至福のブランデータイム第1歩 ブランデー知識【入門編】 楽しみ方

ブランデーが美味しく飲める温度・適温とは?

2016年2月10日

ブランデーのを美味しく飲むのにちょうどいい温度、それは永遠の課題かもしれません。ブランデーに限らず、ワインや焼酎、ウイスキーにも適温はありますね。ただし好みによるところも多いでしょう。

そんな適温議論に終止符を打つため、今回はブランデーを飲むのに最適な温度を自論でまとめてみます。

コニャックのストレートは18℃~20℃が適温である

ブランデーといっても種類が果てしなく多いため、今回はブランデーの中でも最も流通量が多い「コニャック」に絞ってみます。更に、アルコール度数の条件を同じにするため、飲み方をストレート限定で考えます。

ブランデーの中でもコニャックのストレートにおける適温とは何度なのでしょう?

結論から言うと18℃~20℃がコニャックにおける適温です。

ではなぜそのような結論に至ったのか、その理由を見て行きましょう。

そもそも室温とは一体何なのか?

コチラの記事でも書いたように、アルコール度数が40度程あるブランデー全般において、手のひらで温めて飲むような所作は現在あまり良しとされません。液体の温度が上がることでブランデーのアルコールの揮発性を高くしてしまい、刺激臭が強くなりすぎてしまうからです。

他のブランデー関連のサイトを見ていると、ブランデーは「室温」が最適である、と書いているサイトを多く見かけます。しかし、室温が具体的に何度であるかを明記している所はあまりありません。 では室温の定義とはそもそも一体何でしょうか?これは分野によって定義が異なります。室温の意味と、近い意味の「常温」を見てみましょう。

「室温の定義」by Wikipedia

【化学】
→外部系から加熱も冷却もしていない状態

【生物・薬学】
→「室温」といった場合、特定の温度が指定されているわけでもなく、研究室および季節によってその温度はまちまちであるが、その値を実際に計測し論文に書くことはあまりない。

【物理学】
→絶対温度において切りのよい数字である 300K (27℃)が室温とされる場合が多い

【日本薬局方】
→1~30℃の間と定めている

【JIS標準環境】
→温度20℃、湿度50%

「常温の定義」by Wikipedia

【日本薬局方】
→20℃

【JIS標準】
→5~35℃の間

【常温保存食品】
→冬季15℃、夏季25℃

・・・といった解釈です。これらを見て分かるように、「室温」といった定義そのものが幅広く、分野により全く異なり、とても曖昧なものあることが分かります。

従って、単純に「ブランデーの適温は室温(常温)です。」とか書いているサイトは何の当てにもならないという風に思えます。(たぶん室温って書いとけばいいやくらいにしか思っていない)

実際そのような記述をされていると「で、室温って何度よ?」ってなります。

コニャックの製造過程から見る適温

コニャックの製造過程において樽熟成させる醸造所では厳密な温度と湿度管理がなされています。その温度と湿度はメーカー、農家によって独自の基準があり、一概に判断することができません。メーカーによって様々ですが、熟成時においては13~17℃の温度と70~90%の湿度が一般的といってよいでしょう。
例えばコニャック城で有名なオタールの熟成所は年間室温15℃、湿度90%が保たれています。

フランスのコニャック地方の年間平均気温は約13℃です。しかし夏は最高25℃、冬は1℃と幅も広いです。日本と比べると北半球にある分比較的涼しい気候です。

熟成時の気温と土地の気温はこのような状態なのですが、果たしてコニャックが最も香り高くなる液体の温度は何度なのでしょうか?

経験則とコニャックエデュケーター鯉沼氏の勧め

13℃~17℃というのはあくまでも熟成時の温度です。(湿度も関係しますが)
私のこれまでの経験測では、この温度よりも少し上、つまり液体の温度18~20℃がコニャックをストレートで飲む場合の適温だと結論づけています。

温度が20℃以上になると、少しづつ揮発するアルコールの刺激臭が強くなってしまい、コニャック本来のアロマを邪魔してしまう傾向にあります。

これはもちろんコニャックの中でも個体差はあるかと思いますが、18~20℃が最もコニャックのアロマを活かせる温度であることが多いです。

また、日本で唯一、フランスコニャック協会からコニャックエデュケーターの称号を得ている鯉沼康泰氏のセミナーにて鯉沼氏も同様に18~20℃が最もおすすめであるという事を仰っていました。それによりこの温度が最適であるということにより自信が持てるようになりました。

夏と冬では温度が違う

当然、夏と冬では外気も変化し、温度も変わります。

冒頭やコチラの記事でブランデーグラスを手で温める所作はブランデーの温度を高くし、アルコールの揮発性を高めてしまうのであまり宜しくない旨を述べましたが、冬など極端に外気が下がってブランデーが冷たくなっている場合はある程度手で温めるのも当然よしでしょう。

ただ、やはり基本的には温め過ぎは注意です。温めるくらいであれば冷やした方が香りもある程度香ばしいうえにスッキリ飲めるので良いかと。

ブランデーの適温まとめ

  • コニャックの場合、液体温度18~20℃が最もアロマを活かせる適温である傾向が多い
  • 「室温」という説明は当てにならない
  • 外気温があまりに低い場合は温めてもよいかも

と、色々書いてはみたものの、やはりコニャックは嗜好品です。温めたコニャックが好き!という方を否定している訳では決してありません。人によって好きな飲み方は様々だと思うので、自分にベストマッチな温度を見つけてみるのも面白いでしょう^^<

「ブランデーの適温は何度?」という大きな問いの一つの回答となればと思います。

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