ここ最近色々とコニャックを飲み進める中で、「やっぱこのブランドは中々印象深い・・・」と感動させてくれるコニャックにいくつか出会う機会がありました。
その一つが以前もレビューを行ったグランドシャンパーニュのプロプリエテール「フランソワ ヴォワイエ(François Voyer)」です。以前レビューを行ったフランソワヴォワイエXOゴールドは、その香り、味わい、余韻において久々に「おっ」と思わせてくれるコニャックでした。
【参考記事】
→フランソワヴォワイエXO GOLDの感想・レビュー
そんなフランソワヴォワイエのルーツを辿るべく、今回改めて購入してレビューを行うのは、XOゴールドの一歩前。フランソワ ヴォワイエ VSOPです。
↑箱とボトルはこんな感じ。
フランソワ ヴォワイエ VSOPの基本情報
容量：700ml
アルコール度数：40%
グランドシャンパーニュ コニャック
葡萄品種：ユニブラン100%
熟成年数：7～14年
加糖、カラメル添加なし
2年間で5~10%ほどずつ加水される
小売価格(2019年6月時点)：5,300円(税抜)くらい←ここ重要！
といったスペックである。
VSOPだとしても小売価格5,000円台というなかなかお手頃なボトルでもあります。
フランソワ ヴォワイエ VSOPの感想
では早速注いで参りましょう。
フランソワ ヴォワイエ VSOPの香り立ち
まず感じるのはアプリコットとややバニラ系の香り。オレンジのような柑橘系や、所謂「フルーティーさ」といった影はやや薄い。VSOPコニャックによく見られる牧草や若草系の香りというよりも、雨がりの森のような少し熟した香りが印象深い。アルコールのツンツンとした刺激は少なく、VSOPという括りからは一段落外れた落ち着きを感じることができます。
10分くらい置くと、何か桜餅のような香りがしてきた。これは気のせいかもしれない・・・。
フランソワ ヴォワイエ VSOPの味わい
「このコニャックが本当に5,000円台で手に入ってしまって良いのだろうか・・・？？」と思ってしまう程の味わい。いやマジで。
口に含むとややオレンジ系の味わいと共に、スモーキーな風味が口を覆う。一般的なVSOPとは思えない重厚感が舌に乗っかってきます。
樽感・・・いわゆる樽香というやつでしょうか。タンニンはかなり強めなのですが、これについては後述。
フランソワ ヴォワイエ の熟成方法
先ほど「タンニンは強め」という風に表現しましたが、これはフランソワ ヴォワイエVSOPとXOゴールドに共通してみられる特徴です。
フランソワ ヴォワイエ特有の系譜とも言っていいかもしれません。
フランソワ ヴォワイエのコニャックは、蒸留後に全ての原酒がリムーザンの「新樽」で3年間熟成されるそうです。そして短い熟成でボトリングされるコニャックは若い樽に、長い熟成の後にボトリングされるコニャックはより古い樽に移して熟成させます。
ここがポイントですね。
新樽で3年間寝かせればそれはもうタンニン出まくりです。更にVSOPのような若いコニャックはその後若い樽に移され、より樽感が強くなったコニャックを生み出す事ができます。
これはそれぞれの作り手の特徴なので、どちらが良い悪いという訳ではありませんが、この新樽をふんだんに利用した熟成方法がフランソワ ヴォワイエ特有の重厚感であったり、樽感を出しているものと思われます。
特に今回のVSOPにおいてはその特徴が顕著で、明らかに他の7～14年熟成のグランドシャンパーニュコニャック達とは違った香り立ちと舌ざわりを残します。
この樽香に関しては好き嫌いが分かれるところです。特にウイスキー愛好家の方は樽香に関してより敏感かもしれません。VSOPに関してはフルーティーやフレッシュさとは対を成す要素が強い事もあり、舌で感じる重厚感やスモーキーさという点では突出したものがあります。葉巻などにはすごく合いそう。
フランソワヴォワイエVSOPまとめ
ラニョーサブランのフルーティーさやポールジローのスッキリさを求めるのであれば別のものがよいかと思いますが、この重みある樽感はなかなか他のVSOPでは味わうことはできません。1杯の重みによる充足感を求める人には非常におすすめできるコニャックです。
というかこの重みあるVSOPコニャックで5,000円台なら余裕でリピートありだし、一気に5,000円台のおすすめコニャックのトップレベルに君臨してしまった・・・。
そんなコニャックですフランソワ ヴォワイエ VSOP。
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