コニャックレビュー

ジャンフィユーXO グランレゼルヴのレビュー・評価

2022年3月21日

今回のコニャックはグランドシャンパーニュ地区の優良生産者ジャンフィユーより「ジャンフィユー XO グランレゼルヴ」(Jean Fillioux XO Grande Reserve )です。

このジャンフィユーXOグランレゼルヴはここ最近(これ書いてるのは2022年3月)日本に輸入されてきたもので、ジャンフィユーのラインナップとしては2018年あたりに新しく加わったコニャックラインナップです。

トレヴィユーとの違い

左がトレヴィユー。右が今回のXOグランレゼルヴ

このジャンフィユーXOグランレゼルヴと似たラインナップにジャンフィユーの定番商品「ジャンフィユー トレヴィユー XO EXTRA」があります。こちらは昔はXO EXTRAの表記は無かったのですが、ここ数年でXO EXTRAの表記が加わりました。

参考記事
ジャンフィユートレヴィユーのレビュー

ということで、ジャンフィユーのXOには先述の「ジャンフィユー トレヴィユー XO EXTRA」と今回の「ジャンフィユー XO グランレゼルヴ」の2種類が存在しています。基本スペックは後述しますが、熟成年数としては今回のXOグランレゼルヴの方がやや上となっており、価格も少しだけXOグランレゼルヴの方が高いです。

私もジャンフィユーのコニャックは大好きなのですが、このXOグランレゼルヴは飲んだことありませんでした。今回フルボトル購入で初テイスティングとなります。

ジャンフィユー XO グランレゼルヴの基本スペック

国内のサイトには熟成年数等の細かな情報は出てきませんが、一応Cognac Expertの商品詳細に少しヒントが記載されていたのでその情報を基にすると、このジャンフィユー XOグランレゼルヴは最低熟成年数30年とのことです。

もちろんシングルヴィンテージ・シングルカスクではないのでジャンフィユーが持つ様々な原酒がブレンドされているのですが、そのブレンドされている原酒の最低熟成が30年以上ということです。ジャンフィユー トレヴィユーXO EXTRAの熟成年数がおよそ25年くらいのものがブレンドされている言われていますので、それよりも5年程熟成の進んだコニャックがブレンドされていることになります。

それでは改めて基本情報を。

ジャンフィユー XO グランレゼルヴ

容量:700ml
アルコール度数:44%
熟成年数:最低熟成30年以上のブレンド(と言われている)
規格:グランドシャンパーニュ100%
輸入業者:有限会社ウィック
購入価格:税込11,150円 円(2022年3月購入)

またアルコール度数は44%となっていますので40%が主流のコニャックの中でもやや度数高めです。

ジャンフィユーに限ったことではないのですが、ここ数年新たにリリースされるコニャックはアルコール度数40%を意図的に超えるものが多いような気がします。いや、シングルカスクやシングルヴィンテージならばカスクストレンクスだったり度数高めで出すのは分かるのですが、そうではない通常ラインナップで加水ありのブレンドコニャックでも42%や44%といった「40%よりちょい高め」なコニャックをよく見かけます。特に当主が代替わりしたブランドや新興ブランドなどに多いような気がします。

コニャック業界全体的にウイスキーファンを意識した商品作りというのもあるかもしれませんが、コニャックとして最適と思われるアルコール度数の見方が変わりつつあるようにも思えます。この流れが今後どうなっていくのか私としては注目していきたいところです。

ジャンフィユーXO グランレゼルヴの香り

まず最初にグランドシャンパーニュ特有のオレンジ系の華やかな香り、それに加えてレモンのような酸味のある香り立ちがちゃんと感じられます。

その後にピーチ、アプリコットと続く甘いフルーツ系の香り立ち。

グラスに注いで数分すると次はほのかにリンゴ・・・蜂蜜・・・うーん、特にリンゴの蜜、そしてアップルパイのような香り立ちを楽しむことができます。

最後に少しアクセントとしてシナモンでしょうか。

予想以上に複雑で良い香り立ち。後述しますがジャンフィユー トレヴィユーとは全くことなるアロマです。

ジャンフィユーXO グランレゼルヴの味わい

オレンジショコラ。うん、完全にオレンジとチョコレートの組み合わせを彷彿とさせる要素が舌の上に広がります。

アルコール度数44%というこもあり、最初のアタック・・・というかアルコール的な刺激は普通の40%コニャックと比べてややピリッと感があるかもしれません。

樽感はやや強く、アニスのようなスパイシーさ、そしてほんのりタバコの葉やオーキーさを残します。そのオーキーさを感じた後に余韻としてはドライアプリコットの乾いた果実感が比較的長く続きます。

グランドシャンパーニュの柑橘系フルーティーさと、あまり他のグランドシャンパーニュコニャックには感じないスパイス感が共存した不思議な味わい。

ジャンフィユートレヴィユーXO EXTRAとの比較

結論から言うと、ジャンフィユー トレヴィユーのウッディさを除外し、スパイシーさと果実味溢れる香味に仕上げたコニャックのように感じられます。

トレヴィユーの方は果実味はもちろんありましたが、それに加えてチョコレートのような濃厚さとウッディさが特徴でした。しかし今回のXO グランレゼルヴは全くと言っていいほど異なるキャラクター。

ジャンフィユーCF30やCF35と比較するとそこまでクリアではありません(XO グランレゼルヴの方が重い)が、トレヴィユーをよりスパイシーかつ、果実味要素をプラスした進化系と言えるかもしれません。

逆に言うと重厚感という意味ではトレヴィユーの方が今回のXOグランレゼルヴよりも多く感じることができます。より濃厚さを求めるならトレヴィユー、よりスパイシーさとフルーティーさを求めるならXOグランレゼルヴかなという気がしますね。

「グランドシャンパーニュの華やかさ」という点では今回のXOグランレゼルヴの方が素直にオレンジ系の香味を感じることができるので分かりやすいかもしれません。

アルコール度数44%ということもあって、口に含んだ最初の感じは少しピリッとする感じ・・・これをスパイシーと捉えるかアルコール感と捉えるかは分かれそうですが、少し刺激的に感じます。後半はそのアルコール度数が華やかさを押すことになっているのかも。そこまで計算された44%という度数であればこれは納得。

トレヴィユーはジャンフィユーの先代当主から続くクラシックラインナップとして不動の位置を確立していますが、このXOグランレゼルヴは現当主のクリストフフィユー氏に代替わりしてからの商品ということもあり、かなり個性が異なります。より華やかにインパクト強く仕上げようという方向性を感じることができます。

トレヴィユー、XO グランレゼルヴ共に大変ポテンシャルの高いコニャックです。ジャンフィユーのフラッグシップの一つであるジャンフィユー レゼルヴファミリアルと比較すると果実要素がより強いXOグランレゼルヴの方がレゼルヴファミリアルに近い形・・・といってもいいかもしれません。

ジャンフィユー トレヴィユーとXOグランレゼルヴの価格差は約2000円~3000円ほど。この違いをどう捉えるかですが、全く違う方向性のコニャックなので飲み比べてみるのは大変面白いですね。

今のところ私の好みとしては今回のXOグランレゼルヴが大当たりかな!!トレヴィユーに代わるジャンフィユーの定番として常飲することになるかもしれません。

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