コニャックレビュー

ポールジロー トラディション限定シングルカスク4種類飲み比べテイスティング

2020年11月18日

今回は前回の紹介記事に引き続き、ポールジロートラディション限定シングルカスクシリーズ!を4本買ったので、その飲み比べです。このシリーズは全部で6本あるのですが、今回はちょっと予算的な都合もありつつ4本。

こういった少し異なったバリエーションを楽しむ企画物ボトルは消費者側からすると反応が二極化します。

「おお!面白そう!」という人と、「もうこういうのはいいんだよ・・・」という人。

私は半分義務感もあり(笑)まんまと買ってしまいました。

それぞれどのように違うのか見て参りましょう。

ポールジロートラディション限定シングルカスクシリーズとは?

まずは軽くおさらい。

このポールジロートラディション限定シングルカスクシリーズ6種類は、ポールジローの日本市場限定で新たな試みとして詰められたもの。ポールジローを多く販売している異なる6つの酒販店専用に、それぞれ6つの異なる一樽から詰められた6種類のシングルカスクコニャックです。

以下ジャパンインポートシステムのHPより引用

ポールジローの新たなる挑戦「シングルカスク」のベースとなるのは、日本で最も愛され続けている定番商品「ポールジロー・トラディション」。

長年このトラディションに身を捧げてきたジロー氏は、テロワール、収穫時期、セラーなどの、ことなる条件によって生まれた「キュベ同士の微細な違い」に注目。そして、直感的にそれらの個性に見合った「歴史」「情熱」「創造」・・・といったテーマを閃いたのです。それぞれの個性を持った樽は、それぞれの酒販店様で11月上旬から発売されます。

https://www.jisys.co.jp/event/20201015_31.html

それぞれ6つの樽にテーマが振り分けられており、各樽を異なる酒販店が取り扱います。

6つの樽が振り分けられた販売店はコニャックの取り扱いも多い以下の6つ。「」内はその樽のコンセプトです。

  • お酒のちゃがたパーク「歴史」
  • 酒のやまいち「正当」
  • 榎商店「創造」
  • リカーマウンテン「風土」
  • 信濃屋「職人技」
  • 武蔵屋「経験」

今回私が購入したのは、信濃屋と武蔵屋以外の4本です。この2つはまた別の機会にでも。ごめんね。

こう並んでみるとなかなか楽しいですね。

ちなみに、コルク部分は「ペリペリ」が付いていなかったので手で開封することはできず、ナイフを使って剥がしていく必要があります。

「歴史」L'HISTOIRE

まずはお酒ちゃがたパークのポールジロートラディション「歴史」。Paul Giraud L'HISTOIREです。

基本スペック
Paul Giraud Tradition L'HISTOIRE
(ポールジロー シングルカスク リストワール)
容量:700ml
アルコール度数:43.3%
Cask No.TRD 20/110
輸入元:ジャパンインポートシステム
販売元:お酒のちゃがたパーク
購入価格:税込7,280円(2020年11月時点)

表はこんな感じ。

裏はこんな感じ。

パッと感じた香味の印象

バニラ、バナナ、ピーチ、しばらく時間を置くと青りんご

「正当」L'AUTHENTICITE

こちらは「酒のやまいち」より。Paul Giraud L'AUTHENTICITE。

基本スペック
Paul Giraud Tradition L'AUTHENTICITE
容量:700ml
アルコール度数:43.3%
Cask No.TRD 20/51
輸入元:ジャパンインポートシステム
販売元:お酒のやまいち
購入価格:税込7,700円(2020年11月時点)

表はこんな感じ。

裏はこんな感じ。

パッと感じた香味の印象

若草、スモモ

わら、土、胡椒

最初は端麗だけど、時間が経つと程よい渋みが出る

「創造」L' CREATION

榎商店より。Paul Giraud L' CREATION。

基本スペック
Paul Giraud Tradition L' CREATION
(ポールジロー トラディション ラ クリエイション)
容量:700ml
アルコール度数:43.4%
Cask No.TRD 20/3G
輸入元:ジャパンインポートシステム
販売元:榎商店
購入価格:税込7,980円(2020年11月時点)

表はこんな感じ。

裏はこんな感じ。

パッと感じた香味の印象

トースト

ピーチ、アーモンド、プルーン

「風土」LE TERROIR

リカーマウンテンより。Paul Giraud LE TERROIR。

基本スペック
Paul Giraud Tradition LE TERROIR Y'sカスク
(ポールジロー トラディション シングルカスク ル テロワール Y'sカスク)
容量:700ml
アルコール度数:43.5%
Cask No.TRD 20/10N
輸入元:ジャパンインポートシステム
販売元:Y's CASK
購入価格:税込7,678円(2020年11月時点)

ちなみに、少しややこしいですが「Y's CASK」は現在リカーマウンテンの100%子会社である都光酒販のブランド名です。

表はこんな感じ。

裏はこんな感じ。

パッと感じた香味の印象

インク、牧草

胡椒、土

時間が経つと熟成由来?のピーチ感が顕著に。

結構違う?微細な違いを感じられるか?

総じてベースとなるのはポールジロートラディションであるため、方向性としては近しいものがあります。それは当たり前かもしれません。

しかし、これはお世辞でもなんでもなく、思った以上に違いが出るものですね。

予想していたよりも結構違う。

各ボトルの特徴まとめ

この中でも最も味わいの変化が面白いと感じたのは、榎商店の「創造」です。

商品紹介ページのテイスティングコメントにほぼ同意。

この1本だけ明らかにトーストやアーモンド感といった樽由来の香味を強く感じることができます。

ポールジロートラディションという若い熟成年数の中でこれだけそういった要素がみられるということは、結構この樽は他と比べてタンニンが強めだったのかな?という印象。

左から順に「歴史」「正統」「創造」「風土」。明らかに「創造」だけ色が濃い。
※「風土」のグラスだけ数が足りなかったので違うグラスですが、のちに同じグラスで飲み比べしました。

若いコニャックであるがゆえにこういったトースト感が強いと他のボトルよりも目立つ存在になりますね。

その他に相反する香味として特徴的なのは、ちゃがたパークの「歴史」。

こちらは「創造」とは逆に、まず最初にバニラ感やバナナ感といった甘めのアロマをよく感じることができる1本。時間経過によって青リンゴや若い果実系へと変わる味わいが面白い。「歴史」というテーマから、少し重みのあるコニャックを想像していましたがある意味逆。

酒のやまいち「正当」は実直。味わいの変化は最も少なく、どちらかというと結構淡泊・端麗なコニャック。後半ややスパイシー。ある意味本来のポールジロートラディションというべきかもしれません。これはこれでよいのですが、他のボトルの変化が顕著だっただけにやや印象は薄め。スッキリ系コニャックの代表格。

リカーマウンテンの「風土」は、その名の通り牧草や土を連想させる香り立ち。このテーマの付け方はさすがとしか言いようがない。

4本の特徴を一言でいうと・・・

このポールジロートラディション限定シングルカスクシリーズの本来の目的は「樽ごとの微細な違いを楽しむ」であることがまず前提です。

微細な違いというと繊細な言葉を並べがちですが、ここはあえて分かりやすくシンプルなワードで各4本の特徴を表現してみましょう。

お酒のちゃがたパーク「歴史」
バニラ→青りんご!!

酒のやまいち「正当」
端麗・スッキリ!!

榎商店「創造」
樽感、トースト!!

リカーマウンテン「風土」
若草、土!!

こんなこと言ったら怒られるかな(笑)まぁいいか。

でもこうして改めて見てみると、同じトラディションでも想像以上に強く違いを感じることができて私自身ビックリしました。

個人的な好みとおすすめは榎商店の「創造」

ズバリいうと

榎商店の「創造」

ですかね。

やっぱ通常のポールジロー トラディションと比べてここまでトースト感が出る変化というのは面白いですし、味わい深いです。なかなか良いではないですか。

榎商店のランディングページはダテではありませんでした。

次点でリカーマウンテン「風土」ですね。

この二つは最初飲み比べたグラスが違ったので、グラス形状を合わせて何度か飲み比べしてみましたが、やはり同様の印象です。

是非ストレートで飲み比べを

ポールジロートラディションはバーなどでもカクテルに用いられたり、ジンジャーエール割を推奨されてたりもしますが、はやりこの6本のカスク違いを楽しむのはストレートが一番です。

ただ、個人的に懸念しているのはこの需要がどれだけあるかよ。まだまだ在庫めっちゃ余ってて売れてる印象全然ないんだけど(笑)

ポールジロートラディションはもともと若い熟成のコニャックであることから、それをストレートで飲み比べするといのはかなりマニアックな分野ともいえるかもしれません。てかカスク違い6本の飲み比べは結構きつい(笑)若いコニャックなら尚更。だんだん分けわからんくなってきます。

6種類は出しすぎじゃない??

個人的にはポールジロートラディションのカスク違い6種類ではなくポールジローエクストラヴィユー25年くらいのカスク違いを3種類出した方がストレートで飲み比べしやすいのでは!!??と思うんですけど。価格帯的にも13,000円前後であれば。

(あるのかどうか分かりませんが)それはまた次回に期待ですね!

信濃屋「職人技」と武蔵屋「経験」は完全無視した形のレビューですが参考になれば幸いです。来月はこの2本も揃えてみようかな。在庫があれば。

ポールジロートラディション限定シングルカスクの購入はこちら

お酒のちゃがたパーク「歴史」
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酒のやまいち「正当」
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榎商店「創造」
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リカーマウンテン「風土」
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