メーカー・ブランデー別おすすめブランデー特集。今回は近年日本でも流通量が多くなってきた良い作り手であるブランド「バシェ・ガブリールセン(Bache Gabrielsen)」の特徴と種類、評価、ラインナップ、おすすめの一品を見ていきましょう。
日本語で書くと「バシェ・ガブリールセン」「バッシュ・ガブリエルセン」とか色々出てきますが、ここでは「バシェ・ガブリールセン」に統一します。
バシェ・ガブリールセンとデュピュイ
実はコチラの特集で紹介しているデュピュイ(DUPUY)とバシェ・ガブリールセンは大きな繋がりがあります。
繋がり、というかデュピュイはバシェ・ガブリールセン社が取り扱うブランドの一つなので、正確にはデュピュイはバッシュ・ガブリエルセンの一部ということになります。
デュピュイ自体は1852年にAuguste Dupuy氏によって「DUPUY」社として創業されましたが、1905年にノルウェー人オーナーのThomas Bache-Gabrielsenの下で会社名「Bache Gabrielsen(バシェ・ガブリールセン)」、ブランド名「BACHE(バジェ)」に変更されました。
オフィシャルサイトはコチラから
バシェ・ガブリールセンの展開
2019年現在、オーナーはエルヴェ・バシェ・ガブリールセン氏、セラーマスターはジャン・フリップ・ベルジェ(Jean-Philippe Bergier)氏となっています。
このセラーマスターのジャン・フリップ・ベルジェ氏はコニャック業界の中では「かなり腕が良い」という評判を得ており、バシェ・ガブリールセンコニャックの品質は彼の手によって保たれているといっても過言ではありません。
斬新なボトルデザイン、ラベルデザインを施したり、伝統的なコニャック以外にもアメリカのテネシーオークでフィニッシュさせたコニャックなど、革新的なコニャックをリリースしています。こういった革新的な挑戦を行うブランドは、しばし保守的な販売先には受け入れられないことが多いのですが、バシェ・ガブリールセンはコニャック保守派(?)にも革新派(?)にも安定して受け入れられていることから、同ブランドの品質の高さ、技術力の高さを垣間見ることができます。
バシェ・ガブリールセンは規模感としては中堅ブランドになります。ノルウェー人オーナー創業なだけあって、実はフランスや日本、アメリカなどを差し置いてノルウェーでの市場シェアがかなり高いコニャックです。
バシェ・ガブリールセンの種類・ラインナップ
以前はバシェ・ガブリールセンやデュピュイといえば鯉沼商会の鯉沼氏のイメージでしたが、2019年現在、バシェ・ガブリールセンのブランドであるデュピュイに関しては、信濃屋さんが積極的に同ブランドを日本に持ち込んでおり、多くのプライベートボトルをリリースしています。(日本においては独占契約を結び、信濃屋からしかデュピュイブランドを出せなくなったとか何とか・・・ゴニョゴニョ)。
それを期にバシェ・ガブリールセンという名前も以前より日本でも広まった感がありますね。
後述する定番品のコニャック以外は、シングルカスクだったり、数量限定だったりと独自ボトルも多い印象です。
デュピュイのラインナップに関しては別ページで紹介しているので、ここではバシェ・ガブリールセン コニャックのボトルラインナップをメインに見ていきましょう。まだまだ定番品は国内では流通が少ないイメージです。
日本で流通しているラインナップ(2019年3月時点)
- バシェ・ガブリールセン ファンボワ 1992
BACHE GABRIELSEN FIN BOIS 1992 - バシェ・ガブリールセン シングル カスク コニャック ボルドリー ロットNo.94
BACHE GABRIELSEN Single Cask Cognac Borderies Lot No.94
→ボルドリ産100%。1994年蒸留、2018年ボトリングの約24年熟成(だったかな・・・)。一樽から取った数量限定のシングルカスクコニャック。 - バシェ・ガブリールセン シングル カスク コニャック プティット シャンパーニュ
BACHE GABRIELSEN Single Cask Cognac PetiteChanpage
バシェ・ガブリールセン定番コニャック
バシェ・ガブリールセンが出しているコニャックはいくつかのカテゴリに分かれています。かなり種類が多いのですが、可能な限り書き出してみます。ボトル画像等はオフィシャルサイトで見た方が良いかもしれません。国内では入手困難なため、海外の通販サイトで個人輸入するか、直接現地にて購入が必要です。
Classicシリーズ
伝統的な製法で作られたバシェ・ガブリールセンの定番コニャック達。
- TRE KORS Fine Cognac
→VSクラスの若いコニャック) - VSOP
→ファンボア80% プティットシャンパーニュ20% - Bache-Gabrielsen Signature
→10年熟成くらいの若いXO - Thomas XO Prestige
- Bache-Gabrielsen Vintage 1975 Fins Bois
→だいたい40年熟成くらい - XO Fine Champagne
→15年熟成くらい。グランドシャンパーニュ65%、プティットシャンパーニュ35%。葡萄品種はユニブラン95%、コロンバールとフォルブランシュが5%。 - Sérénité Extra Grande Champagne
→平均約30年熟成くらい。グランドシャンパーニュ産100%。品種はユニブラン85%、フォルブランシュ15% - BACHE-GABRIELSEN GRANDE CHAMPAGNE XO TRÈS VIEUX
- Hors d'Age Grande Champagne
→約50年熟成
American Oakシリーズ
- Bache-Gabrielsen American Oak
→フレンチオークで熟成され、アメリカのテネシーオークでフィニッシュされたコニャック。アメリカンオークでのフィニッシュ期間は6ヵ月。ファンボア。
Natur & Eleganseシリーズ
フレッシュでフルーティーなコニャックを求めて作られたシリーズ。
- Natur & Eleganse VSOP
→6~8年熟成。ファンボアとプティットシャンパーニュ産の混合。品種は100%ユニブラン。 - Natur & Elegance XO
→10~30年熟成。ファンボアとプティットシャンパーニュ産の混合。品種は100%ユニブラン。
Pure & Rusticシリーズ
軽くフレッシュなコニャックを目指して作られたシリーズ。ラベルやボトルもモダンなデザイン。
- Pure & Rustic VSOP
→約8年熟成。ファンボア75%、ボルドリ25%。 - Pure & Rustic Petite Champagne Barret
→10年熟成。プティットシャンパーニュ産100%。品種はユニブラン100%。 - Pure & Rustic Grande Champagne Très Vieille Réserve Cognac
→最大で40年熟成のものをブレンド(比率不明)。グランドシャンパーニュ産100%。品種はユニブラン100%。 - New Vintage Bache-Gabrielsen Pure & Rustic Cognac 1995 Fins Bois
→1995年ファンボアビンテージ。
BØLGEN & BERGIERシリーズ
ノルウェーの有名なワイン専門家Bølgen & Bergier氏とのコラボレーションシリーズ。ノルウェーで人気らしい。
- BØLGEN & BERGIER ANNA V.S.
→VSクラス。3~5年熟成。 - BØLGEN & BERGIER Maria XO
→XOクラス。12~15年熟成。 - BØLGEN & BERGIER Solène Très Vieux
その他
- Pineau des Charentes Very Old
→約20年熟成のコニャックで作ったバシェ・ガブリールセンのピノー・デ・シャラント。 - DISTILLATIONS BY BACHE-GABRIELSEN WHISKY
→なんかウイスキーも作ってる
バシェ・ガブリールセンのおすすめ1品は?
おすすめ・・・といっても国内でデュピュイブランド以外で「バシェ・ガブリールセン」名で手に入るコニャックは限られていますが・・・。
個人的には
バシェ・ガブリールセン シングル カスク コニャック ボルドリー ロットNo.94
BACHE GABRIELSEN Single Cask Cognac Borderies Lot No.94
を推したいところ。(名前長い・・・)
なぜって?私はボルドリコニャックが好きだからである(笑)。そのボルドリ産100%のシングルカスクコニャックといえば見逃せないですね!2019年3月現在、あんまり通販とかでは出回ってないですね。というか店頭でも売ってる店あるんでしょうか・・・?
今後の流通に期待です。
このボトルの詳細レビューはまた別記事にて。