コニャックレビュー

ラニョーサボラン フォンヴィエイユ35年のレビューとフロリレージュ比較

2021年6月12日

今回レビューを行うのはグランドシャンパーニュコニャックの中でも有名な(?)作り手であるラニョーサボラン。その中でも約35年の熟成を経てリリースされる『ラニョーサボラン フォンヴィエイユ No35』です。

当サイトでも度々登場し、私も大好きなコニャックの一つ。実は我が家に迎え入れるのは3本目となるのですが、実はフォンヴィエイユのレビューを書くのは初めてとなります。そしてこれのもう一つ上の45年熟成「ラニョーサボラン フロリレージュ」との比較も行って参ります。

ラニョーサボランの今

ラニョーラボランは1850年にガストン・ブリアン氏によってブドウ農園を開園され、その後コニャック作りが始まりました。初代当主は女性のドーズさんとう方でした。ドーズさんの旦那さんはマルセル・ラニョーという名前。最初はその名前から「マルセル・ラニョー」というブランド名でした。その後、2代目当主の女性アニーさんが受け継ぎ、その旦那であるサボラン氏の名前から現在の「ラニョー・サボラン」となったそうです。

公式サイトはコチラ

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現在は蒸留を委託?からの買収?

ラニョーサボランはこれまで原料となる葡萄の栽培から蒸留、熟成、ボトリングまでを一貫して行う家族経営農家「プロプリエテール」として日本国内でも有名な存在でした。

しかしながら、現在は基本的に自社での蒸留は行っておらず、蒸留は外部に委託している状況となっているようです。これは少なくとも2017年の蒸留時にはそのような話が私の耳に入ってきました。2017年当時コニャックに行った知人からそのような状況を伺い、その時点で既に蒸留器は動いていない状態でした。ラニョーサボランによると「今は蒸留を委託している」とポロっと。その時にはまだ「ナイショ」な状態でしたが、何か今はある程度周知の事となっているようなので特に隠す必要もないでしょう。

ただ、ラニョーサボランに関しては様々な噂が飛び交っているのも事実で、ぶっちゃけ正確な状況を私も知らない。なのであくまでも「らしい」という提で書くのですが・・・

2017、2018年あたりに蒸留を委託していたのは同じくコニャック生産者として有名で規模的にも比較的大きい「ピエールフェラン」だったとのこと。そしてこれは2020年2月にラニョーサボランとも比較的親しい現地の生産者に私が直接伺った話なのですが、ラニョーサボランはアメリカ系列の会社が買収予定とのこと。これは明確な証拠があるわけではないので、あまりこういう事を流布するのは良くないことなのかもしれません。しかしある程度信ぴょう性の高い話の経緯と、火のない所に煙は立たぬということもあり、私はわりと近い将来(というか既に)「プロプリエテール」コニャック生産者としてのラニョーサボランは存在しなくなると考えています。

ということで今後十数年後のラニョーサボランのコニャックがどうなっているかは定かではありませんが、おそらく今我々が飲んでいるラニョーサボランとは全く別物になる可能性は否定できません。

※もし間違っていたらごめんなさい。「今はこうだよ」を正確に知っている人がいたらお問合せフォームから教えて頂けると幸いです。

とりあえず今は昔のまま

そうは言っても、現在国内および世界に流通しているラニョーサボランのコニャック、特に今回のラニョーサボラン フォンヴィエイユ35年は少なくとも蒸留ふくめ全過程を自社で行っていた時代のコニャックです。2021年今現在私達が手にする事ができるラニョーサボランは紛れもなく世間が求めるプロプリエテールコニャックなので存分に楽しんで貰えることは間違いないと思います。

ラニョーサボラン フォンヴィエイユNo35の概要

ラニョーサボラン フォンヴィエイユ No35
Ragnaud Sabourin Fontevieille No. 35

容量:700ml
アルコール度数:43%
熟成年数:約35年
規格:グランドシャンパーニュ100%
原料:ユニブランおよびフォルブランシュ・コロンバール
輸入業者:有限会社スリーリバース(正規品)
購入価格:税込18,000円(2021年5月購入)

No35という名前からも分かるように、熟成年数はおよそ35年のコニャックです。

ラニョーサボランフォンヴィエイユに使われているブドウ品種はユニブラン100%と思われがちですが、実は少量のフォルブランシュとコロンバールも使用されています。

ちなみに、現在流通しているもう一つ上のフロリレージュ45年はユニブラン60%、フォルブランシュ40%の構成となっています。

正規品と並行輸入品?

現在、日本国内に流通しているラニョーサボランには正規代理店であるスリーリバースが輸入しているものと、有限会社ウィックが輸入している並行輸入品の2通りが存在します。並行輸入品の方が価格的には1~2割ほど安い傾向があります。

ラニョーサボランはジャパンインポートシステムが輸入しているポールジローのようにブレンドが異なる「日本市場向け」のボトルが存在しているわけではありません。基本的に正規品も並行品も中身は同じコニャックです。なので「なるべく安いほうを」ということであれば並行輸入品を買っても特に違いがあるわけではありません。

しかし並行輸入品のデメリットとしては、流通経路と保管状態が明らかではないところです。並行輸入品は主にシンガポールやタイのバンコクなどで一度海外の並行輸入業者によって卸されたボトルを国内に仕入れます。直輸入の正規品と違って、明確な流通経路、保管状況(保管温度や屋内・屋外など)が追跡しづらいのが難点です。日本国内に入ってからはしっかりと保管されている場合が多いと思いますが、不安要素としては国外での保管状況が一番あるかもしれません。

ラニョーサボランに関して正規品と並行品どちらを買うかの判断基準としては、シンプルに品質を気にする人は正規品、価格を優先したい人は並行品ということで良いと思います。たまにネット通販では正規品か並行品か明記されていない所もあるので、気になる方は正規品か並行品か問合せてみましょう。今回は一応ちゃんとレビューを行うために私は正規品の方を購入しました。ちなみに今回私が買ったフォンヴィエイユは2019年ボトリングのものとのことです。

ラニョーサボラン フォンヴィエイユ35年の香り

さて、色々書きましたが、早速今回のラニョーサボラン フォンヴィエイユ35年の香り立ちを見て行きましょう。

このフォンヴィエイユは正にグランドシャンパーニュを代表する華やかさを持っているコニャックと言ってもいいかもしれません。

素直に感じるのは、桃、洋ナシといったフルーツ。

そして蜂蜜のような甘い香り。時たま香西洋スミレのフローラルさ。

そして日本人だけが感じられる、一瞬だけぬか漬けのような酸を感じさせる香り立ちが特徴的です。

全体的にはグランドシャンパーニュ産コニャックに特有なフルーティーさが良く感じられるコニャックといっていいと思います。

味わいと余韻

ブドウから作られているお酒に対しこういう表現は凄くバカっぽいかもしれませんが、素直にブドウです(笑)。まず皮をむきたてのブドウ。ブドウ畑が目の前に広がります。

その後に感じるオレンジ、ドライレーズンとイチジク。最後の方にほんのり感じる白コショウのスパイス感と樽の香り。

35年というグランドシャンパーニュが最も華開くタイミングにボトリングされたコニャックならではの特徴です。

素直に美味しい。

フロリレージュ45年との比較

ここで最も気になる比較対象は同じくラニョーサボランのフラッグシップボトルともいっていい「フロリレージュ45年」です。我が家にあるフロリレージュと早速比較してみます。

右がフロリレージュ

改めてこのフォンヴィエイユ35年とフロリレージュ45年を並べて飲み比べてみると、単純に10年の熟成差とは思えない程のキャラクターの違いがあり大変面白いものとなりました。

まず、フォンヴィエイユには存在しなかったフロリレージュの顕著な特徴として下記のような要素が挙げられます。

  • 実はフロリレージュの方が落ち着いた香味
  • お花感が強いのはフロリレージュ
  • 落葉や革のようなニュアンスが強く感じられる
  • バニラ、ダークチョコ、アプリコット
  • 余韻と鼻抜けでピーチ、オレンジ系のランシオが出る

フォンヴィエイユ35年がまだまだ元気で全長期のグランドシャンパーニュコニャックとするとフロリレージュ45年は少し落ち着いて冷静さを持ったコニャックというところでしょうか。

季節感でいうとフォンヴィエイユが春~夏、そしてフロリレージュは秋という印象です。

左がフォンヴィエイユ、右がフロリレージュ

明かにフォンヴィエイユ35年よりも円熟した、良い感じの渋みは感じることができるのですが、この良し悪しはコニャックの本来の良し悪しというよりも完全に飲み手が求めるものによって異なる香り立ちと味わいだと感じます。

シンプルに表現するのであれば

  • フルーティーさと蜂蜜感を求めるのであればフォンヴィエイユ
  • 熟成感とほどよい樽感を求めるのであればフロリレージュ

です。

個人的にはグランドシャンパーニュ特有の華やかさとフルーツ感を求めるのであればフォンヴィエイユに軍配が上がると感じます。

名前は伏せますが、以前、前述したラニョーサボランと親しいコニャック生産者とバーで飲んだ時に彼はこう言っていました。

「私はフォンヴィエイユの方が好きだ。フロリレージュは何だろう・・・Too machだ。」

改めて飲み比べてみると彼の言わんとすることが分かるような気がします。彼の言うToo machはフォンヴィエイユと比較した際にフロリレージュに対して強く感じてしまうタンニン感だったのかもしれません。彼の求めるグランドシャンパーニュコニャックの華やかさはフォンヴィエイユの方がマッチしていたということです。

もちろん、これは彼の好みであり、フロリレージュが悪くてフォンヴィエイユが良いというわけではありません。しかし、フォンヴィエイユとフロリレージュの間に大きな違いがあることは、この2つを並べて飲み比べってみると明らかです。

私の場合はどちらも好きなのですが、この両者で特徴が大きくことなるため同じブランドのコニャックで飲み分けができるというのは嬉しいことです。個人的に寝る前に飲みたいのは・・・フォンヴィエイユかなという気がします。

ラニョーサボラン フォンヴィエイユフロリレージュを迷った際の参考になれば幸いです^^

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