コニャックレビュー

コニャック Augier(オージエ)の3ボトルを飲み比べ

今回は1643年に創業した最古のコニャックであるAugier(オージエ)のボトルを3つともレビュー。このオージエの3ボトル、実は2021年8月31日以降より日本でも販売が開始されるので、その紹介も兼ねてみて参ります!(輸入元:株式会社都光)

果たしてこのコニャックAugierとは一体・・・?

Cognac Augier(オージエ)とは?

先述したように、オージエとはコニャック黎明期でもある1643年にPhilippe Augier氏とその兄弟Danielが氏創業した最も古いコニャック生産者でもあります。
※コニャックの大まかな歴史はこちらのページから

その後1980年ころからはブランド展開は休眠状態にありましたが、その後新たなセラーマスターを迎え2013年にペルノリカールの傘下として復活。2015年にLe Maine au bois蒸留所に蒸留を委託し現在のメインラインナップとなる「オセアニック」「ソバージュ」「サンギュリエ」の3つのコニャックを展開しています。従来のVSOPやXOという表記ではなくこのユニークな商品名もポイントですね。

オージエのこだわり

オージエのコニャックに共通するこだわりポイントとして挙げられるのは次の点でしょう。

シングルグレープ

1つの製品に使用するブドウ品種は1種類のみ。

オセアニック、ソバージュ
→ユニブラン100%

サンギュリエ
→フォルブランシュ100%

サンギュリエのフォルブランシュ100%はコニャックファンにはうれしいポイントですね。

※コニャックのブドウ品種についてはこちらのページをご参照

シングルテロワール

それぞれの生産域の特徴を反映させるため、1つの製品には1つの生産域でとれた葡萄を使用。

オセアニック
→ボア・ゾルディネール

ソバージュ
→プティットシャンパーニュ

サンギュリエ
→フィーヌシャンパーニュ

※コニャックの生産域の違いに関してはこちらのページをご参照

オセアニックのようにボア・ゾルディネール単体のコニャックは大変珍しいですね。それだけ自信の表れだと思います。サンギュリエに使用されているフィーヌシャンパーニュとは、グランドシャンパーニュ50%以上+プティットシャンパーニュの組み合わせた生産域ですので「シングル・・・なのか?」というツッコミも若干ありますが(笑)その真価はテイスティングして堪能してみましょう。

ノンチルフィルタード

コニャックの香味をより残すために冷却ろ過は行っていません。

限定品やヴィンテージコニャックではノンチルフィルタードのコニャックもあるのですが、実は通常のラインナップでノンチルフィルタードというのはコニャック的には割と珍しい処方です。

ノンカラメル

カラメルを使用したカラーリングは一切行っていません。

蒸留時のオリの量を細かく調整

個人的にこれをこだわりポイントとして明記するのは大変面白い事だと思いました。他のコニャックメーカーでは各商品のオリの量まで明記されていることは大変少ないからです。

オージエのコニャックでは各製品ごとに蒸留方法を微妙に変えて、味わいの方向性を変えるため蒸留時のワインに含まれる「オリ」の量を細かく調整しています。当然他のコニャックのでもオリの量は調整して蒸留を行うのですが、3商品とも明確化しているのが特徴です。

オセアニック
→オリ薄め(0~2%)

ソバージュ
→オリ濃いめ(7~15%)

サンギュリエ
→オリ普通(2~6%)

※蒸留時にオリを使うか使わないかの違いはこちらのページをご参照

3つを並べてテイスティング

さて、前置きが長くなってしまいましたが、3つの商品の詳細をもう一度見ながらテイスティングをしてまいりましょう。

オージエ オセアニック

Cognac Augier L’Océanique

容量:700ml
アルコール度数:40.1%
生産域:ボア・ゾルディネール
品種:ユニブラン100%
熟成年数:4年熟成がメイン
蒸溜:ナチュラル(オリ:0~2%)
希望小売価格:7000円(税抜)
輸入元:株式会社都光

このオセアニックは生産域的にはボア・ゾルディネールのかなり端に位置するオレロン島という島で栽培されたブドウを使ったコニャックです。場所的にもかなり珍しく、カミュのイル・ド・レシリーズで有名なレ島よりもさらに大西洋側にある島で育った原料を使用しています。より大西洋の海風の影響を受けて育ったコニャックで独特の風味を楽しむことができます。

↓オレロン島はこちら↓

香り立ち

まず第一印象として即座に感じるのはフレッシュなレモン。そしてレモンウォーター。

若くフレッシュな印象はもちろんありますが、その後にジャスミンのような心地よい香り立ちを感じることができます。あとはジンジャーを彷彿とさせる少しばかりのスパイシー感でしょうか。

よくこういった島で育った原料を利用したコニャックでは「磯の香りが」や「潮の香りが」といった表現をされがちですが、このコニャックの場合その「海っぽさ」はレモンとジンジャーに集約されると思います。

味わい

昔懐かしいはちみつ飴。そして春の牧草。

口の中にまんべんなく広がるピンクグレープフルーツ。

全体的にクリアな仕上がり。ボア・ゾルディネールの若いコニャックならではのフレッシュなアタックが口と胃を刺激してくれます。

余韻としてはやや短いものの、香り立ちの柑橘感とスパイシーさ、そしてクリアな口当たりから、口と胃を刺激してくれる食前酒としてもよい効果を発揮するかもしれません。

オージエ ソバージュ

Cognac Augier Le Sauvage

容量:700ml
アルコール度数:40.8%
生産域:プティットシャンパーニュ
品種:ユニブラン100%
熟成年数:およそ4~8年
蒸溜:濃厚(オリ:7~15%)
希望小売価格:7000円(税抜)
輸入元:株式会社都光

香り立ち

先程のオセアニックとは打って変わって、まず最初に香草を思わせる独特の香り立ち。

その後にスモモ、ドライオレンジといった果実感。さらにシナモンとバニラ。

スパイスと果実の香味を入れ替わり感じることができる面白いコニャック。

味わい

シリーズ中、最も濃厚に澱を使用して蒸留されたということもあり、3つの中では最もパワフルでどっしりとした味わい。

黒コショウを感じさせるスパイス味のあとに、ほのかに桃のような甘味が口の中に広がります。

全体的な印象としては「大地」を感じるコニャック。澱の量故なのか分かりませんが、凝縮された鉄っぽさと土の風味を連想させる一瞬があります。

Sauvageにはもともと野性的とった意味もありますが、確かにワイルドさを感じることができるコニャック。ただし決して「野蛮」「荒い」という意味合いではなく、大地とほのかな果実味を素直に感じることができるテイストです。

余韻としては3つの中で最も長く感じることができるかもしれません。

オージエ サンギュリエ

Cognac Augier Le Singulier

容量:700ml
アルコール度数:41.7%
生産域:フィーヌシャンパーニュ
品種:フォルブランシュ100%
熟成年数:およそ4~6年
蒸溜:ナチュラル(オリ:2~6%)
希望小売価格:8700円(税抜)
輸入元:株式会社都光

今回、オージエの中で最もユニークなコニャックだと感じる1本。フォルブランシュ100%のフィーヌシャンパーニュコニャックです。

香り立ち

まず結論から述べると、今回の3つのコニャックの中で最もフルーティーな香り立ちを有するのはこのサンギュリエだと感じます。

これはフォルブランシュという原料由来の部分も大きいでしょう。

圧倒的な蜂蜜感、レモン、マンゴー、洋ナシ・・・。しっかりと蜂蜜系の甘い香りとフルーティーな香りがうまく重なり合う香りです。

洋ナシ感としては同じフォルブランシュ100%でもあるギィピナール フォルブランシュとは全く別方向で、どちらかというとフルーティーさはギィピナールの方が勝りますが、このサンギュリエは蜂蜜感をより強く感じるコニャックです。

その後少しばかりのウッディさもうまく絡み合う絶妙さもあります。

味わい

香り立ちを踏襲した蜂蜜感とオレンジ、そして洋ナシ。

その後には甘栗、バターといった甘味系のアタック。

さらにこのコニャックに特有な鼻抜けとして藁や干し草を連想させるような余韻も感じることができます。

大変面白い変化をもったコニャックです。

オージエ3種まとめ

それぞれタイプの異なる3つのオージエ。

いずれも熟成年数としては若めのコニャックに分類されますが、オージエのコンセプトとして熟成年数にとらわれない、原料と産地を豊かに感じることができるコニャックがキモとなっています。

改めて3つのオージエを飲んでみると、そのコンセプトを素直に体感できる秀逸な作り分けがされていることが理解できます。

左から、オセアニック、ソバージュ、サンギュリエ

これまでの熟成年数至上主義?から脱却するコニャックの楽しみ方がここにあるのかもしれません。

今回、日本市場でもこのオージエが流通することになり改めて3つのオージエを紹介レビューしましたが、これはお世辞でも何でもなく3つ飲み比べしてみるとその面白さを体感することができます。

欲を言えば各200mlくらいで3本飲み比べセットみたいなのが8000円くらいで出てくれると嬉しいところですね(笑)

どれも個性的なコニャックですが、あえておすすめとして私が一番好きな1本を選ぶとしたら「サンギュリエ」でしょうか。やはりフォルブランシュというユニークさと、独特な甘みとフルーティー感、そして藁といった要素は他のコニャックには感じることが少ない特徴で大変面白いです。

是非それぞれの生産コンセプトの違いを感じて頂けると幸いです。

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