コニャックレビュー

DUPUY(デュピュイ)XOテンテーションのレビュー

2017年11月18日

DUPUY(デュピュイ)1971ボルドリのレビューを行った所で、同じデュピュイ繋がりで購入しました。「DUPUY(デュピュイ)XOテンテーション」です。

デュピュイと言えば、鯉沼氏のNZOMI商会によるヴィンテージシリーズが有名で、それ以外のボトルは数年前までは日本に入っていなかったのですが、ここにきてデュピュイXOテンテーションとデュピュイVSOPテンテーションを信濃屋さんが直輸入しています。

そもそも今のデュピュイは・・・?

このデュピュイXOやVSOPはデュピュイがBache Gabrielsen(バシェ・ガブリエルセン)社のブランドの一部となった後の商品で、ヴィンテージシリーズとはやや趣が異なります。

デュピュイは基本的にネゴシアンなので、他から買い付けた原酒を使用して独自のコニャックとして販売しています。デュピュイXOテンテーションもその一つです。

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デュピュイの特徴とラインナップ

デュピュイXOテンテーションの中身は?

デュピュイXOテンテーションの原料産地は主にグランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、そしてファンボアといった3つの産地の原酒をブレンドしています。詳細な比率は不明ですが、シングルクリュではありません。

原料のブドウもユニブランを中心に、いくつかの品種が混じっています。

デュピュイXOテンテーション熟成年数は?

海外のメーカー説明によると、DUPUY(デュピュイ)XOテンテーションにブレンドされている原酒の熟成年数は幅広く、最も若くて15年。最長で25年のものがブレンドされています。これも正確な割合は不明ですが、間をとって平均熟成は20年程、といったところでしょうか。

価格帯的にも熟成年数的にもラニョーサボラン レゼルヴスペシャルNo.20などがライバルとなりそうです。

デュピュイXOのパッケージとボトルデザイン

このコニャックのパッケージとボトルデザインもまた独特です。

てかかっこいい。

パッケージデカすぎ(笑)

デザイン的には、コチラのマルスブランデー宝剣と似たようなデザインになっており、空洞の箱が透明のプラ版で覆われており、中身が見えるスタイルです。普段私は化粧箱に入れたままコニャックを保管しているのですが、これは流石に大きすぎてスペース取られるので、箱から出して保管します。

ボトルデザインも独特。なかなかイカしています。遠目から見るとキャプのデザインなども全体的に高級感がありますが、近くで見るとただのプラスチックなので、意外と安っぽいです(笑)

ちなみに、このデュピュイXOテンテーションはコルク栓ではなく、普通のスクリューキャップです。デュピュイXOのスクリューキャップを精査したわけではないですが、スクリューキャップの場合、コルク劣化は起こらず、密閉度合も高いことなから品質管理上コルクよりも優れている点もあるので、これは一概に良い悪いとは言えないのですが、この辺は好みが分かれるかも。

デュピュイXOテンテーション開栓の儀

ではさっそくレビューをば。

まずは開栓。

キャップについているシールを剥がします。

・・・∑(゚ω゚; )

開封防止シールのため、シールを剥がすと後が残るようになっています。

慎重に剥がしてもシールの仕組み上剥がし跡は残るので、お店等で出す場合は切れに跡を取った方がよいかもしれません・・・。

キャップを空けます。普通のスクリューキャップなので、これまでとは感覚がやや異なります。

グラスに注ぎます・・・・

一つ注意。このボトル、めっちゃ注ぎにくいです。いや、注ぎにくいというか、注ぎ口の形状のせいか、他のボトルに比べてかなり液だれします。液だれを拭くようのペーパーかタオルは準備しておきましょう。

DUPUY(デュピュイ)XOテンテーションの感想

まず、最初に言っておきましょう。

このデュピュイXOテンテーションは、デュピュイ1971や1991などのヴィンテージシリーズとは全く別物のコニャックです。

熟成年数も違うし、カスクストレングスでもなければシングルクリュでもないので、当然といえば当然ですが、ヴィンテージシリーズの延長線としてこのコニャックを買うと、あまりの違いに驚きます。

ざっくり言うと、かなり大衆向けに作られたコニャックで、どちらかというとヘネシーXOなどに近い感じです。

ボトルのノズルが急激に細くなっている関係もあってか、開栓直後の香りはあまり花開くことはありませんでした。グラスに注いだ後の香り立ちも弱め。

味わい

まず最初に感じるのは、かなりネットリとした甘み。

言い方は悪いかもしれませんが、かなり人工的な甘味を覚えます。
(着色のためカラメルま無味なので別ですが)お菓子のキャラメル的な甘味。

その後、ややビターなチョコレートっぽい風味に変化します。

かなり甘目のコニャックなので、コーヒーの相性は良い思います。ねっとり甘い系ですが、口当たりとしては軽く、ライトボディなコニャックです。

熟成年数も20年程度というこもあり、余韻は弱め。鼻抜けもそこまで効きません。

ただ、アルコールの刺激はそこまで感じず、甘味が強い分、柔らかさは兼ね備えているコニャックだと思います。

デュピュイXOテンテーションはおすすめできるコニャックか?

価格帯も大きく異なるので当然ですが、先述したようにこのデュピュイXOテンテーションはデュピュイヴィンテージシリーズの廉価版と考えてはいけない。全く異なるブランドのコニャックと位置付ける事ができるかもしれません。

そして争点となるのは、その価格帯。

このデュピュイXOテンテーションは私が買った楽天の信濃屋さんで8,330円でした(2017年11月時点)。

熟成年数と価格的にライバルとなるのはやはりラニョーサボランレゼルヴスペシャルNo.20ジャンフィユー トレヴィユーあたりでしょうか。ラニョーサボランはフルーティー系、ジャンフィユーはスミレ系・・・デュピュイXOテンテーションはチョコレート系(?)といった感じなので、これらのコニャックとは全く方向性が違うコニャック。 これはこれで楽しめます。

しかし、香り立ちや余韻の感じ方はどうしてもラニョーサボランやジャンフィユーが勝ってしまう印象です。。。

逆に同じくXOクラスで系統が似ていそうなのはヘネシーXOなのですが、ヘネシーXOよりもコスパは大いに勝る印象。16,000円近く出してヘネシーXO買うか迷っているなら、確実にデュピュイXOを買う。(約2本分買えるし)

結論として、こちらに書いたような初心者向けブランデーにランクインさせるべきコニャックではないのですが、価格帯的にも手に取りやすく、ボトルの形状やパッケージデザインも他のコニャックとは異なり面白いので、プレゼントにはとても良いかな?という気がします。特に甘めのコニャック好きな人には。

ただ、デュピュイのヴィンテージシリーズ、特にやや若いデュピュイ1991や1989などをいくつか飲んだ事がある方はDUPUY(デュピュイ)XOテンテーションも是非手に取るべきです。比較すると面白いと思います。

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