コニャックレビュー

グロペランとのコラボコニャック:Cognac Expert L'ESSENTIEL Grosperrin A29のレビュー

今回はフランスのコニャックオンラインショップ、Cognac ExpertよりL'ESSENTIELシリーズの新作サンプル「Grosperrin A29」貰ったので、そのレビューを行っていきます!

今回のコラボはグロペランと!

このL'ESSENTIELシリーズはCognac Expertの主要メンバーがコニャックの生産者とコラボして樽詰めしたものです。年に数回リリースが行われています。

ちなみに前回はボルドリとファンボアに24ヘクタールの自社畑を持つコニャック生産者「Giboin Cognac」。
L'ESSENTIEL Biboinのレビュー

そして今回のコラボ先は優良な生産者から原酒を選定し、自社で熟成をさせ高品質なヴィンテージコニャックを多く輩出している「Grosperrin(グロペラン)」です。

Cognac Expertとグロペランは非常に仲が良く、Cognac Expert代表のMaxとグロペラン代表のGuilhem Grosperrin氏はよくお互いに意見を交換したり新しいコニャックの展望を語り合っているようです。

参考
コニャック JEAN GROSPERRIN (ジャン・グロペラン)はどのように原酒を買い付けるのか?特徴とラインナップ

そんなグロペランとCognac Expertのコラボボトルですが、これまでのL'ESSENTIELシリーズ同様に我々が知りたい情報がちゃんと明記されています。

L'ESSENTIELシリーズの特徴として、かなり詳細まで原酒のトレースがされており「どういったコニャックなのか?」が明確に分かるようなっているというのがあります。コニャックファンの「そこが知りたかった」をうまく捉えているシリーズですね。

では今回のL'ESSENTIEL A29の詳細を見ていきましょう。

L'ESSENTIEL Grosperrin A29の基本情報

まずこの商品名にある「A29」というのは熟成年数を示します。

今回のGrosperrinよりL'ESSENTIELシリーズはラベル表記を大幅にデザイン変更し、各ラベルにAgedを表す「A」と熟成年数を表す数字が明記されるようになりました。

フルボトルはこんな感じ

ちなみに、コニャックの場合はBNIC管理下の元、蝋封された樽か鍵付き倉庫で管理された樽しか年代表記を行った西暦ヴィンテージ表記(例えば1972など)は行うことはできません。今回のこのコニャックは正式にBNIC管理下の元樽詰めされたヴィンテージではないため、西暦表示でのヴィンテージ表記はできません。その代わり熟成年数を示す数字や、それらを指し示す表記(いわゆるグレー表記)は可能となっています。

参考
コニャックのヴィンテージ表記

今回は非公式ではありますが収穫が行われたヴィンテージは1993年。瓶詰を行ったのが2022年なので29年熟成となります。その他詳細スペックは下記の通り。

生産者:Grosperrin
生産域:ファンボア100%
収穫村:Matha le Goulet
ブドウ品種:詳細不明(おそらくユニブラン100%)
アルコール度数:47.8%
添加類:カラメル添加なし、加糖なし、ノンチルフィルタード

ヴィンテージ:1993年
熟成年数:29年
Lot No:N°940 シングルカスク
樽No:N°C-F2
樽の容量:206L
樽の種類:詳細不明
最終加水日:2017年4月6日

その他
Guilhem Grosperrin氏がCognac Grosperrinを引き継いだ2005年(当時25歳)に買った樽を使用。1993年から2004年までは原酒の提供元のセラーで保管され、2005年から2022年まではGrosperrinが持つ湿度が高めの熟成庫にて熟成。

L'ESSENTIEL Grosperrin A29の香り立ち

まず最初に感じるのは非常にフローラルな要素を多く含んだ香り立ちであるということ。

スイカズラ、白バラといったコニャックとしては少し珍しい香りを取ることができます。

その後に感じるフルーティーさはドライオレンジを中心としたもの。まるでカンパリを彷彿とさせるような心地よさです。あとはアプリコットと、少しスパイスとしてシナモンでしょうか。

全体的にお花感が強い香り立ちで、オークの香りや藁といったタンニンや樽感を連想させるような要素は少な目なような気がします。

L'ESSENTIEL Grosperrin A29の味わい

一言でいうと大変華やか。

口の中に一気に広がるマスカットのような凝縮された旨味。ほんのり渋みを含んだオレンジピール。

アルコール度数47.8%という事もあってか、パンチは強め。

口の中に含むと香り立ちで感じたフローラル感はどこかに行ってしまった印象はありますが、その代わりに少しだけスパイス要素が強くなった印象。クローブ・ちょうじ、葉巻を感じることができます。

正直、注いだ直後はかなり固かった。固いという表現は抽象的ですが、注いだ直後は渋さが目立ってしまったものの、10分後にはかなり果実感が沸き上がってきます。グラスに注いだ直後と、10分後ではだいぶ印象が変わるコニャック。サンプル瓶の状態にもよるので、フルボトルを開けてみないと何とも言えない部分はありますが、これはよく空気を含ませてかなりゆっくりと飲んでいくと非常に芳醇な香味に変化するコニャックです。(だと感じた)

余韻としては中程度。これもやはり直後と10分後ではかなり印象が異なります。飲み終えて15秒くらいは少し牧草感というか藁のような鼻抜けを感じたのですが、その後はゆっくりとオレンジ、そして凝縮されたブドウ感に変化。ダイナミックな変化を楽しむことができます。

良く開かせて飲むべし

普段あまりグラスに注いだあとにクルクルさせる動作は行わないのですが、このコニャック・・・少なくとも私が飲んだサンプル瓶の状態ではよく空気を含ませて馴染ませてあげることで本領を発揮するコニャック。

やや扱いが難しいコニャックであることは間違いないですが、そのポテンシャルはさすがグロペランといった所。一口めのインパクトもありながら時間が経つにつれその繊細さが露わになっていく様子はグロペランファンの期待にも十分に応えることができるコニャックだと思います。

好みでいえば前回のGiboin(ジボアン)よりもかなり好き。今後のCognac Expert L'ESSENTIELシリーズにも期待が高まります。

→L'ESSENTIEL A29 Grosperrinの購入はCognac Expertより可能。個人輸入であれば日本からでも購入可能ですので気になる方は是非^^

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