毎年開かれているコニャック品評会の祭典「World Cognac Awards」の2020年の結果が出たので早速見てみましょう!
もちろん全てのコニャックブランドがエントリーしたわけではないので、この評価が全てではありません。一つの指標として見て楽しんで頂けると良いかと思います。
全体でどれだけのエントリーがあったのかのリストがどこにも無いので、相対的にどの程度の競争率なのかがよく分かりませんが・・・。
テイスト部門とデザイン部門に分かれている
ワールド・ベスト・コニャック2020のカテゴリは大きく「テイスト部門」と「デザイン部門」の2つに分かれています。
テイスト部門はその名の通りカテゴリ別にコニャックの味わいを評価する部門。
デザイン部門はボトルやラベルなどのデザインを評価する部門です。デザイン部門ですが、今回めちゃめちゃ受賞数が少ないんです。多分エントリー自体がかなり少なかったのではないかと予想されます。
なので今回は主にテイスト部門の中身を見ていくことにします。
テイスト部門のカテゴリと評価方法
コニャックの味わいを評価するテイスト部門は主に次の4つのカテゴリに分かれています。
- VS部門
- VSOP部門
- Superior Quality部門
- XO部門
それぞれの部門で「Best」「Gold」「Silver」「Bronze」といった4つの賞が与えられます。(基準に満たない場合は受賞なしとなる場合がある)
そして更に、それぞれの部門の「Best」を受賞したコニャックの中から最も優秀なコニャックには「World's Best Cognac」の称号が与えられます。
VS部門の受賞結果
まずはVS部門の結果から。受賞コニャックは3つです。私は3つとも飲んだことないけど。
VS部門 Bronze
たぶんコレなんだけど、受賞歴見る限り色んなコンテストに出しまくっているようですね。
VS部門 Silver
シャラント川のほとりに位置するコニャックブランド「Fussigny」よりSélectionがシルバー受賞。場所的にはヘネシー本社のすぐ横。
主に中国とアメリカに多く輸出されているコニャックです。
グランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、ボルドリ、ファンボア、ボアオルディネールの4エリアのコニャックをブレンドした盛り盛りコニャック。ボア・オルディネールをブレンドするのは珍しいですね。
VS部門 Best VS
ゴールドをすっとばしてBest VSに輝いたのはDobbé Cognac VS。
VSOP部門の受賞結果
このVSOPレンジでは国内で手に入るコニャックもいくつか受賞しています。見て参りましょう。
VSOP部門 Bronze
Normandin Mercier Petite Champagne VSOP
VSOP部門 Silver
つい最近1600万円で落札された1762年物のヴィンテージコニャックで有名なゴーティエより、VSOPがシルバーを受賞
なんか↑の受賞写真ではVSOPではなくてTradition Rearのボトルが掲載されていますが、たぶんこっちのVSOPですよね・・・?
VSOP部門 Gold
ゴールドに輝いたのは国内でも入手可能なフェランの10thジェネレーション。
10thジェネレーションズは、この地でコニャック造りをしてきたこれまでの10世代の先人たちに 敬意を表し作られたコニャック。グランドシャンパーニュ。
面白いのは80%をオーク樽で熟成し、残りの20%はソーテルヌカスクで熟成させたものをブレンドしている点。
VSOP部門 Best VSOP
栄えあるBest VSOPに輝いたのは、昨年2019年より日本での販売も始まったABK6 CognacよりABK6 VSOPが受賞。
実は受賞後の5/31に、個人的に頻繁にやり取りしているABK6のアジアマーケット担当のArnaudから「ABK6 VSOPがBest VSOP受賞したよ!!」とめちゃめちゃテンション高いメッセージがWhatsApp経由で送られてきたのでした。おめでとう(笑)
私も昨年1本買ったのですが、そういえばまだレビュー記事とか書いてなかったなぁ。今度書きます。
Superior Quality部門
この部門の選定基準がイマイチわかりませんが、ここは2つのコニャックが受賞しています。
Superior Quality部門 Gold
かなりスタイリッシュでモダンなデザインのボトルが特徴のExsto Cognac。
今後の展開が楽しみなコニャックブランドです。
飲んだことないけど。
Superior Quality部門 Best
Superior Quality部門のBestに輝いたのは、またまたゴーティエのコニャックより「XO Pinar del Rio」。
10年~25年の原酒がブレンドされたパワフルでスパイシーさが目立つコニャック。シガーとの良い相性を目指して作られたコニャックです。
XO部門の受賞結果
最も激戦区となるXOカテゴリの受賞結果です。
XO部門 Bronze
いっぱいありますね・・・
Ferrand Cognac Sélection des Anges
François Peyrot XO Cognac Grande Fine Champagne
この中で国内で入手可能なものはいくつかあります。 François Peyrot XO、Frapin XO VIPあたりは有名どころのボトルですね。
XO部門 Silver
ここでGodet(ゴデ)が入ってきました。実はゴデのコニャックはいくつかチョーヤ梅酒(株)によって日本に輸入されています。(ゴデ ガストロノームとゴデ アンタークティカ)
これを機にゴデ XO Terreも入れてくれないかなぁ・・・。
XO部門 Gold
Cognac Jean Fillioux Très Vieux
Goldの受賞コニャックの中には日本でも有名処のジャンフィユーよりトレヴィユーがランクイン。最初に飲んでみるコニャックとしてもおすすめできるコニャックの一つです。
XO部門 Best
Jean Doussoux Single Cask N. 89
栄えあるXO部門のベストにJean DoussouxよりSingle Cask N. 89!
89年ヴィンテージで異なる4つのバッチで熟成されたコニャック。
私はまだ飲んだことありませんが、ドイツのフランクフルトにある日本食レストラン「歌舞伎 KABUKI」のHPでこのコニャックが日本語で紹介されていたのでそちらをご参考に!
→紹介ページはコチラ
ワールド・ベスト・コニャック2020は・・・
各部門のベストコニャックから最優秀コニャックとして選出されるワールド・ベスト・コニャック。今回その栄えある賞を獲得したのは・・・
XO部門でBest XOを獲得した「Jean Doussoux Single Cask N. 89」
でした。
・・・まぁ大体毎年XO部門の優勝コニャックがワールドベストになる場合が多いです。
とにかく、おめでとうございます!
いまいち盛り上がらんなぁ
いろいろ見てみて正直に思ったのは
「何か、いまいち盛り上がりにかけるなぁ」
でした。
正確な数が分かりませんが、全体的にエントリー数少なすぎじゃないかなこれ。
コニャックに限らず、ウイスキーやワインなどのお酒のコンペは出場するだけでもお金かかるし、「コンペなんて重要じゃないわい」という方々もいるので結構意見が二極化するんですよね。
ただ、少しでも世に知ってもらうには効果的ですね。
冒頭にも述べたように、このコンペの結果が全てではないですが、どんなコニャックが今年は評価されたのか、参考程度に知っておくとお店で見つけた際に「あ、このコニャックだ」と選ぶ楽しみが増えるかもしれません。
次のコンペはIWSC!
コニャックはじめスピリッツのコンペとして次に注目したいのはIWSC(インターナショナル ワイン & スピリッツ コンペティション)ですね。
こちらのコンペは規模も大きく、盛り上がりも上な印象です。
毎年豪華な授賞式があるのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で一体どうなることやら・・・・。一応2020年6月現在、エントリー自体はまだ受け付けているようですが、今後どのような方式で進むのかはまだ分かりません。
ちなみに昨年2019年のIWSCでベストコニャックに輝いたのはABK6 XO RENAISSANCEでした。
果たして今年も出場するのでしょうか。
結果が楽しみです。