コニャックレビュー

グランドシャンパーニュの鉄板コニャック「ジャンフィユー レゼルヴ ファミリアル」のレビュー

今回のレビューはジャンフィユー レゼルヴファミリアル(Jean Fillioux Réserve Familiale)です。

もはや改めて言及するまでもないように感じるグランドシャンパーニュの長熟コニャックとして鉄板中の鉄板。

私イチオシのポールジロー ヘリテージやフランソワヴォワイ エ エクストラと並ぶ「予算3万円ならとりあえず買っておいて間違いなし」のおよそ50年熟成コニャックです。

私自身このボトルを買うのは実は3本目。2本目が空いてしばらく買っていなかったので随分と期間が空いてしまいました。長塾コニャック比較記事などで度々登場したこのジャンフィユー レゼルヴファミリアルですが、開封直後を記事に書くのは初めてですね。

ということで改めて見て参りましょう。

ジャンフィユー(Jean Fillioux)のコニャックとは

まずは最初にジャンフィユーって何ぞ?という方のために少しこのブランドの説明をば。

ジャンフィユーは原料となる葡萄の栽培から収穫、蒸留、熟成、ボトリングまで全て自社で行っているコニャックブランドです。全ての工程を一貫して自社で行う、いわゆるプロプリエテールと呼ばれる小規模生産者のひとつです。

ジャンフィユー(Jean Fillioux)という名前はこのコニャックブランドを作っているFillioux一家の先代の当主のお名前です。現当主はその息子にあたるクリストフ フィユー氏です。

ジャンフィユーの公式サイトはコチラから

ジャンフィユーは自社も畑も、大変華やかで高品質なコニャックが造られる代表エリア「グランドシャンパーニュ」地区に25ha程の畑を所有しており、そこで原料となる葡萄を栽培しています。ています。

最高の生産者が集まる街「スゴンザック(Segonzac)」より少し離れたJuillac-le-Coq(ジュイヤックルコック)という場所にジャンフィユーは位置します。

↓ジャンフィユーの場所はコチラ↓

若いコニャックから長塾のコニャックまで幅広く高品位なコニャック生産者として日本国内でも大きな人気を誇ります。

コニャックエデュケーターの鯉沼康泰氏がジャンフィユー家と一緒に日本市場向けに樽を厳選しボトリングした「ジャンフィユー CFシリーズ」もありますね。私も大好きです。

参考記事
ジャン フィユー新作コニャック CF35 / CF40 / CF50レビュー①
ジャン フィユー新作コニャック CF35 / CF40 / CF50レビュー②:テイスティング編

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルの基本スペック

さて、そんなこんなでコニャックファンの間では大変人気のあるジャンフィユー。

「CFシリーズ」は日本市場オンリーですが、今回のレゼルヴファミリアルは世界各国にも流通しているジャンフィユーのフラッグシップボトルの一つです。

熟成年数50年以上の原酒のみがブレンドされているという長期熟成コニャック。

まずはその基本的なスペックを見てみましょう。

ジャンフィユー レゼルヴファミリアル
Jean Fillioux Réserve Familiale

熟成年数:50年以上
生産域:グランドシャンパーニュ
アルコール度数:40%
容量:700ml
輸入業者:(株)ウィック
購入価格:税込24,500円(2021年1月時点)

長期熟成ということで、コニャックの価格帯としては高い部類に入りますが、ウイスキーで考えると「50年以上のブレンドでこの価格で買えていいの??」という信じられないくらい「お買い得」な価格です。

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルの外観

せっかくフラッグシップボトルなので、中身以外の外観も見て参りましょう。

外箱は少し光沢のある落ち着いた濃い青。箱にはエンボス加工が施されており高級感もあります。

箱を開けるとこんな感じの観音開き。

ボトルはスタンダードなスリムボトルです。シンプルイズザベスト。

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルをテイスティング

それでは早速ペリペリと開封。コルクを開けて参ります。

香り立ち

コルクを開けた瞬間から立ち上がる華やかな香り。

グラスに注ぐとあたり一面がこのレゼルヴファミリアルの香りで満たされます。

ジャンフィユーに特徴的な百合や西洋スミレを連想させるお花系の香りと、オレンジ柑橘系の甘いアロマが幸せを運んでくれます。

少しバラのような優雅な香りもチラホラと。

時間が経つにつれ、桃やスモモ、洋ナシといったフルーツの香りが顔を出し始めます。そこに時折現れるトリュフやヘーゼルナッツといった役者が程よい熟成感をもたらします。

華やかなグランドシャンパーニュの特徴と、落ち着いた熟成感がうまくバランスの取れた心地よい香り立ちです。

抜栓直後ですが、これはやはり秀逸と言わざるを得ません。

味わいと余韻

ビターチョコレートとドライオレンジが完全に調和した甘くとろける感覚と、フルーティーさが何十にも変化するこの面白さ。

その他に蜂蜜やキャラメルといった要素が舌にゆっくりとまとわりつく独特のオイリーさ。杏子やプルーンといった果物も顔を出します。

鼻抜けは桃やパッションフルーツといった南国系の香味も残りつつ、意外とドッシリとした低木のような塾生香が長く抜けていき、十分に余韻を楽しむことができます。

全体的な味わいとしてはかなり重厚感がある方で、激しく花開くランシオ香爆発というよりも落ち着いて50年の重みをしっかりと味わうような楽しみ方です。

50年熟成をしっかりとかんじさせる濃厚で複雑な変化を十分に楽しむことができます。

ジャンフィユーCF50との比較

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルの比較対象として外せないのはやはりジャンフィユーCF50です。

このジャンフィユーCF50は先述した通りコニャックエデュケーターの鯉沼氏が日本市場向けにボトリングしたシリーズ。CFはジャンフィユー現当主のクリストフ・フィユー氏のイニシャルを指します。

このCF50もその名の通りおよそ50年熟成の長熟コニャックです。

見た目上のスペックとしては似ているこのボトルですが、飲み比べてみると面白いくらいに違いが分かります。

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルの落ち着いた印象に対して、CF50の方は明らかに南国フルーツ・オレンジ系のランシオ爆発系長熟コニャックという印象があります。

レゼルヴファミリアルが蜂蜜、チョコレートといった印象を強く残すのに対し、余韻に置いても全く異なるCF50。

重厚感があり落ち着いたコニャックが好みであればジャンフィユー レゼルヴファミリアル。圧倒的南国フルーツ炸裂系の味わいを求めるのであればジャンフィユーCF50という選択肢になります。

そのくらい同ブランドで同じくらいの熟成であっても異なるこの2本。

価格帯としてはCF50の方が500mlで小売価格28,000円くらいなので比較するとかなり高めの部類に入りますが、さすがというところ。

この辺は好みと予算次第で選んでいただきたい。

ジャンフィユー レゼルヴファミリアルまとめ

めちゃくちゃ派手な味わいではないものの、独特の落ち着きと重厚感が味わえるジャンフィユー レゼルヴファミリアル。

このコニャックは「ちょっといいグランドシャンパーニュコニャックを初めて飲んでみたい」という方にも十分におすすめできる鉄板コニャックということは間違いないとは思います。

私の中で熟成年数45~50年程で25,000円~30,000円前後のグランドシャンパーニュコニャックとして外せないこの4本。

ポールジロー ヘリテージ

フランソワヴォワイエ エクストラ

ラニョーサボラン フロリレージュ

そしてこのジャンフィユー レゼルヴファミリアル

この辺はもう定番の4大巨頭ですね。

それぞれ特徴が異なりますが、どれも外さない一級品ですのでかなり贅沢ですがバーなど飲み比べできる機会があれば是非お試し下さい。(あとは財布との相談だな)

ということで改めてジャンフィユー レゼルヴファミリアルのレビューでした。

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