今回は前回のフランソワ・ペイロー1958に引き続き、フランソワ・ペイローLot.62のレビューです。その後ヴィンテージ違いの1958との比較も行って参ります。
その違いやいかに?
前回の記事
→フランソワ・ペイロー ヘリテージ 1958のレビュー:グランドシャンパーニュのヴィンテージコニャック
フランソワ・ペイローの基本情報などに関しては前回のページをご覧ください。
フランソワ・ペイローLot.62の基本スペック
生産域:グランドシャンパーニュ100%
原料:ユニブラン・コロンバール
熟成年数:約50年
アルコール度数:42%(加水なし)
容量:720ml
輸入元:ボリニジャパン株式会社
購入価格:税込21,980円(2022年2月)
ちなみにこのLot.62とは1962年蒸留であることを示します。
樽に蝋封をするなどのコニャックAOCの規定に従ったヴィンテージ管理には準拠していないので西暦表示ができないのですが、下2桁を取って蒸留年を表しています。
また前回の1958は樽熟成約45年でディミジョン(コニャック保管用のガラス瓶)に移されているのですが、こちらのLot.62は樽熟成期間自体は1958よりも長めでおよそ50年・・・という話を聞いたのですが、ソースが不確で確実ではないので「おそらくそんな感じ」くらいに思っておいてください。
ちなみに今回のレビューは抜栓直後ではなく抜栓して2週間後くらいの状態です。程よく空気には触れている感じ。
フランソワ・ペイローLot.62の香り立ち
グラスに注ぐとややアルコール感は残るものの、酸味のある香り立ちが印象に残ります。
プラムやプルーンなど中心とした少し酸っぱい系の果実という所です。
その後はシナモン、クローヴといったスパイス感がかなり強め。かなりグラスに近づけて嗅ぐとどこかお線香のようなスモーキーな香りも立ち込めます。
ステータス的にはウッディやフローラルというよりもスパイシーに振り切った香り立ちです。
その間にほんのり、本当にほんのりとキャラメルの甘い香りとリンゴが顔を出します。
マンゴーやバナナといった甘い南国フルーツ系の要素は少ない印象です。
フランソワ・ペイローLot.62の味わい
白コショウ、生姜といったスパイス感はやはり健在。結構刺激的。
その後口の中にはほんのりオレンジの香味が漂います。そこはグランドシャンパーニュの華やかさに共通している部分があります。
複雑性でいうとやや単調ではあるものの、アタックは強め。印象は強く残るかもしれません。
余韻としては今度はかなりオーキー。50年熟成のグランドシャンパーニュということを考えるとやはり少し短い感は否めません。
香りに引き続き味わいもスパイシー特化型の個性を持ったコニャックというい所でしょうか。
フランソワ・ペイローLot.62と1958との比較
さっきからスパイシースパイシー言って頭悪そうですが、今回のLot.62と前回の1958を比較すると今回のLot.62の方が圧倒的にスパイシー。(また言ってる
1958を単体で飲んだ時も割と淡麗で平坦な印象はあったのですが、改めて比べると1958の方がかなりキャラメル感がありオイリーさもあります。
今回のLot62の方がキレッキレでより辛口。悪い意味でのトゲトゲしいという感じではないのですが、明らかにLot.62の方が「刺さる」コニャックです。
ただ他の50年熟成くらいのグランドシャンパーニュコニャック、例えばジャンフィユー レゼルヴファミリアルやフランソワ・ヴォワイエ エクストラ等と比較した場合、やはり全体的にフランソワ・ペイロー ヘリテージに共通する特徴としてフルーツ感や爆発するランシオなどの要素は少な目の辛口コニャックというのは個性として顕著に出ますね。
ウッディさはダニエルブージュの方が上ですが、キレの良さでいうとフランソワ・ペイローの方がよりキレがある。
輸入元説明では1958に「辛口」という表現を使っていましたが、こっちのLot.62の方がより辛口。
今後もフランソワ・ペイロー ヘリテージのヴィンテージシリーズは年毎にリリースされると思いますので、次のロットもどのような変化が訪れるのか楽しみに待ちたいと思います。