今回のレビューは2023年頃からずっと気になっていたけど飲む機会がなかったコニャック「レイモン ラニョーXXO(Raymond Ragnaud XXO)」のレビューです。
このレイモン ラニョーXXOは2003ヴィンテージ。使用されているブドウ品種はユニブラン50%、フォルブランシュ50%という比率です。
フォルブランシュを使ったコニャックに定評のあるレイモンラニョーですが、果たしてこのボトルはどうでしょう・・・?
レイモンラニョーのおさらい
予備知識として簡単にレイモンラニョーについてまとめておきましょう。もう知っているよという方は読み飛ばして頂いて構いません。
レイモンラニョーは1860年以来グランドシャンパーニュエリアにブドウ畑を構えるコニャック生産者。ブドウの栽培から醸造、蒸溜、熟成、ボトリングまで自家で行っている小規模生産者、いわゆるプロプリエテールです。レイモンラニョーというコニャックブランドとしての創業は
保有している畑は約47ヘクタール。フォルブランシュの生産を継続的に始めたのは2003年から。
今回の2003ヴィンテージはレイモンラニョーにとってフォルブランシュの生産に注力するようになった記念すべき年のヴィンテージでもあります。
レイモン ラニョーXXOの基本情報
改めて今回のボトルを見てみましょう。
レイモン ラニョーXXO(Raymond Ragnaud XXO)
アルコール度数:43%
生産域:グランド シャンパーニュ 100%
ブドウ品種:ユニブラン50%・フォルブランシュ50%
ヴィンテージ:2003年(2003年蒸溜)
熟成年数:約20年くらい
容量:700ml
輸入元:有限会社ウィック
購入価格:税込20,600円 (2024年7月購入)
なお、このボトルは350本の限定生産。国内には結構入ってきてるみたいですが、実は意外と貴重なボトルなのです。
レイモン ラニョーXXOの香り立ち
まず前提として今回のレビューは抜栓したてという事をご理解いただきたい。
コルクを開けた瞬間は瑞々しいブドウの香りが一気に広がり大変心地よいい。
グラスに注いで香りを取ってみると予想していたよりもかなり若々しいアルコールのツンツン感が最初のアタックとして感じてしまう。
少しグラスに鼻を近づけすぎた気もしたので数センチ離してみる。メンソールのような爽快感と、何の花か具体的に示すのが難しいですが爽やかなフローラルさが鼻を突き抜けます。その後若草や木の枝といった牧草感が残ります。
その後に続くのは青リンゴ、ライムといった酸味のある果実感。とスモモ。
後半には少しだけスパイシーな要素が顔を見せます。ウッディさは皆無。
レイモン ラニョーXXOの味わい
全体的に若くフレッシュな印象。
瑞々しさもありますが、やや舌がピリつく感じもあり、シャープ。
ミントのような爽快さにほんのり蜂蜜が混ざり合います。
鼻抜けは青い果実。余韻は短めでキレがある。
樽感はほとんど無い。飲んだ後の印象もウッディさは少なく、マンゴーやトロピカル要素といった熟成感は無い。
グランドシャンパーニュ規格ではありますが、一般的なグランドシャンパーニュコニャックに見られるオレンジ、柑橘系の要素はかなり少ないように思えます。
レイモン ラニョーXXOまとめ
フォルブランシュ50%ということもあり、フレッシュで瑞々しいコニャックであろうことは想像していましたが、想像以上にシャープでキレのあるコニャックでした。
・・・ストレートに表現すると価格に対して鼻抜けと余韻が弱すぎるという意味です。
フォルブランシュのフレッシュさを活かすため恐らく熟成には結構な古樽だ使用されていると予想。タンニンはかなり控えめです。
レイモン・ラニョー ヴィエイユレゼルヴと比べる
今手元にあるレイモンラニョーは「レイモンラニョー ヴィエイユレゼルヴ」しかないためこのコニャックとの比較になります。ヴィエイユレゼルヴは約15年熟成とのことで今回のXXOよりもちょっと若いくらいなのですが、こうやって並べてみると明らかに液体の色が違う事が分かります。(XXOの方が薄くゴールド)
やはり重厚感や飲みごたえという点ではヴィエイユレゼルヴの方に軍配が上がるでしょう。
参考記事
→レイモン ラニョー トレ ヴィエイユ レゼルヴのレビュー
これはどちらが良いという意味ではなく、それぞれキャラクターの違いではありますが、それを差し置いても今回のXXOは爽快シャープ系のコニャックに分類されるかと思います。
あと気になる点としては価格帯ですね。XXO規格でヴィンテージコニャックあるという事と、昨今の値上がり事情を考えると2万円超えというのは十分に理解できる範囲ではありますが、買う前の期待値が高かったせいかやや割高な印象を受けてしまいます。カクテルに使える価格帯でもないのでBarでの取り扱いも難しいところ。
とは言っても今回はまだ開けたての状態。この貴重なフォルブランシュが今後半年、1年経つにつれどのように変化していくかゆっくりとこのボトルを味わていこうと思います。