カルヴァドスの定番とも言えるブランドの一つ「カルヴァドス モラン(Morin)」。品質の良さにも定評があり、日本でも比較的多くのラインナップが流通しています。
そんなカルヴァドス モランの特徴とおすすめラインナップを見ていきましょう。
カルヴァドスモランの創業
モランの創業は1889年に遡ります。フランス、ノルマンディー地方のウール川の畔に位置する老舗カルヴァドスブランドの一つで、創業者から親子代々家族経営でカルヴァドスを生産しています。
場所的にはカルヴァドスペイドージュにあたりますが、モラン社自体は「ネゴシアン・エルヴェール」にあたり、主に蒸留者から優良なカルヴァドスを買い取り、それらを自社で熟成しボトリングしている生産者です。
↓モランの所在地はここ↓
ノルマンディー地方といえば、10世紀頃のヴァイキング時代の家々が立ち並んでいたり、第二次世界大戦の重要な場所になったり、クロード・モネなどの多くのアーティストの創作物に影響を与えてきた場所です。そんなノルマンディー地方の田園地帯でモランは高品質なカルヴァドスを生み出し続けています。
モランの熟成所
カルヴァドスモランの熟成所である洞窟も特徴的です。
↓こんな感じ↓
川の畔の湿度が高い洞窟内の湿度は年間80%~100%に保たれています。そんな高湿度な場所で保管され熟成されるため、アルコール度数の自然低下を促しやすく、より穏やかで調和のとれたカルヴァドスの熟成に最適な地域です。熟成樽にはリムーザンオークが用いられています。
また、モランはそのブレンド技術に定評があります。
異なる土壌のリンゴを酸味、甘味、苦味の絶妙なバランスにおいてブレンドされており、そのブレンド技術は代々セラーマスターに受け継がれ門外不出です。
カルヴァドスモランのラインナップ
カルヴァドスモランは規格としてはカルヴァドスAOCのものと、ペイドージュAOCのものが存在します。
多くのカルヴァドスやコニャックは、フランス現地や海外にだけ流通していて、日本には流通していない商品が多くあるのですが、カルヴァドスモランは現地流通品と日本流通品の種類に大差がないのも特徴です。
カルヴァドスモランの生産量は年間80,000~100,000ボトルです。そのうち約50%を海外輸出向けとして作っています。そのため、他のフランス産ブランデーに比べて日本にもちゃんと出回っています。
- カルヴァドス モラン セレクション
- モラン VSOP
- モラン 10年
- カルヴァドス モラン 15年オルダージュ
- モラン 20年XO
- モラン 25年ナポレオン
- モラン 35年Henri IV
- モラン 1973年ヴィンテージ
- モラン アンセストラル
これ以外にもいくつかありますが、現在(2017年7月)国内ではなかなか入手困難品です。
最も若いモラン セレクションは熟成年数2~3年です。カルヴァドスハイボールやカクテルのベースとして使われることが多いようですね。
普通の表記だと、ナポレオン→XO→オルダージュと熟成年数が上がっていくイメージですが、モランの場合は逆ですね。ナポレオンの方が熟成期間が長く25年となっています。
カルヴァドスモランおすすめの1品
おすすめ・・・というか最近頂いたモランの一つ。
モランとしては珍しいヴィンテージもの。それだけかなり良いリンゴが取れた年である証です。ちなみにこの時頂いたノルマンディー産のチーズとの組み合わせが最高でした。(@銀座doux bar)
その他のおすすめはペードージュ規格となっているモラン20年XO。価格帯も1万円以下とお手頃です。
2020/5/16 レビュー記事追加
モラン アンセストラル買いました。
→「カルヴァドス モラン アンセストラル」レビュー