コニャックレビュー

コニャック ピエールリュカXO オリジンのレビュー・感想

今回見ていくブランデーはコニャック「ピエールリュカXO オリジン」!

以前レビューしたピエールリュカXOメモワールは私の中で相変わらず高評価であったので今回のオリジンにも期待です。

参考記事
ピエールリュカXOメモワールのレビュー

ピエールリュカXOオリジンの基本情報

ピエールリュカのXOにはこのオリジンとメモワールが存在しますが、メモワールの方が熟成年数は上。
このオリジンはVSOPとXOメモワールの中間あたりのレンジになります。

アルコール度数:40%
生産域:ブレンド
ブドウ品種:ユニブラン95%・フォルブランシュ+コロンバール5%
熟成年数:平均18年
容量:700ml
輸入元:有限会社八重洲長谷川酒食店
購入価格:税込12,350円 (2025年1月購入)

ピエールリュカXOオリジンの香り立ち

立ち上がりにアルコールの刺激がやや感じられるが、すぐに白い花やアーモンドブロッサムといった繊細なフローラルノートが開きはじめる。

カモミールのような穏やかなハーバルアロマと、軽くローストされたナッツのオイリーな側面が重なり、香りに奥行きを与えている。

プルーンの落ち着いたドライフルーツのニュアンスが中盤から現れ、やや若々しい原酒構成を思わせるフレッシュな印象を残す。

ピエールリュカXOオリジンの味わい

アタックはドライオレンジの凝縮感とともに始まり、明確な果実味とともに軽快な清涼感が口中を支配する。ややピリッとする感じはありますが、軽やかで透明感があり、フローラルなトップノートと調和する。

鼻を抜ける際にはクミンを想起させる繊細なスパイス感が立ち上がり、熟成感よりも原料由来の香味構造が中心。樽由来のバニラやウッディさはほとんど主張せず、あくまでも軽快でクリーンな仕上がりとなっている。

ピエールリュカXOオリジンの余韻

余韻は中程度で、ドライオレンジの皮を思わせるほのかなビターさと、スパイスのニュアンスが穏やかに残る。

若さを感じさせるキレのよい後味が特徴で、再びグラスに手を伸ばしたくなる余韻を残す。

ピエールリュカXOオリジンまとめ

XOメモワールが割とカレースパイスのような余韻を残すのに対し、こちらのXOオリジンは全く方向性が異なり全体的にフローラルさが印象にのこるコニャック。

XOオリジンとXOメモワールの平均熟成年数の差は約7年。そのためXOオリジンの延長線上にXOメモワールがあるのかと思っていたが、そういうわけでは無いという印象です。

XOオリジンの方がもちろん若いが故のフローラルさがあり、イメージとしてはレイモンラニョーなんかに近い。逆にXOメモワールはもう少しプルーン系の果実味が強くアルコール感も和らいでいる。XOメモワールは割とマーテル寄りのような気がします。

ただ、どちらも樽感やウッディ要素は少ない軽やかな酒質であることは共通しています。ピエールリュカは全て澱と一緒に蒸留するレミーマルタン方式。熟成樽もタンニンの多いリムーザンタイプの樽を使用しています。そのため通常であればもう少し重厚感が出そうなものではありますが、どちらかというとすいすいおかわりしてしまう系のキレイなコニャックです。

このキレイさはピエールリュカの加水方法にも起因しているのかもしれません。ピエールリュカでは1年かけて4~5回に分けてゆっくりと丁寧に加水が行われます。

個人的な好みでいうと圧倒的にXOメモワールの方が好きです。同じブランド、同じシリーズでありながらかなり方向性が異なるコニャックではありますが、その差も面白いところですね。

-コニャックレビュー

Copyright© Brandy Daddy -ブランデーダディ- , 2025 All Rights Reserved.