カルヴァドスレビュー

カルヴァドス「アドリアン カミュ」4種類レビュー。おすすめはどれか?

我が家に揃った4種類のカルヴァドス「アドリアンカミュ」ですが、やはり楽しみにしているのは垂直テイスティング。

熟成年数6年、12年、18年そしてレゼルヴ・ド・アドリアン(35~40年)と熟成年数別に飲み比べてみたいと思います。

そして私の中でのおすすめアドリアンカミュを選びたいと思います。

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一気買い!カルヴァドス「アドリアン カミュ」4種類が我が家に

まずは抜栓。テーブルが凄いことになります

まずが恒例の抜栓作業。

蝋封されているパターンが多い印象のカルヴァドスですが、このアドリアンカミュも漏れなく蝋封です。開封に一苦労。

ナイフで「削る」というよりも、少し穴が開いている所にナイフをひっかけて、斜め下にナイフを彫刻刀のように「パキッパキッ」と割っていくと良い感じに蝋封が割れていきます。削るというか、割る。

そして割れた蝋封でテーブルが凄いことになるので、シンクの上で蝋を削るか、すぐに拭き取れる台ふきを用意しておいた方がよいでしょう。

4本とも抜栓完了。

うーん、これだけで結構疲れます・・・。

でも抜栓したての香り立ちも、カルヴァドス特有のリンゴと杏子のようなあま~い良い香りが立ち込めてきて幸せ。

色味の比較

4本ともグラスに注いでいきます。

左から6年、12年、18年、レゼルヴ・ド・アドリアン(35~40年)です。同じ形状のグラスが3脚しかなかったため、6年に使用しているグラスだけ違うものですがご了承下さい・・・。

当然っちゃ当然ですが樽熟成が進むにつれて濃い琥珀色になって参ります。

アドリアン カミュ6年

香り立ちはスモモ、梅といった少し酸っぱい系の香り立ちが目立つ。今回のアドリアンカミュの中では最も熟成が若いボトルのため香りに複雑さは少ないものの、カルヴァドス本来のリンゴ感・・・どちらかというと青りんごのような素直な香りは一番実直に感じることができます。

味わいとしては、ややアルコールのピリッと感は残るものの、少し焼いたリンゴ、シナモンといった印象が残ります。のど越しは爽快。余韻は短め。

同じ6年熟成程のコニャックと比較した場合、確実のこちらの方が優しく、フルーツ感が前面にでるため初めてブランデーを飲む人の場合はコニャックよりもかなりおすすめできる1本。

アドリアン カミュ12年

香り立ちとしては先ほどの6年のスモモ感に少しピーチを足したような感じ。鼻を近づけるにつれ、リンゴの皮を直接嗅いでいる感覚が強くなります。

味わいの最初の印象としては杏子。その後少しのシナモンと蜂蜜感。しかしながらやや樽由来のエグみを少しだけ感じてしまう。

良くも悪くも「甘ったるさ」を一番感じたアドリアンカミュ。

アドリアン カミュ18年

このあたりから香り立ちがかなり複雑になってきます。12年で感じたピーチ感と共に、イチジク、パッションフルーツ、ライチといった果物が炸裂。最も甘酸っぱい豊潤な香りが前面に出ます。

味わいは4種類のアドリアンの中でも最もボディがあると感じました。

12年で感じた杏子に加えて一瞬のバニラ感、そしてシナモンと共に時折顔を出すブラックペッパー。熟成によるオイリーさも相まって、舌の上に長く留まります。そして樽由来の程よいウッディさ。意外とスパイシーな香味が口の中に広がり、最もパンチが効いたアドリアンカミュだと感じました。

アドリアン カミュ レゼルヴ・アドリアン(35~40年)

何というんだろう・・・これまでの6年、12年、18年とは全然違う方向性にやや驚きを隠せません。

香り立ちとしては18年で感じたものにプラスしてマンゴーなどの南国フルーツ感も加わるのですが、しばらく放置しているとそれ以上にお香や線香といったスモーキーな香りすら感じることができます。カルヴァドス モラン アンセストラルで感じた燻製香とはやや異なり、あそこまでではないのですが、それに近い感じ。

味わいとしてはさすがの35年以上熟成のカルヴァドスだけあり、最も複雑かつ重厚。18年までに感じたピーチ、ライチ、バニラ感に加えて、舌にまとわりつく黒糖感。バターと蜂蜜といったいくつもの甘みが折り重なります。

基本的には同じテイストを踏襲するが・・・

こうやって順番に飲んでみると6年~18年といった順でそれぞれの特性を踏襲しつつ、順当な進化を遂げていることを感じます。

熟成年数の開きもあってか、6年、12年、18年までと、レゼルヴ・ドアドリアン(35~40年)は全くの別もの。

レゼルヴ・ドアドリアンは他の3つのいずれともキャラクターが異なります。

基準別にみるおすすめアドリアンカミュ

もちろん価格も大きく異なるので、一概にどれがおすすめというのは難しいですが、個人的にはアドリアンカミュ18年が最も好みです。

果実感とスパイシーさが混ざり合い、程よいパンチと余韻もあり、最もボディがあるのが18年。

今回のベストバイ

これは完全に個人的な好みですが、他の3本やや甘みが強く、特に12年は人工的といったら怒られるかもれませんが、ややザラメ的ないやな甘みが残る結果となってしまいました。私としては12年を飲むのであれば、よりフレッシュなリンゴ感を味わえる6年を飲みたいというのが正直なところ。というか6年熟成でこれだけのクオリティを出せるのはさすがといったところ。

ただ、このアドリアンカミュ6年は価格帯としては微妙な存在だ。私のように個人でボトルを買って楽しむ分には良いかもしれません。でもバーやお店で出すには正直割高感が勝ってしまうかもれません。

アドリアンカミュ6年は、6年熟成にしてはやや割高で小売価格6,800円~8,000円といったところ。6年熟成となるとバーやお店でストレートで勧めるのも微妙な所だし、カルヴァドスハイボールやカクテルの材料にするにはちょっと価格的に高くなってしまうし・・・。恐らく使い方が最も難しそうなボトルでもあります。

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でも個人的にこのフレッシュ感は嫌いではありません。先述したようにコニャックの6年ものと比較してもフルーツ感が強く出るので初めてブランデーを飲む人にも十分おすすめできるカルヴァドスです。価格的にも一番安いので。

そして、レゼルヴ・アドリアン(35~40年)はもちろん良い。大変な満足感を得られるボトルです。もちろん良いのですが、正直やや割高感が否めない。

小売価格25,000円~28,000円という価格帯なので、正直「美味しくない・・・」なんて事はあり得ないのですが、この価格帯のカルヴァドスとなると、どうしても私はカルヴァドス モラン アンセストラルと比較してしまいます。コストパフォーマンスという言葉で終わらせたくはないのですが、残念ながらこのレゼルヴ・ド・アドリアンにはあのモラン アンセストラルの燻製リンゴのような衝撃、そしていつまでも残る余韻に勝るものを感じることができませんでした。(しかもモランの方が安い・・・)

モラン アンセストラル

いや、もちろんアドリアンカミュとカルヴァドスモランとでは生産場所も違えば特徴も異なるのですが、このレゼルヴ・ド・アドリアンとモラン アンセストラルを迷っていてどちらがおすすめかと聞かれるとモラン アンセストラルをおすすめしてしまいます。

ということで、今回のアドリアンカミュ6年、12年、18年、レゼルヴ・ド・アドリアン(35~40年)において私の中での結論は次の通りだ!

だぶザックリだですが(笑)

とはいっても何だかんだでやはりクオリティの高いカルヴァドスですアドリアンカミュ。4本とも楽しませて頂きました。

さて次回は私のカルヴァドスの原点でもあるルモルトンと、先ほど話題に上がったカルヴァドス モランに再帰してみようかと思います。

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