さて今回は2年前となる2020年12月に購入したがレビューせずに放っておいた古酒コニャック。「ALEXANDRE LEOPOLD(アレキサンドル・レオポルド) 1965」です。
現在は生産中止の古酒
「アレキサンドル・レオポルド」はドメーヌ・ラスドー(現在はギィ・レローが所有)が手掛けるコニャック。プティット・シャンパーニュ地区のプロプリエテール(ブドウの栽培・蒸留・熟成・瓶詰を全て自家で行う)ギィ・レローが持つ原酒を独自に熟成させたものです。
現在は既に生産中止になっており、このボトルも流通自体は1990年代後半~2000年頃のボトルです。1965年ヴィンテージではありますが、瓶詰は1992年なので熟成年数としては27年程となります。
流通から20年以上経つボトルですが、ヤフオクなどではなく一部の通販サイトではまだ購入することが可能です。古酒扱いなので基本返品不可ですが。
流通自体やや古いボトルですので、もちろん購入時は未開封ではありますが商品購入画面にはよく「液面低下の恐れあり」との注意書きがあります(笑)
ちなみにこの趣のあるボトルはめちゃめちゃ古く見えますが、コニャック博物館保存の旧瓶を複製したものです。
外から液面の状態が見えないので、どんだけ液面低下しているかは別の容器に注いでみないと分からないですが、まぁ良い状態であることを信じましょう。
アレキサンドル・レオポルド1965の基本情報
容量:500ml
アルコール度数:43%
蒸留年:1965年
ボトリング:1992年
熟成年数:27年
ブドウ品種:ユニブラン主体、コロンバール少々
生産域:プティットシャンパーニュ
輸入業者:ボニリジャパン株式会社
購入価格:税込15,750円(2020年12月購入)
20年以上前のボトルかつコルクの状態も不明だったので、慎重に開ける必要がありました。
まずはお湯で少し蝋封を柔らかくし、ナイフでコルクごと切っていきます。そしてその後は、スクリューで開けるとコルクがボロボロになりそうだったのでピックを使って慎重にコルクを押し上げてあげます。
苦手なんですよね 古酒のコルク開けるの ・・・。
もともと替え用のコルクが付属しているので、最初のコルクはボロボロになっても大丈夫です。
アレキサンドル・レオポルド1965の香り立ち
今回のレビューは開栓直後。
まず最初に感じたのはずばり「みたらし団子」!!
ここまで素直にみたらし団子をイメージしたのは初めてかもしれない・・・。
そしてこの醤油香というかなんといか・・・程よく酸化した辛口醤油・・・というとネガティブな表現に思えるかもしれませんが、決してネガティブではなく、この特徴的な香り立ちが不思議と心地よい。
その後は黒糖はちみつのような甘く濃い香り。
時間が経つにつれて金木犀やスミレといった少しフローラルな要素をちゃんと感じとる事ができます。
アルコールのツンツンとした香りや過剰な樽香は全くなく、グラスに鼻を突っ込んで液面から5cmくらいに鼻を近づけても優しい香り立ちです。香りが弱いという意味ではなく、本当に嫌なアルコール感だけ無いという表現のほうがしっくりくるでしょうか。
アレキサンドル・レオポルド1965の味わい
ほろ苦さを伴う酸味。
干しあんず。
トーストのような香ばしさと鼻抜けで感じるシナモン。
フルーツ要素は少な目ですが、余韻には甘酸っぱいリンゴと、遅れて感じ余韻として長く鼻腔から突き抜ける葡萄。
グラスに注いで20分くらい経ち十分に空気に触れさせ、かつ少し手の平で温めてあげるとこのコニャックは真価を発揮する。
少しずつ本来のプティットシャンパーニュの華やかさを取り戻し、1杯目に飲んだ時よりも明らかにレモンを中心とした柑橘系の香味が口の中で炸裂するようになります。
うーん、やはり何十年も眠っていたボトルだ。真の姿を現すにはまだまだ時間がかかりそう。
アレキサンドル・レオポルド1965まとめ
全体的にかなり好印象なボトル。
恐らく経年によりだいぶ落ち着いて丸みを帯びたであとうと予想します。本来であればもう少しプティットシャンパーニュの華やかさが全面に出たコニャックだったのかもしれない。20年以上前に流通したボトルなので、今開けるともちろん個体差はあるかもしれません。流通当時の状態を知る術が無いのが悔しいところ。
20年以上眠っていたボトルなので、本領を発揮するのはこれからなのか、それとも既に本領を発揮しきった後なのかは定かではない。
この古酒開けたての状態がベストコンディションなのか、開栓後数年経つとまた面白い変化がみられるのか、どちらに転んでも興味が尽きないボトルです。このボトルは是非1年後、2年後と継続してテイスティングを行って比較していきたい。500mlなのでそんなにガブガブ飲めないけど。
うーん、古酒だとしても1965ヴィンテージでこのクオリティのコニャックが1万5千円ほどで手に入ってしまうのはもはや異常(誉め言葉)。
正直この記事を書こうかどうか迷ってしまいました。恐らく現在流通している分が無くなると二度と世に出ることのないボトルなので、みんなに知ってほしい反面、誰にも知られたくないという葛藤があります。
希少ボトル的な意味で本心ではおススメしたくないけど、とてもおススメなボトルです(笑)