コニャックレビュー

大手コニャックVSOP飲み比べ検証【後編】:香り~味わい

2018年9月30日

2018年9月某日、前から行いたかったブランデー企画「VSOP比較」を実践致しました。

前回の『【前編】ボトル~色味』に引き続き、【後編】をお届けします。

ご協力頂くのは前編から引き続き銀座でフレンチ系ラム・コニャック・カルバドスを中心としたディジェスティフバーdoux barの横井オーナーです。

前回のおさらい:用意したコニャック達

大手コニャックメーカーのVSOPクラス6種類を使って飲み比べ。

写真左から

です。

ヘネシーだけVSOPを2種類用意しました。

前置き

まず、最初に言っておくと、予想通りというか、やはりというか・・・このVSOPクラスの飲み比べは非常に難しいものとなりました。

まず、VSOPクラスといえば、一応コニャックの規定ではコント4、つまり最低5年以上の熟成期間を経ればVSOPと名乗るができるのでます。

各メーカーによって最低熟成年数は異なるものの、XOや熟成の進んでいるコニャックと比べてしまうとやはり特徴を捉えるのが難しい分野になってきます。

その中でも印象的だった特徴と、私個人的な好みなどを書いていこうと思います。

香り立ち

前編と同様、使用しているグラスは「リーデル<ヴィノム>コニャック」。

横井氏

難しいなぁ~・・・これ。

明らかにプリビレッジだけ突出している。

まず、明らかに香るのはヘネシーVSOPプリビレッジ。

最初一瞬フローラルな香りから入りますが、だんだんフルーツ系の香りがしてくる。前回の色味も去ることながら、香りも濃い。

次点でヘネシーVSOPフィーヌシャンパーニュ。

次に印象的なのはカミュVSOPエレガンス。

若い割にはドライフルーツ系のちょっと熟れた香り。こいつだけは他のボトルと比べてもちょっと異質。

残りレミーマルタンVSOPとマーテルVSOP、クルボアジェVSOPの3つは、共通して青りんご、洋ナシ、透明感のあるサラッとした香り。

特にマーテルにおいては、コルドンブルーに感じるボルドリ系のスミレっぽい香り立ちはあまり感じられず、それを期待しすぎたのか若干の残念感が残りました。

全体的な印象としては、思ったよりトゲが無かったということ。

VSOPはもっとアルコールのツンツン感がでるかと思ったけど、想像してたよりもほとんどない。この辺はやはり大手の手法で上手く作られていると思う。

味わい

ヘネシーVSOPプリビレッジ

私の所感としては、甘党。とにかく甘かった。

あまり甘い甘いと書くとバカっぽい表現ですが、本当に蜂蜜・黒糖系の甘さ。まるでかりんとう(と私は感じる)。

うーん、好きか嫌いかはまた別ですが、味の濃さとして一番個性があるのはプリビレッジ。

チョコレートなどには一番合いそう。

逆に、ドライ志向の人にとっては甘すぎる思う人がいるかと思います。どこまで何が添加されているのか、詳細は不明ですが、明らかにVSOPの熟成年数で樽熟成だけでは出せないであろう甘味を後味として感じてしまいます。それが良いか悪いかとはまた別の話。

ヘネシーVSOPフィーヌシャンパーニュ

この中ではしっかりと舌に乗る感じ。

グランドシャンパーニュ+プテッットシャンパーニュの土壌の組み合わせであるフィーヌシャンパーニュ。

そのおかげか、はたまた先入観なのか、プリビレッジと比較すると若干ガツンとパンチが効いている気はする。プリビレッジと同じく、どちらもハチミツ系の甘味が強い。

この2本は甘党。

レミーマルタンVSOP

一番軽い口当たり。

最後に紹介するカミュに匹敵するくらいドライ。

言い方によりますが、あまり特徴的ではない分、他の素材の邪魔をしないので、カクテルにするのであれば一番バランスがよいかもしれない。レミーマルタンの公式がレミーマルタンVSOPのジンジャエール割りを推しているくらいなので・・・。

しかし、検証している間、グラスに注いで40分くらい放置するとややハチミツ感が出てきたような気がします。

レミーマルタンVSOPも上のヘネシーVSOPと同じくグランドシャンパーニュ+プテッットシャンパーニュの土壌の組み合わせであるフィーヌシャンパーニュから生まれたコニャックですが、ヘネシーのそれとは全くことなる味わい。

マーテルVSOP

この辺は非常に難しい・・・

飲む前にマーテルの定番商品であるコルドンブルーの味を意識しすぎたのか、それに近い特徴やボルドリ特有のスミレ感はあまり感じられなかったというのが正直な所。しかし、コルドンブルーになるポテンシャルは持ってる、と信じたい。

クルボアジェVSOP

最も味わいの表現が難しい1本となりました。

こんな言い方をすると怒られるかもしれませんが、一番特徴が少ない・・・。

VSOPっぽい若草系の香りと、フレッシュな柑橘系?な感じはするけど、舌に乗ってくる重厚感とは真逆に余韻を残さないサラッとした口当たり。クリアな分、ある意味カクテルやジンジャーエールで割るには良い。

しかしグラスに注いで1時間後・・・

横井氏

ん、時間が経つと何か余韻が出てきた・・・気がする。フレッシュな感じではなく、少し熟成感のある洋ナシのような・・・。

私:「なるほど、時間が経って開花するタイプですね。・・・・でも一般的に1時間待ってもらうのは難しくないですか?

横井氏

うーん・・・笑

カミュVSOPエレガンス

カミュVSOPエレガンスの香りはドライフルーツ系の熟れた香りでしたが、飲むと一番淡麗かもしれない。

飲むとフレッシュで透明感のある若々しい味。牧草にいるよう(と私は感じる)。

やはりこの中では一番変わり者な印象。

最も特徴的なのは・・・

各VSOPを比べてみると、正直な所、レミーマルタン、マーテル、クルボアジェにおいては特徴がどっこいどっこいな部分がありました。透明感がある飲み心地と言えばそれまでですが・・・。

最も個人的に印象に残るはやはり、方向性は全く違いますが、ヘネシーVSOPプリビレッジとカミュVSOP。

コク系なヘネシーとドライ系なカミュ。

「濃厚」「甘い」といった言葉が目立つヘネシーVSOPでしたが、ヘネシーのマーケット範囲を考えると、その方向性も納得のいくものなかもしれないです。

世界中にマーケットを持つヘネシーは、ロシアをはじめ寒冷地から、ベトナムなどの温暖地まで世界中にコニャックを売る必要があります。平均気温が20℃以上違うような各地域で受け入れてもらえるコニャックとなれば、濃厚さを全面に出し、厚化粧せざるを得ないとも言えます。いわば世界中で売れるためのコニャック。故のこの濃厚さ。

「売れるコニャック」を追求するか、「独自の道を究めるコニャック」を追求するか。ポールジローはじめプロプリエテールなど小規模生産者になればなるほど、方向性としては後者が多くなる傾向にあります。どちらもそれぞれに正義があるので、そのバックグラウンドを(勝手に)想像しながらコニャックを楽しむのもまた一興です。

まぁ、実際、今回のVSOPのなかでも舌の上でジトーっと残る感じや、重厚感、余韻という意味ではヘネシーVSOPプリビレッジが突出していました。

それぞれの特徴を学生に例えると・・・

比較を進めていく中で、それぞれのコニャックを何故か学生に例える流れとなりました。いくつか死語が混じっていますが、その辺は、まぁ、そういう世代なのであまり気にしないで下さい。笑

ヘネシーVSOPプリビレッジ
→ガングロコギャル。(古っ!!)

ヘネシーVSOPフィーヌシャンパーニュ
→コギャルの弟子。

レミーマルタンVSOP
→品行方正な優等生。

マーテルVSOP
→20年後同窓会に行ったらめっちゃ美人またはイケメンになってるタイプ。

クルボアジェVSOP
→地味だが頭のいい同級生。

カミュVSOPエレガンス
→ちょっと変わった転校生。ドライだけど仲良くなるといいやつ。


・・・なんかこの話が一番盛り上がった。

個人的な好み・おすすめ

それぞれのVSOPに特徴がありますが「どれも個性があって良い」で終わってしまうと全然面白くないので、個人的な好みと、おすすめを書いて参ります。

私の好み

やはりVSOPで飲み比べてしまうと、濃厚なやつをもう一杯、となってしまう・・・。そしてやはり私は甘党である。

私の個人的な好みとしては、

1. ヘネシーVSOPプリビレッジ
2.
ヘネシーVSOPフィーヌシャンパーニュ
3.
マーテルVSOP
4.
カミュVSOPエレガンス
5.
レミーマルタンVSOP
6.
クルボアジェVSOP

かな。まぁヘネシーVSOPは両方とも他のVSOPより価格も高いので、多少はね・・・。

横井氏は・・・

横井氏

やはり一番印象に残るのは、(悔しいけど)ヘネシーVSOPプリビレッジ。さらに個性を求めるのであればカミュですね。

全部ストレートで飲むとすると、一番最初に飲みたいのはレミーマルタンVSOPですね。突出したものはないが、一番クリアで透明感がある。そっと寄り添うドライな風味。

横井氏

飲む順番としては

レミーマルタンVSOP

ヘネシーVSOPプリビレッジ

カミュVSOPエレガンス

というのが一番楽しめるかもしれません。

タイプ別におすすめできるVSOPは?

飲み手のタイプによって異なりますが、大きく甘コク系かドライ系かに分かれます。

タイプ別に分けると・・・

が今回のタイプ別おすすめ大手VSOPコニャックと結論付けました!

一連のVSOPを通して

比較してみる前から予想していましたが、やはりVSOPというのは難しいカテゴリだということを実感しました。ある意味、中~上級者向けのコニャックと言えるかもしれません。

どうしても若いコニャックであるため、ものによっては尖りがあったり、人によってはキツクてストレートで飲めない、といった人もでてくるかと思います。

そのため「どれも個性あって面白い」「比べてみると違う」などとと心から思えようになるのは、あくまでもある程度飲み慣れた人が抱く感想であると私は考えます。

ストレートで飲む場合、そこがどうしても「ブランデー初心者に本当におすすめのブランデーは?」で書いたように「初めてのブランデーは絶対に質の良いブランデーにすべきである」という事に結びつく所でもあります。(※VSOPの質が悪いという意味ではありません)

そういった意味ではやはり個人的にはXOクラスからをおすすめしたい所ではあります。

しかしまぁ、こうやって改めて飲み比べてみると、メーカーごとの特色が分かって色々な発見がありますね!

次回は各メーカー共に本気を出してくるXOクラスの飲み比べですね!

と、いうことで、いつになるか分かりませんが、次回「大手メーカーXOクラス比較」をお楽しみに。(家計と相談だ!!!)

協力:doux bar

コニャック・カルヴァドス・フレンチラムなどのスピリッツを中心に取り扱っている銀座のオーセンティックバーです。オーナーの横井貴久氏が長年情熱をもってコレクションされているボトルが沢山あります。コニャック好きなら是非一度^^

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