コニャックレビュー

ガストン・ブリアン100年物のコニャックを味わえる幸せ

2019年1月23日

2019年1月20日、コニャックエデュケイターの鯉沼氏邸にて、ブランデーを愛する者(?)が集まる新年会という名のエンドレス飲み会に参加させて頂きました。

コニャック、アルマニャックの博物館といっても過言ではない鯉沼氏邸にお邪魔してコニャックを楽しませて頂くのはこれが3度目。誠に光栄な事であります。。。
(ジャンフィユーCFシリーズ新作もそこで頂きました)

新年会は時間制限なく行われ、最終組は14時から23時半まで飲み続けるという(笑)

そこでいくつものレア物コニャック達に出会うことができたのですが、その中でも印象深かった100年ものコニャック ガストン・ブリアン(Gaston Briand)について紹介致します。

その他のコニャックの達に関してはまた別記事にて。

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明治維新とかそんな時代を味わう

今回頂いたボトルの中でも圧倒的に希少価値が高いのがこの4本。(4本ともコルクは新しい物に差し替えてあります)

これ、全てあのグランドシャンパーニュ コニャック『(現)ラニョー・サボラン (Ragnaud Sabourin)』。
正確にいうと、ラニョーサボランの創設者でもあるガストン ブリアン(Gaston Briand)時代のもので、まだこのブランドが『ガストン・ブリアン』と名乗っていたころのものです。

↑のボトルは1906年ヴィンテージのガストンブリアン。実はこれと同じラベルで1904年ヴィンテージのものは一度見たことがありました。でも1906年の実物を見るのは初めてでした。1906年はかなり良い年だったらしく、ヘネシーでも1906年のヴィンテージはその前後の年代とは別の倉庫で厳重に保管されているそうです。

左から2番目の↑のボトルは同じくその頃の ガストンブリアン ヘリテージ(Héritage de Madame Gaston Briand)。

↑左から3本も同じくその頃の ガストンブリアン パラディ(Paradis)。1870年以前の原酒入りです。ラベル下部にBTTLED BY "SEAGRAM CHATED & ESTATE WINES CO." (カナダの酒造メーカー) とあるので、主にイギリスまたはアメリカ輸出向けにボトリングされたものだと思われますが、詳細は不明。

↑そしてラベルの無い一番右のボトルは1870年以前蒸留のものを多く含む、こちらもパラディ(Paradis)。
なぜ1870年以前というのが重要なのかというと、世界中のブドウに壊滅的な被害をもたらしたフィロキセラが流行する前の原酒だからです!所謂 プレ・フィロキセラのコニャックです。

1870年前後・・・フランスでは普仏戦争が終結に向かい、ナポレオン3世が失脚しイギリスに亡命していた頃。日本では戊辰戦争とか西郷隆盛とか勝海舟とか・・・明治維新ですよ明治維新!!まだ士族が刀を腰に掛けていた時代です。そんな時代に蒸留された液体が目の前にあるのです。信じられん。鼻血でそう。

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ラニョーサボランのパラディに関して

私の知るところでは、2006年あたりにボトリングされたラニョーサボラン パラディまでは、1870年以前蒸留の原酒を10%、そして1902年の原酒30%、1903年の原酒30%、1904年の原酒30%という割合で、これらを1960年代にブレンドした後、ガラスのボンボンヌに入れて更に約40年、ゆっくりと馴染ませる・・・というものですが、このボトルは大きなボンボンヌではなく、この瓶のままずっと置かれていたように伺えます。

後半2本のガストンブリアン パラディに関しては、年代的に2006年前後ボトリングのラニョーサボラン パラディよりも多い割合で1870年以前の原酒が入っているものと思われます。なお、2006年以降にボトリングされたラニョーサボランパラディには1870年以前の古酒は入っていないそうです。

いつの時代のボトルなのか?

この最後のラベルの無い瓶はどのような経路をたどってきたのかは正確には不明ですが、不明のままだと当サイトとしても面白くないので、少し掘り下げてみましょう。

このボトルはおそらくアメリカ経由、またはアメリカに輸出される用のボトルだったと予想されます。というのも、ラベルこそありませんが、ボトル上部には "FEDERAL LAW FORBIDS SALE OR REUSE OF THIS BOTTLE"の文字が浮き彫りされています。↓

浮き彫りされたこの文言は、1935年から1970年にかけて、アメリカで売られていた酒瓶に刻まれている言葉です。

細かく言うと、1933年にアメリカでの禁酒法が廃止されてから、アメリカに合法的にお酒が出回るようになります。当時は無許可製造のお酒も多く、その後、ブラックマーケットでのお酒の転売や、空瓶に再度お酒を入れて(リボトルして)売られることを抑制するために、ボトルのどこかにこの"FEDERAL LAW FORBIDS SALE OR REUSE OF THIS BOTTLE"という文字を浮き彫りすることが1935年より義務付けられました。

この義務付けは1964年12月で廃止されましたが、その後1970年代まで一部の業者ではその風習が続いたそうです。

このガストンブリアンのボトルは「瓶詰めされて50年くらいは経つらしい」という話を聞きましたので、恐らくこの浮き彫りの義務付けが行なわれていた終盤世代(1960~1970年)のボトルかと思われます。なお、ボトル下部にはGASTON BRIANの文字が浮き彫りされています。これがないと何の液体なのか分からん・・・。

ということで、このラベル無しボトルは、古いもので1870年以前の原酒が入っており、アメリカ経由、またはアメリカに輸出される用のボトルで、1960年~1970年の間のどこかでボトリングされた、ということになります(たぶん)。

瓶の外側の付着物や状態からして、ずっと動かされず同じ場所に置かれていたようです。

一番左の1906年表記のあるボトルはかなり優しい感じになっています。ある意味少し気が抜けているのですが、水のようにスイスイ飲めてしまうコニャック。左から2番目のガストンブリアン ヘリテージと左から3番目のガストンブリアン パラディは、どちらも個性が異なり、飲み比べるととても面白い。

右に行くにつれてパンチが効くような印象がありました。極めつけの一番右のラベル無しボトルに関しては100年以上の時が経ったとは思えない程舌にズッシリと乗ってきます。気温や湿度に左右されにくい場所に保管され、とても保管状態が良かったのだと思います。

以前、1929年のマルセルラニョー(ラニョーサボランの前身)フォルブランシュ種100% エリタージュを飲ませて頂いた時もそうなのですが、このレベルになると美味しいとか好きとか嫌いとかを通り越して、ただただ感動を覚えます。

【参考リンク】
マルセル・ラニョー激レアコニャックのレビュー・感想

めちゃくちゃ贅沢な話ですが、個人的な好みを付けるとすると、やはり最後のラベル無しボトルが最も印象深く、最も重厚かつ複雑、それでいて100年以上経過していると思えないキレイさを兼ね備えており、No.1の評価でした。

コニャック・・・というよりも、「歴史」を飲ませて頂いた夢のような時間でした。素敵な出会いにただただ感謝です。。。

なお、現行品のラニョー・サボラン パラディも目白の田中屋さんや海外の通販では売っているのを見ましたが、国内のAmazonとか楽天とか通販では見かけませんねぇ。45年熟成のフロリレージュまでならまだまだ手に入ります。

その他、この日頂いた珍しいコニャック達は下記リンクより。
2019年新年会で頂いた珍しいコニャック達まとめ

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