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アルメニアブランデー ARARAT(アララット) ナイリ20年のレビュー

2018年9月3日

今回のレビューは当サイトで実は初めての登場となるアルメニアブランデーです。ブドウを使ったブランデーはコニャック以外にも世界中に存在します。

中でも高品質で最近私もハマっているのはこのアルメニアブランデー「ARARAT(アララット)」です。

その中でも今回は最低熟成20年の上位ラインナップ「ARARAT(アララット) ナイリ20年」のレビューです。

アルメニアのブランデーとは?

普段あまり馴染みがないアルメニアのブランデー。

そもそもどんなブランデーなのでしょう?

てかアルメニアってどこ?(笑)

そんな人のために簡単にアルメニアブランデーについてご紹介します。

ちなみに、アルメニアはトルコの隣らへん。

アルメニアブランデーの歴史

アルメニアには「アララット(ARARAT)」「ノイ(NOY)」「プロシュヤン(Proshyan)」といった大きなブランドがありますが、その中でも有名で日本でも手に入り易いのはアララットでしょう。

アルメニアは数十年前まではかつてのソ連に所属する国々へのブランデー供給を指定された主要生産国の一つでした。ソ連崩壊後はその流通が断たれ、アルメニアのブランデー市場は失われていた時期がありましたが、現在はかつての輝きを取り戻し、素晴らしいブランデーを送り出しています。

アルメニアのブランデーは19世紀末にロシアの実業家シュストフ氏が首都エレバンへの道を監視できるペルシャ城跡にあったブランデー蒸留所を買収した事から発展を遂げたと言われています。

ソ連時代にシュストフ氏の会社は「エレバン」と改名し、1950年に生産拠点となる熟成庫をエレバン市の新しい施設に移転します。その後1998年にワイン・蒸留酒の世界的企業ペルノ・リカール社に買収されます。(1999年5月25日に正式にペルノ・リカールの傘下になる)

現在はエレバン社というより、同社が持つ最も有名なブランド「アララット」として知られていることが多いです。

アルメニアブランデーはロシアとイギリスとも深い関わりがあり、1945年のヤルタ会談でイギリスの首相チャーチルがスターリンから勧められたアララットのドゥヴィン(DVIN)というブランデーに深く感銘を受けた事も有名です。

アルメニアブランデーの原料

アルメニアブランデーに使われるブドウは原則としてアゼテニ、バナンツ、チラール、ガラン、ドゥマク、カヘット、カングン、ラルヴァリ、マシス、メグラブイル、ムスカリ、ルカツィテリ、ヴァン、ヴォスケハットといった合計13種類が認められており、コニャックとはまた違う品種が使われています。

そして何より、アララットの蒸留方法はコニャックと同様のシャラント式単式蒸留器が取り入れられているのがまた面白い所です。その品質の高さ故、第二次世界大戦以前の一時期においては「コニャック」と名乗る事が許されていた時代もあったほどです。

ARARAT(アララット) ナイリ20年の感想

さて、前置きが長くなってしまいましたが、私の手元にあるARARAT(アララット) ナイリ20年の感想をば。

日本に輸入されているアララットにはいくつかラインナップがありますが、こちらは最低熟成年数20年の「ナイリ」です。ナイリ(NAIRI)はアルメニアの古い都の名前とのこと。

アルコール度数は40%。
容量は500ml。
約20種類程の原酒がブレンドされているとのこと。

熟成年数20年、容量500mmlで小売価格1万円前後なので、同じ熟成年数のコニャックと比較してもやや割高かもしれません。

香り~鼻抜け

まず全体として「かなり甘味の強いブランデー」という印象が残ります。コニャックのそれとは全く別もの。

香り立ちは強い干しレーズンのような香りから始まり、その後はアプリコットリキュールを嗅いでいるかのようなあま~い香り立ち。

口に含んだあとに感じるのは、一瞬黒砂糖のような甘味広がったあと、生キャラメルを舌の上で転がしているような余韻が残ります。

鼻抜けの最後の方には、わずかにオレンジピールのような柑橘系の香りが感じられます。

「熟成感」とはまた違うのですが、この独特の甘味のおかげか、20年という熟成年数のわりにアルコールのキツはあまり感じず、まろやかな印象が残ります。

コニャックとは製法基準も異なるため、ブドウ品種の差だけでなく、加糖具合も大きく影響を与えていると思われますが、人によっては「人工的な甘味だ!」と評する人もいるかもしれません。まぁ液体の色からして大いにカラメル着色されているかと考えられますが、私はこれはこれでアリ。全然アリ。

非常にとろみのある舌ざわりで、食後酒としておすすめできる味わいです。

ただ、淡麗さやスパイシーさとは真逆の位置にあるブランデーなので、キリッとしたブランデーが好きな人にとっては好みが分かれるかもしれません。

アララット ナイリまとめ

容量に対してやや割高でもあるので、気軽なデイリーブランデーとはいかないかもしれませんが、コニャックばかり飲んでいるとたまーに飲みたくなる味わい。

ブドウを原料としているブランデーの中では間違いなく「甘~い」分類に入るお酒。

ノアの方舟が漂着したと言われるアララット山麓の神秘さと、激動の20世紀のコントラストに目を向けながらアルメニアブランデーを味わうのもまた一興かもしれません。

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