前回の「コニャック ド・リューズ(De Luze)VSOP・XOのレビューと感想その①」に引き続き、「その②」です。
今回はそのド・リューズ(De Luze)VSOPとXOの香り~味わいと総評。
果たしてフランスから直接取り寄せたコニャックはおすすめコニャックとなり得るのでしょうか!
コニャック ド・リューズ(De Luze)おさらい
今回購入したド・リューズVSOPとXOはどちらもグランドシャンパーニュ産の原酒割合50%以上とプティットシャンパーニュ産の原酒の混合である「フィーヌシャンパーニュ」のコニャックです。
それぞれの熟成年数や受賞歴に関しては前回の「その①」に記載しているので、そちらをご確認頂けると幸いです。
ド・リューズVSOPの感想
それではまずはド・リューズVSOPから見ていきましょう。
香り立ち
まずはグラスに注いだ後の香り立ち。
熟成年数約12年ということで、グラスに注いだ後、グラスから10cmほど鼻を離すと、そこに広がるのは牧草の中にある若草の香りと、少しハチミツのような甘い香り。
その後グラスに近づけるに従ってややアルコール感のあるアタックがあるものの、白桃のような果実感のある香りに変化していきます。フルーティーの中にある若々しさを楽しむことができる香り立ちです。
味わい
一口含むと、一瞬青りんごのような果実感が広がります。
ドライ、淡麗系のコニャック。
その後、少しだけナッツのような熟成感のある味わいを感じることができます。(ほんとに少しだけ)。
最後にちょっとだけハチミツのような甘味が口の中に残り、鼻抜けとして感じることができますが、比較的コクや余韻は少ない方で、悪く言えば薄く、良く言えば軽やかなコニャックです。
ド・リューズXOの感想
続いて、熟成年数約20年のド・リューズXO。
香り立ち
まず、真っ先に感じるのはラベンダーのようなフローラルな香り。その後、アプリコットのような果実系の甘い香りに変化します。
VSOPよりもグラスに滞留する香りは果実感が強く印象に残ります。
味わい
口に含んだ時、瞬間的にアプリコットジャムのような甘味を感じた後、キンカンのような甘酸っぱさが広がります。
その後少し経つと、ドライフルーツのような熟成感が漂います。
後半は少しソルティーな風味が広がっていき、ややスパイシーでノドに引っかかる感覚を覚える部分もありますが、味わいの変化を楽しむことができます。
舌ざわりとしてはある程度粘性は感じられるコニャックで、バターのようなオイリー感があります。
鼻抜けとしてはオレンジピールのような柑橘系の香りと、最後にVSOP同系統のハチミツ感が余韻として残り、VSOPよりも少しばかり長く続きます。
しかし、あくまでも同じド・リューズVSOPと比較した場合で、ジワーっと余韻に浸るというよりも、比較的フッと消えてしまう感覚があり、全体的にはやや舌とノドと鼻に残るには乏しい印象です。
味わいの変化は多彩ですが。
この「余韻」に関しては、私の感想ではありますが、何人かのコニャックに精通した方に(事前情報なしで)飲んで頂いた結果も同様の感想を頂いてしまいました・・・。
ド・リューズVSOP、XOの総評
私の個人的な結論としては「期待値が高すぎたのかもしれない」。
特にド・リューズXOの方は、海外ではだいぶ注目されているコニャックで、多くの賞を受賞しているコニャックというということで取り寄せました。
ポイントしてはコスパです。
もちろんフランスからなので、別途送料が37ユーロ(約4,700円)程かかりますが、それは考えずに商品単体として見ていきます。
今回はキャンペーン中だったので、ド・リューズXOを97ユーロ(約12,500円)で購入しました。割引なしだと販売価格の相場は110ユーロ~130ユーロの間くらいで揺れ動いています。
日本円にして約13,000円~15,000円くらいの間ではないでしょうか。
ちょっと高いかな?・・・というのが正直な所でもあります。細かいですが。
おそらく20年熟成で同じフィーヌシャンパーニュであれば、レミーマルタンXOあたりと比較すると分かりやすいかもしれません。
また同じくらいの熟成であればデュピュイ XO等の方が先ほど話題に挙げた「余韻」という点でも良く印象に残り、正直コスパよく手に入る・・・と思ってしまいます。
仮に販売価格が15,000円だとすると、だいたい15,000円のコニャックを買う人は20,000円のコニャックも買う人だと思います。20,000円であれば更にワンランク上のコニャックが手に入ってしまうわけで・・・。
実はド・リューズXOを何人かのブランデー関係者に飲んで頂いた所、
「うーん・・・10,000円(小売価格)くらいなら買うかも」
というご意見が多く、ちょっと現状の小売市場価格とちょっと離れてしまいました。。。
なぜここまでコスパにこだわるかというと、実は、このド・リューズXO、もし期待通りのコニャックであれば知人でもある卸業者に仕入れてもらい、国内でも広めてもらおう・・・と密かに計画していたからです。
うーん、今の所どうやらペンディングになりそうです。
もし安く仕入れられそうで、小売価格1万円くらいが実現できそうであればまた検討するかもしれません。
ということで、私の中で今回のド・リューズVSOPとXOは期待値が高すぎた結果となってしまいました・・・。
ただ、このド・リューズは前回その①で紹介したように、若い経営者の2人がまだまだこれから革新的で挑戦的なコニャックを排出してくれる・・・はず!である。
そういった意味では今後のド・リューズの期待値は高いですね。
うーん、引き続きコニャックに限らずまだまだブランデーを開拓していきたい所です。