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レミーマルタン ルイ13世レア・カスク42.1とはどんなコニャックか?至高のルイ13世を体験する

2023年9月29日

2023年7月にコニャック レミーマルタンのフラッグシップボトルであるルイ13世の更に別次元の限定ボトルとして発売された『ルイ13世レア・カスク42.1』。今回、このレア・カスク42.1が日本上陸となり、このボトルのプレスイベントに参加させて頂きましたのでその詳細を書きたいと思います。

実は酒育の会のWEBメディアLIQULでもプレスイベントレポートを寄稿しましたので気になる方はそちらを先にご覧下さい。
ルイ13世レア・カスク42.1 プレスイベントレポート

ここではもう少し掘り下げて私の主観とLIQULでは書けなかった素直な感想を書いて参ります。

ルイ13世レア・カスクとは何か?

ルイ13世』と聞けばコニャック好きで知らない人はいないであろうレミーマルタンの最高峰ボトルです。昨今の値上がりによって現在は正規ボトルで約36万~40万円ほどというなかなか手が出ない価格帯になって参りましたが、今回紹介する『ルイ13世レア・カスク42.1』の販売価格はその約15倍となる驚愕の650万円です。

バカラクリスタル製のブラックのデキャンタ

そもそも通常のルイ13世(=ルイ13世クラシック)とレア・カスクシリーズは何が違うのでしょうか?

通常のルイ13世クラシックはレミーマルタンが保有するドメーヌ・デュ・グロレという熟成庫で眠るグランドシャンパーニュコニャックの樽から約1200種類もの原酒がブレンドされ作られるコニャックです。様々な熟成年数の原酒がブレンドされていますが、およそ50年~最大100年の熟成年数のコニャックのブレンドで構成されています。

レミーマルタンといえばグランドシャンパーニュとプティットシャンパーニュがブレンドされた「フィーヌシャンパーニュ」のイメージが強いですが、ルイ13世は全てグランドシャンパーニュ100%のコニャックとなります。

多くの樽がブレンドされているルイ13世ですが、その中でも特別に素晴らしい1樽で作られた限定ルイ13世が『レア・カスク』となります。

その1樽も元々複数の原酒が何回もブレンドされて何年も眠っている樽なので、一般的なシングルカスクと言われるとちょっと語弊がありますが、レア・カスクのざっくりイメージとしては最終的なルイ13世としてブレンドされる前の突出した特別なシングルバレル(ひと樽)・・・というイメージで良いかと思います。

そのため今回のレア・カスク42.1は1樽分の数量限定775本のみしか生産されていません。

今回ルイ13世レア・カスク42.1の1樽を決定したのはレミーマルタンの現セラーマスター(5代目)でもあるバティスト・ロワゾー氏。今年リリースするルイ13世のブレンドのため様々な原酒をルイ13世用の多くの樽からテイスティングしていたところ、とてつもなく素晴らしい樽を発見し、それ単体で商品化することを決めたそうです。

ちなみにルイ13世レア・カスクは過去に3度製品化されています。

1つめは2009年に販売されたレア・カスク43.8。
2つめは2013年に販売されたレア・カスク42.6。
そして3つめが10年ぶりとなる今回2023年に販売されたレア・カスク42.1です。

ちなみに最後の数字はアルコール度数を示します。

それぞれルイ13世用の樽から厳選された1樽だけがボトリングされたまさに『レア・カスク』です。

過去にリリースされた限定ルイ13世はコチラの記事にまとめていますのでご覧下さい。
レミーマルタン ルイ13世って何種類あるの?ルイ13世の起源とラインナップ

今回ここに新たに一つ新しいスペシャルなルイ13世が追加されたわけです。

ルイ13世レア・カスク42.1のプレスイベント

さて、今回私が参加させて頂いたルイ13世レア・カスク42.1のプレスイベントはフォーシーズンズホテル大手町東京39階にあるバー「VIRTÙ」にて開催されました。

久々に高級ホテルバーに行ったので緊張してしまった・・・。

圧巻のバックバー

プレスイベントではルイ13世レア・カスク42.1の発表と共に、ルイ13世クラシックが参加者に振る舞われ、美味しいスイーツと共に貴重な時間を過ごすことができました。さすがにレア・カスクの方は出ませんでした(ちょっと期待してた笑)。それでも貴重なルイ13世をありがとうございます!

まずは優雅なダンスと共にルイ13世レア・カスクが登場します。黒を基調としまさにルイ13世レア・カスクを象徴するパフォーマンスに目が離せませんでした。あまりこういうパフォーマンスに慣れていない私は驚きと笑が同時に来たような感情で終始表情が半笑いになっていたかもしれません。。。

その後ルイ13世クラシックが各テーブルに振る舞われ、ルイ13世ブランドアンバサダーのジュセッペ氏と共に乾杯!

ジュセッペ氏

通常コニャックをテイスティングする際に使われるテイスティンググラスは乾杯の際にグラスを合わせて音を出す事はしませんが、このルイ13世専用に作られた美しく重厚感のあるバカラのグラスは音を立てての乾杯推奨。マジで重いし厚い。

「是非怖がらずにグラスを思いっきり合わせて音を立ててみて下さい。この特別なグラスは絶対割れませんから。」とジュゼッペ氏。 ジュゼッペ氏とグラスを合わせると「カーン!!」とまるでホールに響きわたる鉄琴のような音を奏でます。

ちょうどX(Twitter)に同じくプレスイベントに参加された方の乾杯映像がありましたので、そちらをご覧になって音を聞いて下さい。(音量オン推奨)

この映像から見ると一部の蒸留酒ファンやバー界隈からは「グラスを叩き合わせるなんて何事だ」と思われるかもしれませんが、レミーマルタン的にはルイ13世を飲む時は是非このように音を立ててルイ13世を飲む歓びを分かち合って下さいとの事。公式推奨の乾杯方法なので、そこだけ補足しておきます。ちなみにジュゼッペ氏曰く何百回もこのグラスでこの乾杯をしてきたけど割れたことは一度もないそうです。凄い!

※再度申し上げますがこれはこのグラスだからできる事であって、普通のテイスティンググラスやバーでは止めた方がいいと思います。多分割れます。

ルイ13世を堪能する

専用のピペットでグラスに注ぎます

久々に飲ませて頂いたルイ13世。

改めて飲むと、意外としっかりとグランドシャンパーニュらしいパンチもあり、余韻も長く続く良いコニャックです。

もちろん値段が値段なのでそりゃそうだと言えばそうなのですが、ルイ13世はリリースごとに結構味わいが変わるコニャックだと感じます。ひと昔前のルイ13世ベリーオールドとは全然違う印象を受けます。ルイ13世ベリーオールドはよく言えば円やかで、悪く言えば薄い・・・でも水のようにスイスイ飲めるコニャックでした。

それと比較して現行のルイ13世はよりパワフルに、よりオレンジの余韻を兼ね備えたハツラツとした印象を受けました。

さて、ここでコニャックファンであれば必ずと言っていいほど話題に上がるのは

「高い値段でルイ13世を飲むよりラニョーサボラン フロリレージュの方がよくない?」

「ルイ13世買うならフランソワヴォワイエ アンセストラル2本買った方がよくない?」

です。

いやぁ、まぁ、正直言いたいことは分かります。私もそう思っていましたし同意できる部分もあります。価格帯の話でいうと確かに3万円~5万円ほどのコニャックでルイ13世に匹敵する、もしくはそれ以上とも言えるコニャックは存在します。「美味しいおすすめコニャックは?」と聞かれると私も恐らくそれらを勧めるでしょう。

今回改めて感じたのはルイ13世を楽しむには「いつ」「どこで」「どのように」という要素が大きいと感じました。

ルイ13世を飲むシチュエーションとしては大きく次の2つが考えられます。

  • 自宅にルイ13世をもっていていつでも飲める
  • バーやレストランで勇気を出して頼んでみる

勝手なイメージですが前者は恐らくだいぶ裕福な方で、恐らくルイ13世だけでなくヘネシーリシャールや数十万のウイスキーも家に沢山ある人な気がします(笑)

やはりルイ13世を楽しむには後者のシチュエーションが適していると感じます。「特別な日に」「特別な空間で」「特別な人と」飲むべきなのがルイ13世。他のコニャックもそうであるように自宅で飲むコニャックとバーで飲むコニャックはその空間的要素も相まってよりコニャックに対する五感が研ぎ澄まされた状態で飲むことができます。バーで飲むお酒がより美味しくかんじるのはそのため。

そもそもルイ13世が置いているバー自体ある程度限られており、割と高級バーやホテルバーなど、どこも特別なシチュエーションで利用することが多い場所でしょう。その全てが絡み合い普段飲むことがない高級コニャックを手に取ることで完成するのがルイ13世体験なのです。まるで王様になったかのような気分を味あわせてくれるかと思います。

そういった観点からルイ13世は生粋の中身のスペックやテイスティング分析を行うコニャックマニアに向けたお酒というよりも、大切で特別なシチュエーションや特別な気分を大切にする人に適したコニャックと言った方が適切かもしれません。

今回フォーシーズンズホテルのバーで体験させて頂いたルイ13世は、いつの間にか中身の味わいや余韻だけに囚われ、その空間とシチュエーションと特別な気分を味わう事を忘れてしまった自分を戒めてくれる体験でした。私もどちらかというと前者のコニャックマニアに属する人間だったので・・・

ルイ13世レア・カスク42.1を体験する

ジュセッペ氏の言葉で最も印象に残ったのは「レア・カスクは作るものではなく発見するもの」でした。
レア・カスクはレミーマルタンのセラー・マスターが恣意的に作り出すものではなく、1つの樽から奇跡的な確率で生まれる自然と偶然の産物です。

今回10年ぶりに発見されたレア・カスク。

そんな貴重な存在をフォーシーズンズホテル東京大手町「VIRTÙ」にて楽しむことが可能です。

ルイ13世 レア・カスク42.1 バイ・ザ・グラス

■期間:2023年9月22日 (金)から販売開始 なくなり次第終了
■会場:フォーシーズンズホテル東京大手町 39階「VIRTÙ (ヴェルテュ)」
■内容:「ルイ13世 レア・カスク42.1」テイスティング エクスペリエンス
■料金:15ml 445,000円  30ml 900,000円

はい、今あなたが思った事を当てましょう!

「たけーーーーーよ(笑)」

ですね。その通りでございます(笑

これぞ選ばれし圧倒的覇者にのみ許されたコニャックエクスペリエンスとでもいうべきでしょうか。さすがにハーフショット45万円は私も手が出ません。

いつしかこのハーフショットをいとも容易く注文できる強者になりたいものです。。。

このルイ13世レア・カスク42.1はおいそれと手が届かない存在ですが、まずは特別なシチュエーションで普通のルイ13世を楽しむことから始めたい。そんな事を思いながらルイ13世の余韻を楽しみながらプレス会場を後にしたブランデーダディだったのでした。

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