないに越したことはありません。
とは言っても、お酒は嗜好品。楽しんでなんぼです。
そんな嗜好品に少しでもトクホに近い健康要素を取り入れられないものでしょうか。
トクホ飲料の肝は難消化性デキストリン
そんな願いを叶えてくれそうな「魔法の粉」があります。(え
ただの茶や清涼飲用水を「トクホ化」している消費者庁に認められている成分が「難消化性デキストリン」です。トクホ飲料に共通して多く含まれている関与成分で、巷でも有名になってきました。
代表的なトクホ飲料に難消化性デキストリンはどれくらい含まれているのでしょうか?
主要トクホ飲料の難消化性デキストリンの含有量は以下のようになっています。
どの「トクホ飲料」も500mlあたり約5g~10gの難消化性デキストリンが含まれています。では、何でも「トクホ化」できる難消化性デキストリンとは一体何なのでしょうか?
難消化性デキストリンとは消化されにくいデンプン?
何だか難しそうで、効果がありそうな名前をしていますが、難消化性デキストリンとはデンプンの一種です。その名の通り、「消化されにくいデンプン」の事なのです。
水溶性食物繊維という言い方の方が一般的かもしれませんが、そもそもデキストリンとは、数個のα-グルコースがグリコシド結合(多糖の糖単位を連結している構造のひとつ)によって生成された物質の総称で、デンプンの1種なのです。
原料はトウモロコシや小麦や様々あるようですが、最も多いのはウモロコシのデンプンを培焼したもの。
そのデンプンをアミラーゼ(食物として摂取したデンプンを消化する酵素)で加水分解し、その中の難消化性成分を取り出して調製した水溶性の食物繊維を難消化性デキストリンと呼んでいます。
難消化性デキストリンの効果
この消化されにくいデンプン「難消化性デキストリン」の効果には主に次のようなものが認められています。
- 糖の吸収スピードを遅らせる
- 腸の調子を整える作用
- 脂肪の吸収スピードを遅らせる
- 内臓脂肪や中性脂肪の低減する
- ミネラルの吸収を促進させる
これだけ見ると、まさにダイエットや血糖値を気にしている人にとっては「魔法の粉」。(ただし怪しヤツではない)
特に脂肪の吸収、糖の吸収のスピードを遅らせる事は非常に嬉しい効果です。
なぜ脂肪や糖の吸収を抑えつつ、必要なミネラル系の吸収を促進できるのか?
どうも、胃や腸で糖が吸収される時に難消化性デキストリンが吸収をうまく阻害してくれるらしい。
粉末状態で単体入手することができる
実は、難消化性デキストリンはわざわざトクホ飲料を買わなくても、単体の粉末状態で購入することが可能です。
最も評価が高いのはこの大東物産株式会社製品、ヘルシーカンパニー販売の難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)。
値段は400gで864円。1gあたり2.16円。10gあたり21.6円なので、なんでもトクホ化できる粉としては非常に魔法の白い粉としてはかなり安い印象。
大塚製薬からも「賢者の食卓 ダブルサポート」という商品が出ていたり、他のメーカーからも難消化性デキストリンを摂取できる様々な水溶性食物繊維パウダーが販売されていますが、ハッキリいてコスパ悪いです。賢者の食卓は6g×30包で約1700円。1gあたり9.4円です。
主な違いは主成分と食物繊維含有量です。
大東物産の難消化性デキストリンは非遺伝子組替の小麦由来。賢者の食卓はトウモロコシ由来です。
大東物産の方は食物繊維含有量85%。賢者の食卓は表示上100%(厳密には難消化性デキストリン(食物繊維として)を85~95%含む原料を使用)。賢者の食卓の方が精製度は高いようです。
ちなみに賢者の食卓の方は国内の臨床実験で効果確認済みの製品なので、信頼性はこっちのほうが上かな。
コスパ重視なら大東物産産、信頼性重視なら賢者の食卓でしょうか。私はコスパ重視の難消化性デキストリンで十分だと思いますが。
血糖値の上昇を抑える
難消化性デキストリンの効果は何といっても「糖の吸収を抑えてくれる」事です。これにより急激な血糖値上昇が抑えられます。
甘い物を食べたあとに、更に甘いものが欲しくなるのは、最初に急激に血糖値が上がり、その後大量のインスリンの分泌により血糖値が下がります。その後、体はまたバランスを保つため血糖値を上げようとします。その際に糖を欲してしまうのです。
特にブランデーやお酒を好む人は、チョコレートやおつまみ、食事で糖を取り過ぎてしまう傾向にあります。
難消化性デキストリンは少なからずこの悪循環を抑えてくれる作用を持っているようです。
お腹が減りにくくなる
血糖値が急上昇すると更に食欲が増します。
難消化性デキストリンが血糖値の上昇を抑えてくれるのと、消化されにくくなる効果により、お腹が減りにくくなります。結果的に食べ過ぎの予防にもなります。
いつ難消化性デキストリンを摂取するか
糖の吸収を抑える・脂肪の吸収スピードを遅らせるという効果を発揮するには、食事が終わってから飲んでも遅い。
理想は食前か食事と同時に摂取することです。なので食事と一緒い飲めるドリンクに含まれていることが多いのです。
難消化性デキストリンのデメリット
ここまでメリットばかり書いてきましたが、難消化性デキストリンの粉末にもデメリットはあります。
それは「取り過ぎるとお腹が緩くなる」ことです。
食べたものが消化されにくくなるという特性をもっているので、どうしても多量摂取すると便が緩くなったり、お腹の調子が悪くなったりすることがあるようです。
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の評価では、難消化性デキストリンは「1日摂取許容量を特定しない」とされているようですが、日本の消費者庁が推奨している1日の摂取量目安は3~8gとされています。
まぁ、多くても1日10gくらいを摂取限度とした方がいいかもしれません。
アルコールと一緒に摂取して大丈夫か?
これについては全く問題ないようです。
アルコールと一緒に難消化性デキストリンを摂取しても副作用が無いという事は大塚製薬でも盛大に謳っています。難消化性デキストリンの安全性においては、日本の消費者庁とアメリカ食品医薬局(FDA)に認められたお墨付きとのこと。
そもそもデンプンの一種なので、普段口にしている食事と同様、あまり飲み合わせ自体は気にしなくてもOKす。
炭酸飲料に粉末をいれる時は注意
難消化性デキストリン自体はお酒に入れて問題ありませんが、ビールやチューハイといった炭酸系のお酒に粉末を混ぜる際は注意が必要です。
炭酸水に溶かすと、沢山の泡が発生し、グラスから泡が溢れてしまうことがあります。また、溶けにくくダマになったり、炭酸風味が損なわれることがあるようです。
ブランデーに難消化性デキストリンを入れてトクホ化する
難消化性デキストリンの粉末があれば、わざわざ割高なトクホ飲料を買う必要はありません。
極端な話、水道水に難消化性デキストリンの粉末を溶かせば一般的なトクホ飲料と大差ない「自家製トクホ水」(ただし消費者庁不認可)が出来がります。
そして、素晴らしい事に消化性デキストリンは「アルコールと一緒に摂取してもOK」「味はほとんど変わらない」という特徴があります。
つまり、ブランデーはじめ、蒸留系のお酒に入れてもOK!!!
あっというまに「自家製トクホ化ブランデー」(ただし消費者庁(ry・・・)が出来上がります!!!
ブランデーなどの蒸留酒の場合は、少量しかグラスに注がないため、粉末が溶けにくいかもしれません。その場合は、ブランデーに1g、チェイサーに4gずつくらいの分量で入れてもいいかもしれません。
「酒と一緒ならそもそも健康じゃねーよ!」というツッコみがありそうですが、そもそもブランデーはじめ、お酒は楽しむために飲む嗜好品だと思っているので、そこに少しでも健康要素が加わればいいじゃないか!?と思っている次第です。
「難消化性デキストリンを入れたから何杯飲んでもだいじょーぶ」と言っているわけではないので、ご了承願います。(笑)
Barのメニューに難消化性デキストリン?
ここまで来ると、Barやレストランのトッピングに「難消化性デキストリン」を加えたり、「難消化性デキストリンコニャック」なんてものをメニューに加えたりすると面白いかもしれない。
効果の程はさておき、お客さんからは「難消化性デキストリンってなに?」と注目は浴びるはずです。まぁ食欲を押さえられたら売上に影響するかもしれませんが・・・。
どこまで効果を謳うかは景品表示法や薬事法上の問題に引っかからないよう、調整をお願いします。←
如何せん「自家製トクホ(消費者庁不認可)」なので(笑)
まとめ:トクホ飲料は買わず自分でトクホ化する
ブランデーやお酒が大好きだったり、チョコレートなどの甘い物が好きだったり、パンや米などの炭水化物を好んで食べる方は糖を取り過ぎる傾向にあります。糖を取り過ぎる事により、血糖値が上がりやすくなったり、肥満の原因になったりします。
トクホ飲料に用いられている難消化性デキストリンは糖の吸収を阻害し、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
先述したように、難消化性デキストリンの粉末があれば、わざわざ割高なトクホ飲料を買う必要はないと思います。「魔法の粉」を混ぜれば「自家製トクホ水」が出来上がります。
あくまでも健康的な食事の大前提は規則正しくバランスのとれた食生活ですが、その一旦を担う成分として難消化性デキストリンを取り入れてみるのも面白いかもしれません。
今夜はブランデーを飲もう!と思っている方は、食前に難消化性デキストリンを飲んでみるか、ブランデーと一緒に飲んでみてはいかがでしょうか。