ブランデーレビュー

新境地?南アフリカ ケープブランデー「オーデ・モレンXO」のレビュー・評価

今回のブランデーは私も初めて買った南アフリカのブランデー「オーデ・モレン(OUDE MOLEN) XO」です。

オーデ・モレンの概要

「CAPE BRANDY」と書かれたこのブランデーはその名の通り南アフリカのケープで造られているブランデー。販売元に説明がありますが一部引用させて頂きます。

オウデ・モーレンは1910年、ルネ・サントハーゲンスによってステレンボッシュ郊外に設立された蒸留所です。(現在はエルギンバレーに移転)

ルネはコニャックで蒸留技術を習得した後、ケープでオウデ・モーレンを設立。瞬く間に評判を得るようになりました。彼の蒸留方法は当時画期的なものであったため、1924年に法律で定められ、現在もケープブランデーの品質基準を支えています。

今日もオウデ・モーレンのケープ・ブランデー・シリーズは、アフリカ南端の果実味豊かで熟成されたブランデーの究極の表現として、国際的に高く評価されています。

南アフリカのブランデーの歴史は1672年、オランダ船上でケープワインを蒸留したことから始まったようです。その後フランスのブランデー作り(コニャック)の製法を習い、独自の南アフリカブランデーとしての進化を遂げてきたそうです。

私も南アフリカのブランデーに関しては正直まだまだ勉強不足であまり詳細な知識を有しているわけではありませんが、ブランデー製法に関しては1924年に規定が作られ、現在は単式蒸留器での2回蒸留や最低3年のオーク樽での熟成など、コニャックAOCに近い規定が存在します。

オーデ・モレンの蒸留方法もコニャックと同様に単式蒸留器で2回蒸留としています。

オーデ・モレンのHPに掲載されている蒸留器を見る限り、シャラント式の単式蒸留器ではなく一般的にウイスキーの蒸留に用いられるポットスチルの形状をしています。

参照
https://www.oudemolen.co.za/vine-bottle-double-distillation/

オーデ・モレンXOの基本情報

改めてこのブランデーの基本情報を。

オーデ・モレン(OUDE MOLEN) XO

アルコール度数:40%
原産国/地域:南アフリカ/エルギン
原料:シュナンブラン、コロンバール
熟成年数:10年~16年
容量:750ml
購入価格:税込11,000円(2024年5月購入)

オーデ・モレンXOの香り立ち

注ぎたてはややアルコール感を強めに感じてしまうものの、グラスに鼻を突っ込みすぎなければ上手く香りを拾うことができます。

まず感じるのは麦っぽさ。

そしてリンゴ・・・瑞々しい青リンゴ系ではなく、どちらかというとややビターな赤リンゴでしょうか。

その後にバナナを彷彿とさせるゆったりとした甘い香りが運ばれます。

後半にはフローラルさもあり、薔薇、メンソール(シトラス?)のような独特の芳香性があります。

最後に樽由来のココナッツでしょうか。

オーデ・モレンXOの味わい

香り立ちでも感じたバナナっぽい甘み。

そしてやはり麦。んん?ちょっとウイスキーっぽい。

のど越しは軽め。余韻は中程度。

思ったほど樽感はありませんが、余韻には葉巻のような少しスモーキーさを感じ取ることができます。

面白い。

オーデ・モレンXOまとめ

なるほど、どこかで「アイリッシュウイスキーっぽい」という感想を聞きましたが、確かに分かる気がする。特に麦っぽさとバナナっぽさの部分にとてもアイリッシュウイスキーっぽさを感じる事ができます。

バチバチのブドウ感やトロピカル感満載といった方向性のブランデーではないので、フルーツと合わせるというよりもシガーかチーズと合わせたいブランデー。

強いて言えば、せっかくなので余韻にもう少しバナナ系フルーツ感が欲しいところでもありますが、価格帯も含めブランデーとしての完成度はとても高いと思う。・・・どんだけ上から目線やねんという感じかもしれませんが。

あまり「ウイスキー好きにもおすすめの」という表現は使いたくありませんが、下手に度数の高いコニャックやパンチの効いたアルマニャックよりもこのオーデ・モレンXOの方が圧倒的にウイスキーファンには刺さるのではないでしょうか。

新たな扉を開かせてくれた南アフリカブランデー。まだまだ私の経験値が浅いのでいくつか他のボトルも抱えて数年かけて楽しんでみようと思います。

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