10月某日、最近日本でも見かけるようになったコニャック「ピエール・ドゥ・スゴンザック (Pierre de Segonzac)」を頂きました。
賞味したのはピエール・ドゥ・スゴンザックVSOPとピエール・ドゥ・スゴンザックXO Lot 30の2本。
せっかくなのでピエール・ドゥ・スゴンザックの概要と感想をば。
ピエール・ドゥ・スゴンザックとは
グランドシャンパーニュの起点に位置するスゴンザック村にあるピーエル・ドゥ・スゴンザック。ポール・ジロー等と同様、ブドウ栽培からボトリングまでを全て自家で行う「プロプリエテール」。
実はコニャック「ピエール・フェラン (Pierre Ferrand)」が所有するブランドの一つです。このコニャックを日本に卸している(株)山本商店のHPには「18世紀初頭から20世紀半ばにかけての250年もの間、フェラン家は自家製オー・ド・ヴィーを世界的に有名なコニャックの大手メーカーに卸していた実績があります。」とありますが、この「世界的に有名なコニャックの大手メーカー」とは実は主にレミーマルタンの事を指します。
その大手メーカーに卸していた原酒にもっと世に知ってもらいたい!とフェラン家10代目のピエール氏が1970年に立ち上げたのがこのピエール・ドゥ・スゴンザックです。(ピエール氏はラベルのロゴマークの人)
現在はフェラン家12代目のご子息パブロ・フェラン氏がブレンドを行っているそう。
HPがめっちゃ分かりやすい
別の視点で驚いたのがピエール・ドゥ・スゴンザックのHPです。
日本語がめっちゃ分かりやすい。
↓コチラ↓
http://www.pierredesegonzac.com/
TOPページの言語選択で日本語を選択して下さい。
フェラン家のファミリーや畑、蒸留について詳しく書かれています。
だいたいコニャックの公式HPはフランス語・英語・中国語だけか、自動翻訳による残念な日本語しかないHPが多いのですが、ここはちゃんとした翻訳がされててあっぱれ。
そういった事からも、基本的にはやはり輸出を主軸にしている事が伺えますが、一般の人がメーカーの事を知る上では非常に嬉しい心遣いです。
ピエール・ドゥ・スゴンザックのラインナップ
色々ありますが、2018年10月現在、日本に正規に輸入されているのは次の5点。
ピエール・ドゥ・スゴンザックVSOP (7年)
ピエール・ドゥ・スゴンザック XO レゼルブ Lot 15 (15年)
ピエール・ドゥ・スゴンザック XO セレクションデサンジュ Lot 30 (30年)
ピエール・ドゥ・スゴンザック エクストラ (50年)
今回頂いたのはその中のVSOPとXO Lot 30の方。
ちなみに使用されているブドウ品種は全てユニブラン100%。
ピエール・ドゥ・スゴンザックの感想
「・・・あえて言おう、XOは普通だったと。」
いや、30年熟成のXOなので、高い次元でのフツーなんですけど、それ以上にVSOPの味わいの方が格段に面白く、印象に残る結果となりました。
まず、ピエール・ドゥ・スゴンザックVSOPの香りからちょっと「おっ?」と感じる。
何だろう、少し湿った森の中で感じる落ち葉の香り。「腐葉土」というと聞こえは悪いかもしれませんが、それに近い感じ。もう少し近づけると今度はやや潮のイメージが眼前に広がるヨード香を少し感じます。この時点でグランドシャンパーニュの7年熟成物としてはやや異質。面白い。
口に含むと、程よいアルコールの刺激とドライな口当たり。時折ドライフルーツとバニラ系のほのかな熟成感。
7年熟成であることから、所謂ランシオ香的な余韻とは違いますが、少しスパイス感のある樹脂系の香りが余韻として残り、鼻から抜けていきます。
程よくヨーディ。好みは分かれるかもしれませんが、かなりクセになる味わいです。
コニャックで7年といえば当然かなり若い分類に入るのですが、他の7年程のコニャックと比べると大分印象が違います。(特にグランドシャンパーニュ系)
ウマいマズイというより、面白く興味深く個性豊かなコニャック。
私「・・・XOよりこっちの方が良くないですか?」
マスター「うん、私もそう思う。」
(*´゚д゚)(゚д゚`*).ダヨネー
と意気投合。
XOの方については多く語るまい。
というかピエール・ドゥ・スゴンザック コニャック XO セレクションデザンジュ 30年は税込定価3万円越えである。
正直割高感が否めない。
同じくらいの値段払うならポールジロートヘリテージ50年の方を買いたい。
個人的にはVSOPの方を大いにおすすめしたいです。ピエール・ドゥ・スゴンザックを迷っている方は是非VSOPの方をお試しあれ。