ヘネシー、レミーマルタンに続くコニャックの巨頭、マーテルが2017年3月に新作コニャックを発売しました。
その名もMartell VS Single Distillery。略してマーテルVSSDといったところでしょうか。
一体どのようなコニャックなのか、少し見ていきましょう。
Single Distilleryの意味は?
Single Distilleryとは、つまり「単一蒸留所」の事を指します。
マーテルは基本的にはネゴシアンです。ネゴシアンとは、自社畑などは持たずに、様々な契約農家や蒸留所から仕入れたコニャックの原酒をブレンドして、自社のコニャックを製造するメーカーの事を指します。ヘネシーやレミーマルタンも同様です。
逆の言葉は「プロプリエテール」です。(詳細はコチラの記事)
そんなネゴシアンのマーテルが「単一蒸留所」産のコニャックを出したのです。
つまり、複数の契約農家の原酒を混ぜるのではなく、ある一つの契約農家の原酒のみを使って蒸留・熟成・ブレンドを行っています。使われているブドウはグランドシャンパーニュ産とプティットシャンパーニュ産の混合だそうです。
ただし、具体的にどこの契約農家または蒸留所で作られたコニャックなのかは明らかにはされていません。ボトルにも表記はなし。(裏面は不明)
熟成年数は2年
表記にあるように、このコニャックの等級はVS。2年熟成です。つまりコニャックとして出荷できる最も若い最低熟成年数コニャックです。
世界の動向を意識
なぜ、このような単一蒸留所産のコニャックを発売したのか?
最もコニャックの売上が大きいいアメリカをはじめ、今世界ではシングルコニャックの売上がやや伸びはじめ、人々が「一つの農家」で作られたコニャックに以前よりも興味を持つようになってきた傾向があります。
つまり、ネゴシアンではなく、プロプリエテールの職人技が以前よりも目を向けられるようになったという喜ばしい流れです。
その流れに遅れまいと今回マーテルが作ったのが、この単一蒸留所産のコニャック「Martell VS Single Distillery」なのです。(と思います。)
既存のマーテルVSと飲み比べ
マーテルには既にマーテル VSという、同じく最低熟成年数のコニャックが存在します。ただし、こちらは通常通り、様々な原酒がブレンドされています。
今回のマーテルVS Single Distilleryとどのように差が出るのか、飲み比べて楽しみたいものです。熟成年数が大変若いコニャックなので、そのままよりもカクテルに使われたりする機会の方が多いかもしれませんね。
もう一つのマーテル単一蒸留所産コニャック
実は、今回のMartell VS Single Distillery以外にもマーテルの単一蒸留所産のコニャックがあります。
それはMartell Single Estate Domaine de Charbonniereというコニャック。
こちらもかなり質の高い単一蒸留所コニャックではありますが、何と、香港国際空港の免税店でしか発売されていません。話題性はありますが、香港まで行く必要があるので、ちょっと入手難易度が高いです。。。
Martell VS Single Distilleryはどこで手に入る?
実はMartell VS Single Distilleryが日本で発売されるのはまだ少し先となります。
2017年3月からアメリカで先行販売。
その後2017年5月からイギリスで販売開始。
そして2017年9月から世界中で展開される予定のようです。
なので、並行輸入を除いて日本で手に入りそうなのは2017年9月以降でしょう。
アメリカでの販売価格は、現在約35USドルです。
マーテル VSが通販で2500円~3200円くらいなので、Martell VS Single Distilleryの日本での販売価格は3500円~4500円の間くらいになるのではないでしょうか。
到着が楽しみですね。