去る2016年12月11日、日本で唯一フランスコニャック協会からコニャックエデュケイターの資格を与えられた鯉沼康行氏による2016年最後のコニャックセミナーが開催されました。「コニャックの神髄を極める(その3)」です。
その1のセミナーレポートはコチラ
その2のセミナーレポートはコチラ
第3回目となる今回のセミナーのダイジェストレポートです。
今回のセミナーは主に
- コニャックにおけるランシオとは何か?
- コニャックの味を決める要素
- 地域別コニャックテイスティング5種類
がメインの内容となりました。
コニャックにおけるランシオとは何か?
ワインやウイスキーとは違う、コニャックにおけるランシオ香についてめちゃめちゃ詳しい内容でした。感覚的な香りの話だけでなく、コニャックの発酵・蒸留・熟成という過程を経て起こる化学変化を紐解いた話で、沢山の化学物質の名前が出てきて、一度ではとても覚えられないほど・・・。必死にメモとりました。
コニャックにおけるランシオ香についてはコチラの記事にまとめましたのでご覧ください。
コニャックの味を決める要素
こちらもランシオの話と同様、かなり化学的な話。
コニャックの味を決める要素は334種類の物質によって成り立っています。
エステル系77種類
アルデヒド系34種類
酸27種類
ケトン系25種類
アセタル系21種類
エーテル系19種類
その他ラクトンやテノール等々・・・
様々な物質が発酵・蒸留・熟成過程で生まれ、変化し、一つ一つ違った風味のコニャックが出来ていく過程を知ることができました。
正直、細かすぎて、一度で理解し、インプットするのは難しいので、もう一回聞きたいです。とにかくマニアック。細かい話が好きな人にはたまりません。
しかし、一番興味深いのは、これらの要素を化学式に従って組み合わせたとしても、「美味しい」コニャックができるかと言えば、そうではない、という所。
実はコニャックの製造過程における厳密な変化はまだ100%解明されていません。そのため、作り手の長年の経験と技術と職人知識に左右される部分が多くあるのです。作り手によって全く異なるコニャックができるわけですね。
これが作り手と作る場所が変わればコニャックの味が全く異なる所以です。
コニャック作りの面白い所ですね。
地域別コニャックテイスティング5種類
今回テイスティングを行ったのは次のラインナップ
- ジャンフィユー1990年(18年)
→グランドシャンパーニュ - ポールジロー・トレラール 35年
→グランドシャンパーニュ - デュピュイ 1973年-2011年
→プティットシャンパーニュ - ドゥピュイ1971年-2011年
→ボルドリー - ギュイ・ピナール 1990年-2010年
→ファンボア
テイスティングレポートはまた別途詳細記事を書きたいと思います。
この中で今回はドゥピュイ1971年(ボルドリー) がマイベストコニャックでした。最もまろやか且つ重厚感があります。ヌトーって舌に広がる感じ。飲んだ後ほのかにリンゴっぽい甘い香りが余韻として残ります。
何本かストックしておきたいけど、市場に出回っているボトル本数に限りがあるのが残念です。。。Amazon で手に入るうちに確保しておきましょう。
最近はパンチの効いたグランドシャンパーニュ産より、少し甘味のあるボルドリ産に傾向しつつあります私。
うーん、この辺のラインナップはコニャック入門の方でもどんな方でもおすすめできるコニャック達ばかりですね。
ポールジロートレラール35年 は最近頻繁に飲み過ぎて、マンネリ化してつい過小評価になりがちです。。。
次回のセミナーも楽しみである
酒育の会主催の2016年のコニャックセミナーはこれにて最後でした。
2017年もいろんな所に出回って、色んなコニャックを飲んでいきたいですね。
酒育の会セミナー最新情報は酒育の会HPまたは公式Facebookページより確認ができるみたいです。
あ、何度も言いますが、私は酒育の会の関係者ではありません。ちゃんとお金払って参加してますよ。(笑)