コニャックレビュー

デラマン ヴェスパーのレビューと評価

2019年9月7日

今回のレビューはあの「神がかり的な加水」で知られるデラマン(Delamain)より、デラマンXOヴェスパーのレビューです。

こだわりの樽と熟成年数

デラマンはネゴシアンであり、複数の契約農家から原酒を買い取り、それらを熟成させてデラマンコニャックとして出荷しています。

デラマンの拘りポイントとしては、「古樽熟成」と「最低でもXO以上の熟成」が挙げられます。フランソワヴォワイエなどとは対照的に、新樽を使わずに最低で15年程経過した古樽を使って熟成を進めるそうです。新樽を使った強烈なタンニンとは逆に、まろやかなコニャックを目指しています。

それに伴い古樽の良さをいかんなく発揮するため、デラマンのラインナップは最低熟でもXOクラス以上となっており、最も若いラインナップである「デラマンXOペール&ドライ」ですら平均熟成25年となっています。

神がかり的な加水?

こちらの「なぜコニャックは加水を行うのか?」でも書いたとおり、デラマンはフェーブルと呼ばれる蒸留水とコニャックを組み合わせた水を加水に使用しています。

フェーブルとは、蒸留水とコニャックを混ぜ合わせ、何十年か寝かせた液体の事です。デラマンの場合はアルコール度数15%程のフェーブルを使用しています。その液体をトノーという大きな容器に入れて保管しています。

そのフェーブルを8年間にわたり少しずつ加えていきアルコール度数を下げていきます。8年目以降はフェーブルを加えなくても自然にアルコール度数が下がるのを待って、ちょうど40%程度になるように調整を行っているようそうです。そのフェーブルを使用した加水調整のお陰で、アルコールと水がバラバラにならず、風味を損なわないコニャックができるのです。

デラマン ヴェスパーの基本スペック

デラマン ヴェスパー(Delamain Vesper)

  • デラマン ヴェスパー(Delamain Vesper)
  • グランドシャンパーニュ100%
  • アルコール度数:40%
  • 容量:700ml
  • 熟成年数:約35年
  • 輸入元:有限会社ウィック
  • 購入価格:税抜10,750円(2019年8月)

何と35年熟成で驚きの1万円台である。

マジか。

果たしてその真相やいかに?

デラマンヴェスパーのレビュー

では早速グラスに注いで・・・・

デラマンヴェスパーの香り立ち

第一印象はやや薄く、少しアルコール感を感じてしまいますが、香りの方向性としては果実系。最初の印象は南国フルーツでしたが、徐々にカミュなどに近い紅茶系の香り立ちへちと変化していきます。グランドシャンパーニュですが、ジャンフィユーやラニョーサブランといったフローラル系とは少し異なった方向性で、より落ち着いたエレガントな印象を受けます。

デラマンヴェスパーの味わい

結構スパイシーな印象。いうなればスパイシーな果実感。

余韻としてはやや伸びが少ないようにも感じてしまいますが、ほのかなピーチ感が舌に残り、鼻に抜けていきます。

ただ、もし同じ35年熟成のグランドシャンパーニュコニャックと比較してしまうと、どうしても味わいの複雑さ、余韻の長さ共にインパクトは負けてしまう印象。

良い言い方をすると、円やかでおとなしいコニャックですが、特徴的な主張は少ない模様。

うーむどうなんだろう・・・。

35年という先入観があるとこのような感想になってしまいますが、購入価格から考えると非常によくできたコニャックというべきでしょうか。大変生意気な意見ですが。

誤解のないように言いますと、この価格でこのクオリティーは大変すばらしいと思います。

ちなみにこのボトルは2019年現行デザインとは異なり、少し古いやつ。

2019年時点ではデラマンはブランドイメージもパッケージも刷新し、スカイブルーが印象的なコニャックブランドとなりました。

現行デザインのデラマンヴェスパーを海外で調べると、だいたい160ユーロ~180ユーロ(約18,000円~21,000円)で売られている模様。

あまり販売価格のことは言いたくありませんが、このデラマンヴェスパーが2万円をこえてくるとやはり少し割高感を感じざるを得ないというのが正直な印象でもあります。ただ、コニャックは年々値上がり傾向にあるので、いずれ日本市場でもこの価格帯になってしまうのかも。。。

デラマンヴェスパーまとめ

  • フローラル系というよりも果実系
  • 少し経つとカミュの系統に該当する紅茶のような香り立ち
  • 同じ35年熟成のグランドシャンパーニュコニャックと比べるとうややインパクトは薄め
  • この価格帯(1万円前半)であれば大変に良いコニャック

このデラマンヴェスパーはデラマンの中心となるコニャックですが、次のステージであるデラマン トレ ヴェネラブル(50年熟成)やデラマン レゼルヴ ド ラ ファミーユ(55年熟成)と飲み比べた時にどのような感動を味わうことができるか大変楽しみです!

ということで次はデラマン トレ ヴェネラブルだ!!

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