コニャックレビュー

ダニエルブージュ エンペラーXOの感想レビュー

2019年10月12日

前回のダニエル・ブージュ トレヴィユー(40年熟成)に引き続き今回もダニエル・ブージュのコニャックです。

本当は書く順番を逆にするべきだったのですが、今回は25年熟成の

ダニエル・ブージュ エンペラーXO

同ブランドのXOクラス定番ラインナップにあたるコニャックです。飲み比べのためトレヴィユーと併せて買っていたのですが、紹介が遅れました。

参考記事
ダニエル・ブージュ トレヴィユー40年のレビューと感想

やはりブラックコニャック

前回のダニエル・ブージュ トレヴィユーと同様、ダニエルブージュの最大の特徴であるこの色味は25年熟成においても健在。

ザ・ブラックコニャック。

念のため、こちらにもう一度ダニエル・ブージュの特徴を書いておきます。

ダニエル・ブージュの最大の特徴は

「最低でも新樽で5年間熟成させること」です。

多くのコニャックの作り手は蒸留したオードヴィーを半年から長くても3年程度新樽で熟成させます。その後古樽に移されて長期熟成を経ます。

新樽を使う理由としては、新樽から出るタンニンによる豊かな味わいを出したり、後々の熟成に必要なタンニンの量を計算するためです。

しかし、このダニエル・ブージュの新樽熟成期間は最低でも5年です。最低5年ですよ5年。通常の新樽比率よりもかなり高めです。

また、蒸留時にもワインのオリを除去しないでその一緒に蒸留させる、所謂レミーマルタン方式の蒸留方法を採用。 この方式は蒸留器の窯の中をオリで焦げ付かせないよう手間と時間がかかります。しかし、これを行うことによって厚みやふくよかさといった要素がより出やすくなり、グランドシャンパーニュ産のコニャックポテンシャルをより引き出すことができます。

ダニエル・ブージュ エンペラーXOのスペック

では改めて今回のダニエル・ブージュ トレヴィユーのスペックを確認しましょう。

ダニエル・ブージュ エンペラーXO(Daniel BOUJU Empereur XO)
グランドシャンパーニュ100%
アルコール度数:40%
容量:700ml
熟成年数:25年
輸入元:(株)日本グランドシャンパーニュ
購入価格:税抜9,075円(2019年9月)

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ダニエル・ブージュ エンペラーXOのデザイン

ダニエル・ブージュ トレヴィユーは木箱入りでしたが、こちらは通常の紙の化粧箱です。

コルクも蝋風なしの通常。

ラベルも手書き風の筆記体ラベルではなくカッチリとした印象のラベルデザインです。

ダニエル・ブージュ エンペラーXOの色合い

やはり黒。褐色に近い黒。

同じ25年熟成のジャンフィユー トレヴィユーやその他の25年コニャックと比較しても圧倒的ダークさです。

ダニエル・ブージュ トレヴィユーとの比較

今回の25年の熟成のダニエル・ブージュ エンペラーXOと、前回の40年熟成のダニエル・ブージュ トレヴィユーを並べて比較してみます。

こう見ると熟成が長い分やはりトレヴィユーの方が色味がだいぶ濃いですね。(左がエンペラーXO、右がトレヴィユー)

おまけで同じくグランドシャンパーニュのプロプリエテールコニャックであるフランソワヴォワイエ エクストラ(40年熟成)との3本比較。

左)ダニエル・ブージュ エンペラーXO(25年)
中央)ダニエル・ブージュ トレヴィユー(40年)
右)フランソワヴォワイエ エクストラ(40年)

うーむ、他を寄せ付けない圧倒的ブラック。

参考記事
フランソワヴォワイエ エクストラの感想・レビュー

ダニエル・ブージュの系譜

ダニエル・ブージュ エンペラーXOはやはりダニエル・ブージュ独特のスパイスの効いた味わいが顕著です。

飲み比べてみると分かりますが、前回のダニエル・ブージュ トレヴィユーは、今回のダニエル・ブージュ エンペラーXOが正当進化したものだということが良く分かります。

香り立ちにおいても特有の熟したレーズンと樽のウッディーさ、ところどころ落葉やシナモンのような要素が垣間見れます。ただ、トレヴィユーの方を先に味わってしまったせいか、少し攻撃性の高い香り。幅の広いグラスで鼻をつっこんで香りを嗅いでしまうとちょっと黒インキのような香りにやられてしまいます。

味わいはやはり辛口。スパイス、ハーブといった要素が多く感じられ、鼻抜けは少しのオレンジと余韻にはピーチ感が残ります。

ダニエル・ブージュ トレヴィユーよりもやや酸味を強く感じ、味わいの複雑さにおいてはやはりトレヴィユーの方が勝ります。

まとめ:ダニエル・ブージュ エンペラーXOはおすすめコニャックか

まず断っておきたいのは、ダニエル・ブージュは間違いなく素晴らしい作り手であるということ。そして他にはない独自の方向性、オリジナリティを持ったコニャックブランドであるということ。

しかしながら(それも相まってか)、やはり「玄人向けコニャック」「飲みなれた人向けコニャック」という感は否めないのが正直な感想。

初めてコニャックを飲む人におすすめするには、やや冒険要素が強いコニャックである。

方向性としては ダニエル・ブージュ トレヴィユー と同じで、まさに黒ビール的なコニャック。

甘みがありフルーティーなコニャックに世の中が傾斜するなか、独自の渋みと辛口なコニャックを追求するダニエル・ブージュはこれからもコアなファンを魅了してやまないコニャックブランドとなるでしょう。

是非ポールジロー25年ジャンフィユー トレヴィユー(25年)など、他のグランドシャンパーニュを代表するコニャックと飲み比べて頂きたい。「ここまで顕著に違うのか・・・」と実感できるコニャックはなかなかありません。

相変わらず私個人的にはやや苦手な分野のコニャックではありますが、ハマる人にはビシッとハマると思う。

そんなコニャックですダニエル・ブージュ エンペラーXO

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