今回新しく買ったブランデー。
コニャックCAMUS(カミュ)のフラッグシップボトルの一つ「カミュ エクストラ エレガンス(CAMUS Extra Elegance)」です。
カミュのコニャックは一通り手に取りましたが、このエクストラだけは置いているお店やバーも少なく、飲んだことなかったので今回買ってみることにしました。
ボルドリを中心としたカミュコニャック
カミュは家族経営コニャックメーカーの中でも大きなブランドで、2019年の売上はコニャック界第5位となっています。日本ではヘネシー、レミーマルタン、マーテルと同等に知名度のあるコニャックブランドと言えるでしょう。
カミュのコニャックといえばボルドリを中心に、グランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、ファンボアなどのエリアから厳選されたコニャックがブレンドされ作られています。(ボルドリ単一コニャックもあります)
今回のカミュ エクストラはその中でも2000年にリリースされたフラッグシップのボトルです。
その後、2015年にさらにもう1ランク上のコニャックとしてカミュ エクストラ ダーク&インテンスというものもラインナップに加わりました。(こちらは国内で買うと5万円超えるので今回はパス)
なお、カミュの日本正規代理店はアサヒビールなのですが、このエクストラシリーズはアサヒビールは輸入しておらず、別の輸入業者による国内販売となります。
カミュ エクストラ エレガンスのスペック
それでは改めてカミュ エクストラ エレガンスの基本スペックを見てみましょう。
カミュ エクストラ エレガンス
Camus Extra Elegance
- アルコール度数:40%
- 容量:700ml
- 熟成年数:最低30年~最長50年のブレンド
- 生産域:ボルドリ、グランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュのブレンド(比率は不明)
- 輸入業者:野村ユニソン株式会社
- 購入価格:税込 27,800円(2020年6月時点)
カミュ エクストラ エレガンスの外観
まずはこのボトルの外観から見て行きましょう。
化粧箱はシックで高級感のあるシンプルな外装。表面にはエンボス加工が施されております。
箱の対角線からパカッと観音開きです。
中はこんな感じ。
背面には疑似ミラーがあり、土台もガッチリとした作りになっています。
ボトルはかなり薄い
もとよりカミュは「香水のようなボトル」を意識して作られており、カミュXOやカミュXOボルドリ共に非常に薄く平べったい独特な形状をしています。
このカミュ エクストラ エレガンスはXOボトルよりも更に薄く平たい形状となっています。
シンプルさ故の高級感を目指したのでしょうか、エクストラ エレガンスの方は余計な装飾は一切なく、ボトルの表面にはCAMUSのロゴすら描かれていません。
ここはXOボトルとは大きな違いですね。
ボトルの首部分に「CAMUS EXTRA ELEGANCE」の文字が掘られています。
大変高級感のある作りではありますが、デメリットを挙げるとすると、この形状のボトルは総じて注ぎにくい。
あとエチケット(ラベル)も何もないツルツルの表面なので、ボトルの表面に指紋が付きやすいです。毎回ちゃんと拭いてあげた方が良いかもしれません。
あと、問題は・・・・
ボトルがツルツルすぎて写真撮る時にめっちゃ自分の姿が写る(笑)
カミュ エクストラ エレガンス抜栓
ということで、抜栓。
カミュ エクストラ エレガンスはコルクではなくスクリューキャップでした。
キャップ、めちゃめちゃ重いです。しっかり持って開けないとキャップを落としてしまいそうです。
カミュ エクストラ エレガンスの香り立ち
全体的にとても上品で落ち着いた香り立ち。
同じくらいの価格帯のグランドシャンパーニュコニャック、ジャンフィユー CF50やフランソワヴォワイエ エクストラのように「グランドシャンパーニュの果実感どかーーーん!」といった派手な香り立ちとは対照的です。
カミュXOやカミュ ボルドリXOに共通するような紅茶系の香りの系譜はしっかりと感じることができます。
あとは秋の紅葉まっさかりの森を歩いているようなイメージに包まれます。森の香り。
果実系というよりは圧倒的にお花系の香り。ユリやスイレンといったものを連想させます。これはボルドリコニャックに特徴的な側面。
シナモンやスパイス系の要素は皆無ですが、少し熟成由来のナッツやクルミといった要素も垣間見れます。
カミュ エクストラ エレガンスの味わい
まず口に含んだ時に感じるのはナッツやオークの香り。バター感やオイリーさもあり舌に乗ってきます。あとは甘く煮詰めたオニオン。
結構クリーミーですね。
やはり味わいも果実感ではなくお花。たばこの葉。そういった植物感を最も感じます。
余韻としてはそこそこ。やや味の変化には欠けるものがあるかもしれません。
香りと同様にかなり落ち着いた味わい。
上品、しかしそれ故にやや物足りなさを感じる一面もあるかもしれません。
カミュ エクストラ エレガンスまとめ
30年~50年といったどちらかというと長熟コニャックではありますが、所謂ぶわっと花開くランシオ香的な求めている方には対極な位置にあるコニャックだと思います。
方向性としては同じくボルドリ原酒が多く含まれるマーテルのコニャック「マーテルシャンテルーパースペクティブ」と同じように、かなり上品でおとなしいコニャック。水のようにスイスイ飲めてしまう系。たぶん無限に飲める。その名の通り「エレガント」なコニャック。
もちろんそれが良い悪いではなく、このコニャックの特徴ということになるかもしれませんが、私としては味わいの複雑さや変化、余韻の長さにもう一声欲しいという印象が強いです。
価格帯としては比較的高価な部類に入るので期待値も高かったのですが、やや残念だったかなという正直な感想です。
何だろう・・・マーテルシャンテルーでもそうだったんですが
「上品にしすぎて個性を失ってる」感が凄い。
参考記事
→マーテルの境地?マーテル シャンテルー パースペクティブの感想・レビュー
この感想はまだこのボトルを開けて間もない時点での感想であり、数ヶ月後はまた違った素顔を見せるかもしれません。
しかしながらそれでもカミュの個性を楽しむのであればカミュXOやカミュ ボルドリーXOの方を選んだ方がカミュの特徴は理解しやいと思います。例えばこのエクストラエレガンスのボトルに27,000円出すのであれば、カミュXOとカミュ ボルドリーXOを併せ買いしてまずはそれをじっくり飲み比べした後にまさにExtra的に楽しんでみる・・・なコニャック。
参考記事
→カミュ ボルドリー XO
→大手コニャックXOクラス飲み比べ検証【後編】
個人的にはこれを更に発展させたフラッグシップボトル「カミュ エクストラ ダーク&インテンス」がどのような方向性に進化しているのかが気になる所。そっちはなかなかいい値段になってしまうので、できればバーなどで1杯頂きたいところですね。ただこの辺の高級志向のボトルはホストクラブとかには置いてるけどバーには置いてない印象があるので、もし置いているバーがあったら教えて下さいませ・・・。
カミュ エクストラ エレガンスの箱とボトルはカッコいいので観賞用として置いて、誰か家に遊びに来た時に一緒に飲んで楽しもうと思います(笑)