今回レビューを行うアルマニャック「カステルフォート1976」は1年ちょっと前の2020年9月に購入したもの。カステルフォート1986と同時購入していたのですが、こちらの1976だけ何も触れてなかったので改めて書いていきます。
ボトル開栓してから1年ちょっと経ったタイミングですが、正直イマイチだった1986との比較も含めて見ていきましょう。
参考記事
→生まれ年ブランデー:アルマニャック ド カステルフォート 1986を飲む
カステルフォートとは?
カステルフォートのブランド詳細は1986のレビュー記事でも紹介したので、ここでは軽く触れる程度にしておきます。
このアルマニャック De Castelfort(カステルフォート)とは、フランス語で「堅牢な要塞」という意味。バ・アルマニャック地区産の原酒のみをボトリングしたヴィンテージ品をメインに各国に輸出されています。
カステルフォートの場合は単一生産者が造るブランドではなく、複数の生産者からなる共同体(生産者貯蔵庫協同機構)のため、バ・アルマニャックの様々な1986年原酒がブレンドされているようです。
そのため、どの段階で加水されたか、どういった原酒なのか、どのようなプロセスでブレンドされているのか等、そこまで追跡することは難しく、ややヴィンテージのプロファイルが不明慮な部分があります。
アルマニャック ド カステルフォート1976の基本スペック
De Castelfort 1986
ド カステルフォート1986
生産域:バ・アルマニャック
ヴィンテージ:1976
ボトリング:2017年
アルコール度数:40%
容量:700ml
輸入元:有限会社ウィック
購入価格:税込10,296円(2020年9月時点)
1986の時もそうでしたが、1976ヴィンテージ、約40年熟成とは信じられん価格帯に驚きと不安が入り混じります(笑)
カステルフォート1976の香り立ち
ややアルコールの刺激が最初に気になるものの、くすぶった木のような香りがまず最初に感じられます。その後少しバラのような香りとレモン飴の袋を開けた時のようなささやかな柑橘系。
1986の時と同様にフルーティーさやフローラルさはやや物足りなさを感じる部分がありますが、甘酸っぱいレーズン感は相変わらず健在。
あとは1986よりもシガー・・・とスパイス感、シナモンやクローヴといった香りを強く感じます。
ただやはり全体的に40年熟成のアルマニャックとしてはやや物足りない感じ。全体的に単調で淡泊。
カステルフォート1976の味わい
うーん・・・薄い・・・。
このような事を書くには非常に気が引けるが、とてもこれだけの熟成を経たアルマニャックとは思えない平べったさ。
かろうじて樽感と柿のような渋さと酸っぱさは感じるものの、これといって特徴のない味わい。どう飲んでもアルコール感が勝ってしまう。
本当にバ・アルマニャックのアルマニャックなのか、と疑いたくなってしまうくらいこれまでのアルマニャックの中で最も平坦で薄いアルマニャックとなってしまいました。
どちらかというと若いヴィンテージである1986の方が蜂蜜感と黒糖を感じられ複雑さでも優勢です。
あとは1986と共通して、どうしても無理やり加水でアルコール度数40%まで落としたようなちょっと違和感のある感じがどうしてもぬぐえない。
うーん・・・1986以上に残念。
カステルフォート1976まとめ
アルマニャックのヴィンテージはその種類の豊富さから生まれ年ブランデーとしてお勧めされているサイトも多くあります。
しかし、誠に申し訳ないが、このカステルフォート1976ヴィンテージはどうしても他者へのプレゼントとしておすすめすることはできません。
というか何だかなぁ・・・カステルフォート全体的に同じように単調で淡泊な傾向にあるのがどうしても残念でならない。
あまり価格との比較はしたくないですが、カステルフォートは他のヴィンテージも含め全体的にヴィンテージ年数に対し驚くべき安価で売られているのが特徴です。価格帯で察すべき点はあったと思います。
やはり1万円で手に入ってしまう1976ヴィンテージにはそれなりの理由があるのでしょうか・・・まるで水で薄めすぎたカルピスのように・・・と思わず勘ぐってしまうボトルです。
やはりアルマニャックのヴィンテージはある意味魔境・・・なのかもしれない。
(でも怖いもの見たさにカステルフォートの他のヴィンテージもトライしてみたい)