今回新たに購入したコニャックは、前回のFamille Cabanne Lot 24 Grande Champagneに続き2025年5月に発売されたFamille Cabanne Lot 58 Petite Champagneを購入しました。

前回が1924年蒸留の100年熟成のグランドシャンパーニュに対し、今回は1958年蒸留の67年熟成プティットシャンパーニュコニャックです。前回と同様にダムジャンに入れず67年樽で眠っていたコニャックとのことでその期待が高まります。
Famille Cabanne Lot 58 Petite Champagneの基本情報
ではあらためてこのFamille Cabanne Lot 58 Petite Champagneの詳細を見ていきましょう。

アルコール度数:45.8%
生産域:プティットシャンパーニュ100%
ブドウ品種:ユニブラン
蒸留:1958年
熟成年数:67年(2025年ボトリング)
※ダムジャン(保管用ガラス瓶)ではなく67年間樽の中で眠っていたとのこと
その他:加水なし・カラメルなし・加糖なし・ノンチルフィルタード
容量:700ml
購入価格:224ユーロ (約4万円)
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CABANNE Lot58の香り

まず、オレンジやリンゴの果実香が立ち上がり、そこにプルーンや黄桃といった熟したフルーツ感が奥から見えてきます。ハイビスカスの華やかさがアクセントとなり、次第に土っぽさやスギの木、焚き火の残り香を思わせるスモーキーでウッディな要素が現れます。
さらに、クミンやヘーゼルナッツといったスパイスやナッツのニュアンスが香りに深みを加え、時間の経過とともに木の要素がより際立ってきます。全体として、この全身であるCABANNE Lot24 グランドシャンパーニュと比較してウッディさが顕著に感じられます。
CABANNE Lot58味わい

力強いアタックとともに、オレンジピールやアプリコットの濃厚なフルーツ感とプラムの酸味。香りで感じた以上に果実味があり、生き生きとした印象です。
程よい樽由来の渋みとビター感が味わいを引き締め、奥にはパッションフルーツのトロピカルなニュアンスも顔を覗かせます。
豊かな果実感と樽香がバランスよく調和し、飲み応えのある味わいに仕上がっています。
グラスに注いで20分後ぐらいが本領発揮というところでしょうか。
香り味わい共に、ウッディさで顔を潜めていた柑橘系フルーツが明らかに顔を出し始めます。
CABANNE Lot58の余韻
余韻にはオレンジピールのほろ苦さが心地よく残り、わずかに湿った低木のようなスモーキーなニュアンスが感じられます。鼻に抜ける香りには、ほのかにパッションフルーツとレザーの印象が交わりあいます。南国系と枯れ葉系ランシオの混合といったところでしょうか。
恐らくこの混合ランシオと唾液が混ざり合った結果なのですが、飲み込んだ後にはしばらくするとどことなく甘いヴァニラのような余韻が舌の上から鼻に抜けていきます。
派手過ぎず落ち着いたフィニッシュ。
やはり全体的にLot24よりもウッディ・・・というか香木的な要素が強く、長く続く余韻の中にその特徴がしっかりと表れています。
CABANNE Lot58まとめ

先述したように、予想よりもウッディ要素が強い感じはあるものの、このくらいの樽感が好きな人にはとても刺さるコニャックだと思います。バチバチの南国ランシオやトロピカルトロピカルを求める方にはちょっと違うかなという感じです。
あまり連続で飲むと飲み疲れしてしまうかもしれません。
CABANNE Lot24グランドシャンパーニュと比較すると明らかにキャラクターも異なり、飲み比べるにはもってこいのボトルなのではないでしょうか。
プティットシャンパーニュ感というよりも、67年間ダムジャン(ガラス瓶)に移されず樽内で熟成させたにもかかわらず、程よい樽感と渋さを得ているコニャックの成功例を見せつけられた印象です。
今回は開栓して直後だったため、今後数年の時を経てどのように変化していくのかじっくり見守りながら楽しみたいと思います。