コニャックブランド特集

サンフランシスコワールドスピリッツコンペティション2018の結果

2018年6月10日

出典:http://sfspiritscomp.com/

さぁ!今年もやってきました!

サンフランシスコで開催され、数多のスピリッツの中から優れたスピリッツを決める「サンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティション2018」の結果が出ました。

このサンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティション(通称:SFWSC)は2018年で18回目の開催となる世界最大規模のスピリッツコンペです。

参考記事
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2017と奇跡の出会い

受賞ランク

今年は全2,469銘柄の出品だったそうです。(前年比11%増)

テキーラからウイスキー、コニャック、アルマニャック、その他世界のスピリッツが30のクラスに分けられます。特にウイスキーのカテゴリはメチャクチャ細かいです。そしてアメリカ中のレストラン、流通のバイヤー、ジャーナリストなどの審査員による審査を経て、カテゴリーごとに

  • 最優秀金賞(ダブルゴールド)
  • 金賞(ゴールド)
  • 銀賞(シルバー)
  • 銅賞(ブロンズ)

が選出されます。

最終日には各30クラスの中で最優秀金賞(ダブルゴールド)を受賞した商品の中から、プレミアムアワードが決定されます。プレミアムアワードは主に、クラス毎の優秀賞を決める『Best of class』、そして「UNAGED WHITE SPIRIT」「AGED WHITE SPIRIT」「WHISKY」「BRANDY」「LIQUEUR」の5つの大カテゴリごとの最優秀賞『Best in Show』が選出され、最も評価の高い商品を決定します。

詰まる所、『Best in Show』と『Best of class』に選ばれたスピリッツが最も評価が高いということになります。

審査方法

40名以上の審査員によって各賞が決められます。

審査は全てブラインドテイスティングで行われ、銘柄や価格、作り手などの情報は一切伏せられた状態で行われます。

恐らくジャンル別に審査員が分かれているのでしょうが、全部で2469銘柄ですから、複数のジャンルにわたって審査することを考えると、一人当たり100杯以上くらいはテイスティング審査することに・・・。

細かい審査基準は非公開でしたが、うーん、舌がマヒしそう。

全カテゴリ見ていきたいところですが、ここはブランデーサイトなので、ひとまず一番気になるコニャックの受賞結果を見ていきましょう!(アルマニャックはまた後日・・・)

レミーマルタンやマーテルなどの大手はもちろん、まだ日本では全然知られていない小さなコニャックメーカー、プロプリエテールも多く参戦しています。

出品コニャック数は?

この2,469銘柄のうち、コニャックがどのくらいエントリーされているかは明確には表記されていませんでした。

SFWSCはあくまでもエントリー制なので、当然800銘柄以上ある全てのコニャックが出品されているわけではありません。受賞ブランドを見る限り、大手でもヘネシーとかはエントリーされてないんじゃないかな・・・。

ブランド別の受賞結果を見る限り、恐らく全体で数十銘柄しか出品されていない気がします。それだけ限られたコンペではありますが、コニャックの情勢や優良な銘柄を見つける指標として楽しむことができますね。

コニャックのクラスは全3つ

今回のSFWSCでコニャックのクラスは大きく4つに分けられています。

・コニャック VS / 3スター クラス
・コニャック VSOPクラス
・コニャックXOクラス
・コニャックエクストラエイジ / ヴィンテージクラス

参考記事:
ブランデーのVSOPやXOの種類の違いって何?

受賞商品は全クラス合計で58つのコニャックが受賞しており、ちょっと多すぎるので、銀賞(シルバー) と銅賞(ブロンズ)は割愛します。ごめんね。

最優秀金賞(ダブルゴールド)と金賞(ゴールド)の受賞コニャックをクラス別に見てみましょう。

受賞商品名はフランス語表記で統一しています。

各商品名をクリックすると、国内で販売されていない物に関してはメーカー公式HPへリンクしていますので、是非チェックしてみてください。(取り扱いのあるものは販売ページに飛びます)

コニャック VS / 3スター クラス受賞商品

最優秀金賞(ダブルゴールド)

→受賞商品なし!!!

金賞(ゴールド)

→受賞商品なし!!!!

・・・なんとコニャック VS / 3スター クラスではダブルゴールドとゴールドの受賞コニャックはありませんでした。シルバーからの受賞だけ。

うーん、さすがにこのレンジのコニャックは熟成が若すぎたか・・・。

コニャック VSOPクラス受賞商品

さて、ここからはちゃんとありますよ。

最優秀金賞(ダブルゴールド)

Gautier VSOP

Remy Martin 1738

金賞(ゴールド)

Maxime Trijol VSOP

Camus Borderies VSOP

Augier Le Singulier

最優秀金賞(ダブルゴールド) はレミーマルタンとゴーティエ。わりと有名勢が最優秀賞を獲得しましたね!ゴーティエ、最近日本に輸入されてるの少ないんですよね。。。

あとは金賞(ゴールド)で有名処といえばカミュボルドリVSOPでしょうか。

コニャックXOクラス受賞商品

さてさて、お次は私も最も注目しているXOクラスの結果です!

最優秀金賞(ダブルゴールド)

Maxime Trijol XO Grande Champagne

De Luze Fine Champagne Cognac XO

Gautier Pinar del Rio XO

Delamain Pale and Dry XO

・Vaudon XO

金賞(ゴールド)

Martell Cordon Bleu

Maxime Trijol XO

・Paulet Grande Champagne Cognac XO

Pierre Ferrand Selection des Anges

Delisle XO

きたドリューズXOフィーヌシャンパーニュ。これは昨年のSFWSCでも高評価を得たコニャックでした。やっぱこのコニャックはもっと日本中に知られるべき。

金賞(ゴールド)では大手のマーテルコルドンブルーが食い込んできました。逆に言うと、XOクラスでゴールド以上にランクインしているコニャック界のBig4はマーテルだけとうことになります。それだけ各メーカーとも大手に負けない実力をもっているということ。

ちなみに銀賞シルバー以下ではレミーマルタンやカミュなどBig4もいくつかランクインしていました。

その他Maxime Trijo XOやVaudon XO、Pierre Ferrand Selection des Angesあたりは私もまだ飲んだ事ありません。うーん、飲んでみたい・・・。さて個人輸入のラインナップに加えておきます。

コニャックエクストラエイジ / ヴィンテージクラス受賞商品

ここからはXOクラス以上の長熟コニャックやヴィンテージコニャックが対象です。このハイレベルな戦いを制するのは・・・

最優秀金賞(ダブルゴールド)

Gautire 1755 Extra

Gautire Tradtion Rare

Camus Extra Dark And Intense

La Guilde du Cognac Saint Preuil Extra Grande Champagne

La Guilde du Cognac Chevres Richmont 2019 Borderies

金賞(ゴールド)

La Guilde du Cognac Saint Germain de Vibrac 2007 Petite Champagne

おお、何かゴーティエとLa Guilde du Cognacがめっちゃ台頭してますね!一番上のゴーティエ 1755 Extraは昨年2017年のSFWSCでも最優秀金賞(ダブルゴールド)を受賞していました。2年連続です。

しかもこのコニャック、意外とエクストラクラスにしてはお手頃価格なんです。日本には輸入されてないので、日本での販売価格は分かりませんが、ユーロだと大体110~130ユーロくらいの価格帯です。日本円で14,000円~16,000円くらいです。

うーん、その他のやつはまだまだ飲んだ事ないコニャック達・・・。気になる・・・。

ここまでがクラス別の最優秀金賞(ダブルゴールド)と金賞(ゴールド)を受賞したコニャック達です。この中から各クラス毎の最優秀賞である『Best of class』と、大カテゴリ「BRANDY」の最優秀賞にあたる『Best in show』を受賞した商品を見ていきましょう!

Best of class (コニャック編)

コニャック VSOPクラス

Gautier VSOP

コニャック XOクラス

Maxime Trijol XO Grande Champagne

コニャックエクストラエイジ / ヴィンテージクラス

→なし

コニャックVSOPクラスの最優秀賞に輝いたのは業界大手レミーマルタンを差し置てゴーティエVSOPでした!そしいてXOクラスはMaxime Trijol XO Grande Champagne!
・・・飲んだ事ない;;

Best in show (コニャック編)

さて、最後に「BRANDY」という大カテゴリの中の最優秀賞に輝いた商品!

結果は・・・

Gautire 1755 Extra

でした!!!

出典:http://www.cognac-gautier.com/essentials-cognac-1755/

うーん、ゴーティエ強し。今年はゴーティエブームがやってくるのでしょうか。(いや分からんけど)

SFWSC 2018受賞結果から思う事

コニャックBig4(ヘネシー、マーテル、レミーマルタン、クルボアジェ)もヘネシー以外は今回のコンペティションに参加していますが、必ずしも大手が高い評価を得ているわけではありません。

特にXOクラスではマーテルXOクルボアジェ XOレミーマルタンXOエクセレンスという各社を代表する(?)XOクラスが軒並み銀賞(シルバー)止まりとなり、他ブランドに引き離される結果となってしまいました。勝手な想像ではありますが、彼ら大手にとってはやや屈辱的ですらある結果だったかもしれません。

逆に言うと、大手以外の小さなコニャックメーカーの実力をいかんなく発揮できた?結果なのかもしれません。

ただ、小さいとはいっても、このコンペに出展しているメーカーはコニャックの中ではそこそこの規模があるメーカーで、ネゴシアンが多いのも事実です。完全な家族経営のメーカーや、小さなプロプリエテールは出品されていないので、ここでは評価されることはありません。(というかそもそも出品したがらない?プロプリエテールが多い) もし彼らがこぞってこのコンペに参加していたら・・・。どのような結果になっていたのか、想像をめぐらすだけで楽しいです。

そういえばヘネシーは数年前からこのコンペには参加していないように見受けられます。変に第三者のコンペでブランド価値が揺らいでしまうのを危惧しているのでしょうか。2005年辺りのコンペではヘネシーXOが最優秀金賞(ダブルゴールド)を受賞していたのですが、それから年月も経ち、参加メーカーが増えた今、レミーマルタンXOやマーテルXOからも分かるように、必ずしも彼らのブランド戦略通りの結果が得られるかは分からなくなりました。

それだけ小さなコニャックメーカーの台頭は彼らにとって脅威でもありますし、大手に全く引けを取らない、むしろそれ以上の実力を持っている存在であるとも言えます。

このサンフランシスコワールドスピリッツコンペティションの受賞結果はあくまでも一つの指標に過ぎないかもしれませんが、このような大きなコンペに所謂クラフトブランドが多く出典し、ブランドの大小関係ない評価により全面に出ることにより、小さなコニャックの作り手を世に知ってもらう良い機会ですし、それによりコニャック界全体の価値の向上につながると思います。

来年、再来年のサンフランシスコワールドスピリッツコンペティションの結果も楽しみですね!

そしてお願いだから誰かドリューズをもっと日本に輸入して下さい・・・。

出典

サンフランシスコワールドスピリッツコンペティションの公式HPはコチラ

2018年ブランド別受賞結果PDF
2018年クラス別受賞結果PDF
2018年プレミアムアワード結果PDF

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