ピノー・デ・シャラント強化月間(?)ということで、今回レビューを行うのはDomaine du Chêneが手掛けるピノー・デ・シャラントです!
このピノー・デ・シャラントは何とフォルブランシュ100%!使われているコニャックも葡萄果汁もフォルブランシュ100%!
しかもボンボア産という超珍しい3点セットのピノー・デ・シャラントです。
ピノー・デ・シャラントとは?
そもそもピノー・デ・シャラントとは何なの?という方も多いと思いますので、ざっくりと説明します。
ピノー・デ・シャラントとはヴァンドリキュールとも呼ばれるもので、コニャックにブドウ果汁を加えて熟成させたコニャックとワインの中間のようなお酒です。(超ざっくり)
コニャック好きな方はもちろん、普段ワイン派の方々にも飲んで頂きたいお酒です。
コニャック地方ではコニャックと同様に数多くのピノー・デ・シャラントが生産されています。日本に輸入されているのはほんの数種類だけですが、ほとんどのコニャック生産者がピノー・デ・シャラントも同時に作っているとっていいほど多くの種類があります。
コニャックは97%以上が輸出なのに対し、ピノー・デ・シャラントは国内消費が多いのも特徴です。
ピノー・デ・シャラントについて更に詳しい説明は下記記事をご参照下さい。
参考記事
→ピノー・デ・シャラントとは何か?ワイン?ブランデー?
フォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントとの出会い
このピノー・デ・シャラントと初めて出会ったのは2023年1月、コニャックに渡航した際に訪れたDomaine du Chêneの熟成庫でした。
この時はまだこのフォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントはリリース前で樽に眠っている状態でした。その樽から直接頂いたのが最初。
この時の衝撃は今でも忘れません。
参考記事
→ブランデーダディ史上最高のピノーデシャラントとの出会い
その後数ヶ月して満を持してリリースされたフォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラント。しかしならがその後いつまでたってもコニャックのオンラインショップであるCognac ExpertやLa Cognathèqueにこの商品が乗ることはありませんでした。
あまりにも気になりすぎた私はDomaine du ChêneのJoachimさんに直接連絡。
Brandy Daddy
「Cognathèqueにあのピノー・デ・シャラント置いてないけど、まだ販売してないの?」
Joachimさん
「もう既に販売してるよ!ちょっとCognathèqueに確認してみるよ。」
3日後・・・
Joachimさん
「Cognathèqueがずっと商品アクティベーションするの忘れてたみたい(笑)再設定してもらったから今はもう買えるはずだよ。」
Brandy Daddy
「(なんてこった)」
ということで、1年以上待ちましたがようやくCognathèqueでこの奇跡のフォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントが購入できるようになりました!
(こ、これは、私が問合せたおかげといってもいいのでは(笑))
→フォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントの商品ページはコチラから
その後さっそくCognathèque経由でボトルを購入。2週間でフランスから到着しました。
フォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントの基本情報
Pineau des Charentes blanc Folle Blanche Domaine du Chêne
種類:ピノー・デ・シャラント
アルコール度数:17%
生産域:ボンボア 100%
ブドウ品種:フォルブランシュ100%
※使用されている葡萄果汁もフォルブランシュ100%
熟成年数:4~5年くらい(2017年収穫のブドウを使用)
容量:750ml
購入元:Cognathèque
購入価格:31.50ユーロ (2024年7月購入)
フォルブランシュ100%の何が珍しいのか?
なぜ私がここまで騒いでいるのかというと、このボトルが恐らくコニャック界でも初となるフォルブランシュ100%のピノー・デ・シャラントだからです。
ただでさえフォルブランシュという葡萄品種はその育成の難しさ故全体の数パーセントしか生産量がなく大変希少。しかもそのほとんどはコニャックの生産に使われてしまいます。そのためこれまでブレンドするコニャックもブドウ果汁も100%フォルブランシュというピノー・デ・シャラントはありませんでした。
しかもボン・ボア地域のフォルブランシュなので珍しさ5倍です。
実はこのDomaine du Chêneの当主であるJean-Marie氏はピノー・デ・シャラントのAOCを管理する団体の元一番偉い人。ピノー・デ・シャラント作りのプロ中のプロなのです。
そんなJean-Marie氏が「これまでにないピノー・デ・シャラントを作りたい」という想いから作り始めたのがこのフォルブランシュ100%のピノー・デ・シャラント。
これまでのピノー・デ・シャラントは「甘い」というキャラクターばかり目立つものでしたが、このフォルブランシュ100%は他のピノー・デ・シャラントにはない爽快さほどよい酸味、そしてピノー・デ・シャラント本来の甘みが完璧な調和を奏でる・・・そんなピノー・デ・シャラントを目指して作ったそうです。
フォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントのレビュー
さて、前置きが長くなってしまいましたが、改めて届いたボトルを開封。飲んでみましょう。
香り立ち
爽快な砂糖漬けレモンと青リンゴ。
爽やかなフルーツ感が満載。
その後にパイナップルと桃といったやや南国フルーツ感が心地よい。
石灰のようなミネラル感もあり、瑞々しい。
味わい
まずナシの果汁感が凄い。
中間にはドライアプリコットやフランベしたバナナ、そしてハチミツといったピノー・デ・シャラント特有の甘みを感じることができます。
そして特記すべきは程よい酸味。甘すぎず、のどをスッと通るキレ。
この味わいや酸味はシュナンブランの白ワインに近しいものがあるかもしれません。
フォルブランシュ由来の爽やかなフルーツ感と、とろける甘みで始まり、最後は酸味で切れる。ピノーデシャラントの概念を一気に変化させました。熟成年数に捉われない完ぺきな甘みと酸味のバランス。かといって他の若いピノーデシャラントには出せない伸びのある葡萄そのものの果実感が新しいのです。
Domaine du Chêneフォルブランシュ100%ピノー・デ・シャラントまとめ
やはり他のピノー・デ・シャラントとは一線を画すフォルブランシュ100%。
熟成年数は決して長くはなく、どちらかというと若いピノー・デ・シャラントですが、それゆえにフォルブランシュの爽快なフルーツ感がよく際立ちます。
ベタベタし過ぎず、ちゃんとキレのあるピノー・デ・シャラント。
「ピノー・デ・シャラントって甘いだけでは?」「ピノー・デ・シャラントは梅酒っぽい」
そんな固定概念を覆すピノー・デ・シャラントです。何の忖度もありませんが、ベタ褒めです。
このピノー・デ・シャラントを紹介したところで私には1円も入ってこないのですが、ホントに良いピノー・デ・シャラントだと思うので、もしこの記事を見ていてご興味が沸いたインポーターさんがいらっしゃいましたらご一報頂けませんでしょうか?Domaine du Chêneに繋ぎます。是非インポートして頂きたいです。いやホント。
そんなこんなで、ここ数年で一番衝撃的なピノー・デ・シャラントでした。