前回の記事で【鯉沼康泰氏コニャックセミナー「コニャックの神髄を極める(その1)」レポート】を報告しましたが、今回はそのセミナーでテイスティングを行ったコニャックの詳細情報をレポしていきます。
4つのコニャックテイスティング
今回テイスティングを行ったのは次の4つのコニャックです。
↑左上から順に①フラパン、②ラニョーサボラン、③ポールジロー、④レイモンラニョー。色は大体一緒ですが、熟成年数が一番長いレイモン・ラニョー「トレ・ヴィエイユ 1952」(左下)だけちょっと濃い飴色になっている(?)。光の加減にもよるけど。
どれもグランドシャンパーニュ産の超上質コニャックです。
コニャック地方のグランドシャンパーニュ域では3つの有名な街があります。
「ジャルニャック」「スゴンザック」そして「コニャック」の由来となっている、その名も「コニャック」という街です。
この3つの街で最も良い作り手を多く輩出している街が「スゴンザック」です。今回のフラパン(フォンピノ城)、ラニョーサボラン、ポールジロー、レイモンラニョーもスゴンザック出身のコニャックです。
つまりどれも甲乙つけがたい超一流コニャック。正直テイスティングが難しいのです。。。
では一つ一つ見ていきましょう。
フラパン「シャトーフォンピノXO」
フラパンのXOコニャック「シャトーフォンピノXO」。
シャトーフォンピノというのはフラパンコニャックのブドウ栽培・蒸留が行われている城の名前です。こちらのフラパン特集に書いたように、古くから100%グランドシャンパーニュ産の自家畑のブドウを使い、長期熟成を行ってきました。
シャトーフォンピノXOの感想
んー、旨い。
・・・あ、稚拙な表現ですみません。(笑)
なんというか、当たり障りのない、平均的な平均熟成18~20年のXOクラスの味、という感じ。正直評価するのが難しい・・・。これといった特徴が無く、良くも悪くも「普通」である。(次の3つのコニャックに比べると、ですが。)
ラニョーサボラン「フォンヴィエイユ No35」(35年)
さてさて、出ましたラニョーサボラン。当サイトでも評価の高いラニョーサボランですが、今回は35年熟成のフォンヴィエイユNo.35です。
この「フォンヴィエイユ」とはラニョーサボランが所有している畑の名前に由来しています。自社の畑の名前を使うほどの自信作です。
ラニョーサボラン「フォンヴィエイユ No35」感想
やはり間違いない。コニャックの基本中の基本にして、至高の味です。
恐らくコニャックの中でも最もフルーティーなコニャックに分類されるラニョーサボランですが、その旨みが染み出ています。グランドシャンパーニュの土壌で作られたコニャックが最も花開くと言われている35年目のラニョーサボランです。
旨くないわけありません。
今回の4種類のテイスティングの中で、初めてコニャックを飲む人に最もおすすめできるのはこのコニャックです。
最高。
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ポールジロー「トレ・ラール」35年
(↑セミナーでラベルの写真撮り忘れたので、Barで飲んだ時の別の写真。)
ポールジローの中で、最も特徴的な味わいを出しているのがこの「トレ・ラール35年」です。トレ・ラールは「大変珍しい」の意味。その名の通り、珍しい味わいです。
ポールジローの中でも最もオイリーで最も草っぽい香りと味わいが楽しめます。ラニョーサボランとは全く違う方向性です。
以前、同様のテイスティングで同じくラニョーサボラン「フォンヴィエイユ No35」とポールジロー「トレ・ラール」35年を飲み比べたことがありましたが、その時はポールジローの方が口にあいました。 しかし、今回はそうでもなかった。ラニョーサボランの勝ち。(個人的見解です)
恐らく、その時の空腹具合や気分によっても好みは当然変わる。前回はおつまみとしてチョコレートが出ていましたが、今回は何も無しの状態で飲みました。その差もあってか、ちょっと今回は草っぽさとオイリーさが口にあいませんでした。
まぁ旨いことには変わりないけど。
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レイモン・ラニョー「トレ・ヴィエイユ 1952」
今回、初めて口にしましたレイモン・ラニョー「トレ・ヴィエイユ 1952」です。今回のテイスティングで恐らく最も高価なコニャック。1952年蒸留のシングルヴィンテージ。50年熟成です。
アルコール度数も50°ありますので、かなりパンチの効いたコニャックです。
コチラの記事にも書いたように、もともとレイモンラニョーはスパイシーさが際立つコニャックで、好き嫌いも分かれるとことです。
ただでさえスパイシーでフルボディなコニャックですが、この熟成年数とアルコール度数も相まって、その特徴がいかんなく発揮されています。
レイモンラニョーオールダージュよりも更にドライ。香りはナッツ系の香りが強いです。
好きな人は好き。苦手な人は苦手。そんなコニャックです。ラニョーサボランが「甘すぎる」と感じる人には向いていると思います。
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今回のベストコニャックは・・・
今回のテイスティングで最も私の口にあったのはラニョーサボラン「フォンヴィエイユ No35」でした。
どうもこの日の私の口は「フルーティー」なコニャックを求めていた模様。いやー、何だかんだで王道コニャックは旨いのね。
今回は全てスゴンザック地域の最も優れたコニャックを使ったテイスティングでしたが、次回はもっと同じくらいの熟成年数でバラバラな地区のコニャックを比較してみたいですね。土壌とぶどう品種でどれだけ変わるのか、その真髄を感じてみたいと思います。