コニャックレビュー

ボルドリ100%コニャック Cognac Expert L'ESSENTIEL Giboinのレビュー

2021年12月25日

今回レビューを行うのは、コニャックの海外オンラインショップCognac Expertがコニャック生産者とコラボしてリリースするオリジナルボトルコニャック「L'ESSENTIEL」シリーズより。今回はGiboin(ジボアン)とのコラボで、ボルドリ100%コニャックです。2022年年明けからの販売になるそうです。

先行してCognac Expertの代表であるMaxから個人的に私宛に小瓶でサンプルが送られてきたので早速頂いてみようと思います^^

小瓶サンプルでフランスから送ってくれました

生産者はGiboin Cognac

このL'ESSENTIELシリーズはCognac Expertの主要メンバーがコニャックの生産者とコラボして樽詰めしたものです。年に数回リリースが行われています。

過去のリリースボトルには下記の数々の一級生産者とのコラボボトルがあります。

今回のコラボ先は、ボルドリとファンボアに24ヘクタールの自社畑を持つコニャック生産者「Giboin Cognac」。家族経営の小規模生産者で原料となるブドウの栽培から発酵、蒸留、熟成、瓶詰まで一貫して自社で行うプロプリエテールです。

Cognac Gibpinオフィシャルサイト

L'ESSENTIEL Giboinの基本スペック

まずは今回のサンプルでもらったボトルの基本情報を記載します。今回はコニャックファン向けにCognac Expertが詰めたボトルということだけあって、どういったボトルなのか割と詳細な情報が公表されています。

L'ESSENTIEL Gibion

ラベルはこれ↑になる予定

生産者:Gibion(ジボアン)
生産域:ボルドリ100%
地質:ペイ・バ地域(石膏質の下層土の上に60~70cmの黒い粘土質の土があるやや湿った土地)
ブドウ品種:ユニブラン100%
アルコール度数:46.5%
ボトリング数:100本限定

ヴィンテージブレンド比率
2002年16%、2005年42%、2009年42%

各ヴィンテージに使用されている樽
2002年:新樽期間不明。50Lの小さなオーク樽にて熟成(詳細不明)
2005年:新樽期間12ヶ月、その後30年程使用した600Lの古樽で熟成
2009年:新樽期間12ヶ月、その後8~10年使用した400Lの古樽の熟成

ブレンドと加水タイミング
上記3ヴィンテージが2021年3月23日に上記比率にてブレンド。その後保管用の樽(D103)に移し替えられる。同タイミングにてアルコール度数47%~48%になるまで少し調整加水。
2021年9月にアルコール度数46.5%に最終調整。

熟成庫の環境:湿度高め
その他:ノンキャラメル、ノンシュガー、ノンチルフィルタード

L'ESSENTIEL Gibionの香り立ち

最初に拾ったのはイチジクっぽさ。その後少し紫蘇。(これは日本人にしかわからんかも)

ボルドリらしくお花の香り・・・ラベンダーっぽさは少し感じることができるのと、ちゃんと紅茶感は出ている。ダージリンだ。

それ以上にスパイス感がとても強いです。

シナモン、アニスを中心とし、ほんのり白コショウがのっかる感じです。あと少々のハーブ。

そのほかしばらく経つと湿った木、おがくず・・・革・・・といったスパイス系コニャックに通じる香り立ちをよく拾うことができます。

あと何だろう・・・白出汁・・・とか。笑

L'ESSENTIEL Gibionの味わい

割とスパイシー。

香りで感じたスパイス感の後にほんのり感じる焼いたキャラメル、ビターチョコレート。

鼻抜けに枯れた木の葉がたくさんある森の中を歩いている時のような感覚があります。

ボルドリに感じることの多いフローラルさ、フルーツ感はかなり控えめ。

これは「ボルドリってこんなものだ」と指標がある人ならば尚更感じます。国内でも入手しやすいボルドリ100%であるオルドノーコニャックやカミュボルドリーXOカミュボルドリーVSOPなどを基準にしてテイスティングすると明らかにスパイシー、ウッディな方向性にステータスが振られているボルドリコニャックです。

L'ESSENTIEL Gibionまとめ

先述したようにこれまで私の中にあったフローラルで紅茶感のあるボルドリコニャックとは一線を画すコニャック。

割とキーとなっているのはブレンドされている謎の多い2002年ヴィンテージだと思います。50Lの小樽熟成はかなり樽感が効きスパイシーかつウッディな仕上がりとなるはずです。この2002年ヴィンテージが一つのアクセントなっているのですが、これは捉え方によってはポジティブに捉える人もいれば、一般的なボルドリコニャックのイメージからは少し離れた変わり種としてネガティブに捉える人もいるかもしれません。

とは言っても熟成年数的には平均して約16年程と比較的若い分類のコニャックに入ります。16年前後でボルドリコニャックの全盛期のようなフローラルさを出すのは難しいと思いますので「若さゆえのスパイシーさ」と捉えましょう。

逆に言うと、香り立ちにおいてはフローラルさはちゃんといるし、味わいにも紅茶感はしっかりと感じつつも、ファンボアコニャックに見られるようなスパイス感と樽由来のウッディさを掛け合わせた珍しさを味わえるユニークなコニャックであると考えた方が面白いですね。コニャックとしての完成度自体は高いですよ。

今回比較的若いボルドリコニャックのヴィンテージブレンドという珍しいボトルをリリースするCoganc Expert。ボトリング数も限定100本という少ないリリースになりますので早いタイミングで売り切れになってしまいそうですが、各国のコニャックファンがどのような感想を抱くのは私自身も興味深々です。

これまで数多くの生産者とのコラボを果たしてきたCognac ExpertのL'ESSENTIELシリーズ。おそらく今後も 新発見が多くあるシリーズになるかと思いますので、これから先の展開にも期待が高まります。

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