ご存じの方も多いかと思いますが、コニャックのメーカーには世界で大きなシェアを誇る5大巨頭が存在します。
そう
です。
ヘネシーを筆頭に世界のコニャックシェアを代表する5ブランドですが、それぞれに特徴的なエンブレム、ロゴが存在しますね。今回はあまり目を向けられてないエンブレムの由来を見てみましょう。意外と知らない事実も多いのではないでしょうか。
ヘネシーのエンブレム
モチーフ「斧を持った手」
世界のコニャックマーケット39%という最大シェアを誇るこのヘネシーのシンボルマークは「斧を持った手」です。
この斧を持った手のシンボルは、ヘネシーの創始者でもあり、アイルランド出身の将校でもあったリチャード・ヘネシー氏の紋章から作られています。このエンブレムは「自分達は武器と力で生きている」というモットーを表しています。元々このエンブレムには野生の豚の絵が含まれていましたが、ブランディングをするにあたり豚は除外されたそうです。
レミーマルタンのエンブレム
モチーフ「ケンタウロス」
レミーマルタンの象徴として有名なこのケンタウルスのエンブレムは「セントー」と呼ばれ、エミール・レミーマルタン(1810年~1875年)と彼の息子、ポール(1853年~1924年)によって1903年に選ばれました。
由来はギリシャ神話に登場する酒の神「バッカス」の奉仕者であるケンタウルスからきています。半馬で力強く大地を踏みしめる姿がレミーマルタンらしさを表現するものとしてこのシンボルマークが発案されました。
マーテルのエンブレム
モチーフ「黄金の燕」
黄金の燕がシンボルとなっているマーテル。
イギリス海峡チャンネル諸島のジャージー島からコニャック地方に移り住んできた創業者のジョン・マーテルは幼いころから鳥を見ることが大好きだったそうです。黄金の燕のシンボルには次のようなエピソードがあります。
「ジョン・マーテルが熟成を終えた原酒を貯蔵庫から出す際、黄金色の燕がその出来事を祝福するかのように樽の上を飛んでいた。」
どうやらその祝福が起源のようです。
クルボアジェのエンブレム
モチーフ「皇帝ナポレオン」
目を凝らしてみないと何だか良く分からないクルボエジェのエンブレム。
実はこれ、あのフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトが帽子とコートを着たシルエットなのです。このシルエットに描かれている帽子は1807年にフリートラントの戦いでナポレオンが実際に被っていたものだそうです。
クルボアジェの創業は1809年に遡りますが、実際にこのナポレオンのエンブレムが使用され始めたのは1909年の事です。
イギリスで何代にもわたりワインやスピリッツ事業を展開していたサイモン一族が、1909年にクルボアジェのリーダーシップを握ることになりました。フランスの国境を越えて当ブランドを積極的に売り出す目的で、容易に認識できる象徴的なナポレオンのシルエットを使用することになったそうです。
もともとクルボアジェはナポレオン御用達のコニャックとして有名です。また、1815年ワーテルローの戦いでナポレオンが敗れ、セントヘレナ島に追放された際、ナポレオンは贅沢品を1種類だけ持っていく事を許され、このクルボアジェを選びました。
てかこのシンボルがナポレオンだなんて、パッと見ただけじゃ分からんわ(笑)
カミュのエンブレム
モチーフ「十字架」
カミュのシンボルも良く見なければ何だかわかりませんが、これは「Trefoil Cross」という先端に三つ葉が付いた十字架です。四葉のクローバーがモデルと間違われやすいですが、実は十字架がモデルです。
昔のシンボルはもう少し十字架っぽかったのですが、2005年によりシンプルにデザイン変更され現在のシンボルマークになりました。
由来は様々な話がありますが、カミュのコニャック貯蔵庫の鍵の形がこの三つ葉十字架を連想させるものだったとの話が多いようです。
エンブレムを見ればコニャックの歴史が分かる
どんな会社でもブランドでもそうですが、エンブレムやロゴにはその会社、ブランドの想いが込められています。
このコニャック5大ブランドだけにとどまらず、色々なコニャックのロゴを見てみると、そのブランドの歴史、想い、そのコニャックの味の根底となるコンセプトが見えてきたりして結構面白いものです。
「なぜこのコニャックはこのエンブレムなのか」を考えながらコニャックを見てみると意外な事実が発見できるかもしれませんよ。