コニャックレビュー

ポールジロー トレラール(35年)国内正規品と海外普及品(ワールドラベル)飲み比べレビュー

2019年11月16日

前回の「コニャック ポールジロー国内正規品と並行輸入品の違いは何?」に引き続き、ジャパンインポートシステムオリジナル版のポールジロートレラールと、海外普及品(ワールドラベル・グリーンラベル)ポールジロー トレラールの飲み比べレビューを行います。

ポールジロー トレラールには輸入元ジャパンインポートシステム専用(日本専用)に独自にボトリングされたものと、海外でも一般に流通している海外普及品の2種類が存在します。海外普及品は「ワールドラベル」や「グリーンラベル」とも呼ばれたりするのですが、記述が長くなるためここでは「海外普及品」で統一します。

この2つの違いって何?という方は、まずは前回の記事をご覧ください。

コニャック ポールジロー国内正規品と並行輸入品の違いは何?

今回の比較ボトル概要

今回のポールジロートレラールはどちらもジャパンインポートシステムが輸入しているものです。

海外普及品はジャパンインポートシステムは輸入していないと思われがちですが、実はちゃんと輸入しています(していました)。ヘリテージ(50年)やヴェイユレゼルヴ(25年)も同様です。

それでは今回のボトル概要です。

ポールジロー トレラール(Paul Giraud Tres Rare)海外普及品

(写真左側のボトル)
グランドシャンパーニュ100%
アルコール度数:40度
容量:700ml
熟成年数:一般的に35年前後
輸入元:(株)ジャパンインポートシステム
購入価格:税込23,600円(2019年10月購入)
現在の価格チェックはコチラから

ポールジロー トレラール(Paul Giraud Tres Rare)ジャパンインポートシステムオリジナル版
2018年ボトリング(限定600本)

(写真右側のボトル)
グランドシャンパーニュ100%
アルコール度数:40度
容量:700ml
熟成年数:実は45年以上
輸入元:(株)ジャパンインポートシステム
購入価格:税込29,150円(2019年10月購入)
現在の価格チェックはコチラから

ちなみに、海外普及品の方は裏ラベルのジャパンインポートシステムの住所が「中央区築地4-6-5」となっています。同社は2016年8月に築地から日本橋へ本社を移転したので、海外普及品の方は2016年以前に輸入されたボトルということになります。

少し輸入年に開きがありますが、

主な違いはブレンドされている原酒・熟成年数、価格です。

その中でも最も大きな違いはやはりジャパンインポートシステムオリジナル版は「 35年表記ですが、実際には全て45年以上の古酒で構成されています。 」ということです。

今一度裏ラベル比較↓

↑海外普及品↑
↑ジャパンインポートシステムオリジナル版↑

ポールジロートレラール 比較:外観

まずは外観上の違い。

これは前回の記事とも内容が被るのですが・・・

まとめるとこんな感じ

 海外普及品JISオリジナル版
外箱木箱箱なし
ボトル形状スリムボトル
(両方同じ)
スリムボトル
(両方同じ)
表ラベルグリーンラベル
ロゴマーク印字あり
Tres Rare以外は活字体
輸入業者印字なし
オリジナルラベル
ロゴマーク印字なし
筆記体割合多め
輸入業者印字
(Imporeted by:JAPAN IMPORT SYSTEM)
裏ラベル日本語説明あり日本語説明あり
「35 Years Old」の表記あり
35年表記ですが、実際には全て45年以上の古酒で構成されています。
の文言あり。

海外普及品の木箱は重厚で好きですが、かさばるのも難点ですね・・・。ちなみにこんな感じで入ってます↓

細部を見てみるとダニエルブージュトレヴィユーの木箱よりも、木のつなぎ目の金具や扉のツメ、角の処理などはしっかりと奇麗に施されています。中身には関係ないですが、意外と気になるところです。

抜栓と色合い

それでは早速抜栓

そして色合いはこんな感じ。

左が海外普及品、右がジャパンインポートシステムオリジナル版です。

色合いとしてはそこまで目視ではほとんど差は感じませんね。

ポールジロートレラール比較:香り立ち・味わい

結論から言ってしまおう。

うん、ぜんっぜん違う。

もはや別物コニャック。

同じ商品名でここまで違うものなのか。

最初は「どうせそんなに変わんないんだろー」とか思っていたのですが、ここまで違うのは正直ビックリしました。

私はジャパンインポートシステムの回しものではありませんが、改めて飲み比べてみると良く分かります。

全てにおいてジャパンインポートシステムオリジナル版の方が高評価である。

そら原酒も異なり、実際には10年ほど熟成年数も長く、値段も3割くらい高価なので、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、これは大変良い飲み比べ材料です。

香り立ち

基本的な方向性としては同じ傾向でもありますが、海外普及品の方はシナモンと牧草感、キンモクセイといった広い大地や草原のイメージが前面に出るのに対し、ジャパンインポートシステムオリジナル版はよりピーチやパッションフルーツなどの南国果実感、イチジクやハチミツといった甘く芳醇な香り立ちを一層感じることができます。

ジャパンインポートシステムオリジナル版の方がアルコールの刺激は少なめで、鼻へのアタックは柔らかい。

どちらも良いのですが、個人的な嗜好からしても香りバリエーションや複雑さは圧倒的にジャパンインポートシステムオリジナル版の方が勝ります。

味わい・余韻

味わいと余韻においても先ほどの香り立ちをそのまま踏襲したようなイメージに近いです。

それに加えて海外普及品の方はオレンジピール、アンズ、少しの黒糖感のあとに少しのスパイス感が程よく残ります。

ジャパンインポートシステムオリジナル版の方はスパイス感というよりもやはりフルーツ感、ハチミツといった要素を多く感じられます。

この撮影場所は家のウッドデッキ

舌に乗る重厚感というかオイリー感としては海外普及品の方がより強く感じることができ、ジャパンインポートシステムオリジナル版の方はもう少し透明感の高い印象があります。

余韻に関しても、いわゆるランシオ香というやつでしょうか、ジャパンインポートシステムオリジナル版の方がドライフルーツやフルーティーな要素がより長く残ります。ここは熟成年数の差がうまく出ていると感じます。

もちろん、どちらも超高品質で素晴らしいコニャックですが、「どちらが飲みたい?」と聞かれると、果実味あふれる香り立ち、複雑な味わい、余韻の長さという観点からも「ジャパンインポートシステムオリジナル版の方」と答えざるをえません。

納得の価格差だった:おすすめのポールジロートレラールは?

今までさほど気にしなかった海外普及品とジャパンインポートシステムオリジナル版のポールジロー トレラールですが、こうやって改めて飲み比べてみるとその違いに驚かされます。

「どうせ値段が高いだけだろ・・・」とか思っていた自分をぶん殴ってあげたい。

同じポールジロー トレラール(Paul Giraud Tres Rare)でありながら、古酒の割合が高く、ブレンドされている原酒も異なり、ここまで味わいに差が出るのであればジャパンインポートシステムオリジナル版の方が2割程高価な価格帯なのも十分納得がいき、説得力のある違いであることを改めて認識しました。

こうなると、値段を気にせず「どっちのポールジロー トレラールがおすすめですか?」と聞かれると私の個人的な回答としては「ジャパンインポートシステムオリジナル版の方ですかね!」と答えになります。

何度も言うように、もうここまでくると同じ商品名でありながらもはや全く別物のコニャックです。

ほんと商品名分けたほうがいいんじゃないでしょうか・・・。

結論!同じポールジロートレラールで選ぶなら・・・

予算に余裕があるならば是非45年以上の原酒がブレンドされているジャパンインポートシステムオリジナル版のポールジロートレラールがおすすめ!!

(まんまやんか)

もちろん、それぞれに良い面があるので、あくまでも私の意見ということを改めて詫びておきます。

ということで、バーなどでポールジロートレラールを頼んでみる際は、海外普及品なのか、ジャパンインポートシステムオリジナル版の方なのか少し意識しながら注文してみたり飲んでみたり、飲み比べてみたりするとより面白いポールジロー体験ができるのではないでしょうか^^

ポールジロー35年 [ ブランデー 700ml ]

ポールジロー35年 [ ブランデー 700ml ]

32,800円(03/27 19:31時点)
Amazonの情報を掲載しています

-コニャックレビュー
-, ,

Copyright© Brandy Daddy -ブランデーダディ- , 2024 All Rights Reserved.