久々に大手メーカーのコニャックを購入。マーテルです。
今回買ったのはマーテルの中でも比較的高級ラインナップに属する「マーテル シャンテルー パースペクティブ (MARTELL CHANTELOUP PERSPECTIVE)」。以前大手メーカーXOコニャック飲み比べを行った中の一つ、マーテルXOのもう一つ上位モデルとなります。
私の周りのコニャック好きの方々から聞いていると、マーテルの中でもひと際評価が高く、以前から欲しかったけどなかなか買わずにいたボトルでした。
私が購入時の値段は小売価格で32,900円。しかしこのマーテル シャンテルー パースペクティブはお店や時期によって値段の変動が激しく、安いところだと29,000円くらいのところもあれば、高いところだと50,000円近くする所もあります。しかしながらここ数年見ている限りこのコニャックも全体的に値上がり傾向にありますので、手が届かなくなる前に今のうちにと思い購入しました。
マーテル シャンテルー パースペクティブのスペック
ではここでこのボトルの基本スペックを見て参りましょう。
マーテルといえばボルドリを中心としたコニャックを得意とする所ですが、もちろんこのコニャックにもボルドリ原酒は使われています。明確なブレンド比率は不明ですが、このマーテル シャンテルー パースペクティブにはグランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、ファンボア、ボルドリの4つのエリアから約450種類の原酒が使用されているそう。とりあえずいっぱい混ぜ混ぜ。
熟成年数も比率は不明ですが最大で50年のものがブレンドされており、なかなかのものです。
ちなみに、今やもうあまり売っていませんが、これのもう一つ上の価格帯で「マーテル クリエーション グランドエクストラ(MARTELL CREATION GRAND EXTRA)」というコニャックがあります。そちらは確かグランドシャンパーニュとボルドリのブレンドとなっており、2割ほど価格が高めです。
シャンテルー(CHANTELOUP)とは何か?
シャンテルー(CHANTELOUP)はマーテルが1838年に購入した建物の名前であり、今やマーテルの最高級品となるべくして樽の中で出番を待っている原酒達が眠っている場所でもあります。マーテルの最も重要なゲストハウスの一つでもあり、代々のセラーマスターらの感性を刺激し続けてきた特別な場所でもあります。
このボトルに「シャンテルー(CHANTELOUP)」と名前がついていますが、あくまでもシャンテルーに対するオマージュであり必ずしも全てのブレンド元がシャンテルーに眠る原酒から・・・という分けではなかったと思うのですが、すみませんそこは要確認です。
マーテル シャンテルー パースペクティブのボトルデザイン
相変わらずゴツいデザインですが、私は好きです。ボトルデザインも楽しみの一つなので。ただ、この横長タイプのボトルはバーテンダーの皆さんはほぼ100%良い顔をしないでしょう。なぜなら邪魔だから(笑)バーのバックバーに置くと、普通のロングボトル3本分の幅を取るんですよね。まぁ、そこはご愛敬ということで・・・。
ボトルの形状自体はマーテルXOと同系統のデザインですが、装飾が大きく異なります。この装飾は先ほどのマーテルのシャトー「シャンテルー(CHANTELOUP)」の入り口にある門の装飾をモチーフとしています。
正面からの写真はネットでもよく見かけますが、ボトル裏面はあまり見ませんね。ちなみに裏側はこんな感じです。
ちなみにこのマークは3つのハンマーです。遠目から初めて見ると、涙とよだれを出してる顔に見えなくもない・・・。
ホスト界でも人気のコニャック?
このマーテル シャンテルーですが、実は日本のホスト界でも結構人気のあるボトルです。インスタで検索すると結構出てきます。
やはりこのマーテルシャンテルーはじめルイ13世やリシャールといった派手ボトルは人気の模様。あまりホスト業界のことは詳しくありませんが、私の知り合いの元ホストの人によると「ボトルを入れてくれればそれなりに嬉しいボトル」だそうです。もちろん店によって違いますが、ホストクラブではこのマーテル シャンテルーをボトルで入れる場合、およそ30万円~60万円くらいになるっぽい。(ファッ!!?)
リシャールをボトル注文すると100万円~300万円以上くらいらしいので、それと比べると安いですね(錯乱)。
うーん、相変わらずホストクラブの世界は恐ろしい・・・。
マーテル シャンテルー パースペクティブのレビュー
さて、前置きが長くなりましたが、私はホストクラブで飲むとなく、自宅でチビチビとテイスティングしながら頂きます。
マーテル シャンテルー パースペクティブの香り立ち
「あれ?私は鼻がつまっているのだろうか?」というのが正直な第一印象でした。
意外と・・・香り立ちはそこまで開くことはなく、かなり控えめ。なお、アルコールの刺激臭はほとんどしません。
方向性としてはマーテルXOと同じように、チョコレート系の香りと後半にほんのりフローラル。そういった意味では主張は少ないですが、マーテルXOと比較すると、より上品でおしとやかな印象の香り立ちです。
グラスを15分ほどおいてみると・・・フランソワヴォワイエ エクストラや他のグランドシャンパーニュオンリーの40年熟成越えの長熟コニャックのように一気に「ブワッ」と香りが開くことはありませんが、ゆっくりダージリンのような甘い紅茶のような香りとスミレ、ライラックといったお花系の香り立ちが徐々に立ってくるようになりました。
マーテル シャンテルー パースペクティブの味わい
やはり方向性としてはマーテルXOの延長線上ある味わい。「重厚」「オイリー」「甘い系」といった要素は共通して存在し、マーテルXOにより丸みを帯びせた印象です。マーテルXOよりも口に含んだ瞬間にややナッツ感を強く感じます。
以前行った大手コニャックXO比較ではマーテルXOが一番余韻が長いと感じるコニャックでしたが、このシャンテルーはどうしたことか、後味が単調であまり余韻を感じる間もなくフッと消えてしまった印象がぬぐいきれません。
どうしても他の同一価格帯のコニャックと比べてしまうのですが、もう少し余韻と鼻抜けに華やかさが欲しかったというのが正直なところ。
ネガティブな言い方をするとやや単調で印象が薄い。ポジティブな言い方をすると後を引かずスッキリ。といったところです。
滑らかさ、まろやかさといった観点ではさすがマーテルといったところで、アルコール度数40%の刺激を感じることなく、まるで紅茶を飲んでいるかのようにスイスイと飲めてしまいます。気づけば2杯、3杯と飲んでしまっています。
マーテル シャンテルー パースペクティブまとめ
総じて「良くも悪くも大変上品なコニャック」という言葉がピッタリ当てはまるコニャックだと思います。落ち着いた夕暮れ時にマカロンやチョコレートをお供に飲みたくなる、そんなコニャックです。
どこか一点尖った個性や華やかさには欠けるところがありますが、優雅で品行方正な美青年をイメージさせてくれます。恐らくこのマーテルシャンテルーを「嫌い」という人はいないと思う。万人に受け入れられる味わいだし、見た目も上等だ。ホストクラブによく置かれているのも理解できます。
うーむ、しかし若干私の期待値が高すぎた感があります。これで小売価格3万円~4万円するのであれば、個人的にはフランソワヴォワイエ エクストラを買うことをおすすめしたい。まぁあちらはグランドシャンパーニュコニャックの個性が溢れんばかりに主張しているので、そもそもの方向性が異なるかもしれませんが、やはりあのコニャックは至高だった、と再認識させてくれる役割だったのかもマーテル シャンテルー(え、結論それ?
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