数年前に1度購入して、またもう1本欲しくなり、つい買ってしまった。
今回レビューを行うコニャックは、プロプリエテールコニャック「ラニョーサボラン」の最高傑作ラニョーサボランフロリレージュ(RAGNAUD-SABOURIN FLORILEGE)です。
今回のボトル
ラニョーサボラン フロリレージュ
容量:700ml
グランシャンパーニュ100%
熟成年数:45年
品種:60%ユニブラン、40%フォルブランシュ
Lot No. 15132
全てはフロリレージュのために
コチラの特集にも書いているように、ラニョーサボランはコニャック地方を代表する家族経営の自家生産(プロプリエテール)コニャックメーカー。ブドウの栽培から蒸留、熟成、瓶詰めまで全て一貫して自社で行っています。全てグランドシャンパーニュ産です。
※追記:2018年現在、自社での蒸留は稼働しておらず、蒸留は他の蒸留農家に委託しているようです。
カラメル・糖・加水などの混ぜ物無しのコニャックとして高い品質を誇り、創業当初から質の高いブドウと高度なブレンド技術を持ってコニャック界から高い評価を受けています。
ラニョーサボランは熟成年数別にラインナップが分かれていますが、その最高峰が熟成年数45年のラニョーサボラン フロリレージュです。
45年以下の熟成年数ラインナップでは
- ラニョーサボランVS No.4(4年熟成)
- ラニョーサボランVSOP No.10(10年熟成)
- ラニョーサボラン レゼルヴスペシャル No.20(20年熟成)
- ラニョーサボラン フォンヴィエイユNo.35(35年熟成)
といったシリーズがありますが、全てこのラニョーサボラン フロリレージュ(45年)を作る過程で出来たコニャック。
このフロリレージュこそが本来ラニョーサボランが目指していた「完全体」なのです。
Florilège(フロリレージュ)とは、フランス語で「詩・散文・楽曲などの選集、詞華集」または「選集に収めるに値する優れた作品、名品」という意味合いがあります。
ラニョーサボランの全てはこのフロリレージュに集約されているといっても過言ではないでしょう。
ラニョーサボランフロリレージュの感想
フロリレージュのボトルを手にするのは2本目ですが、改めて箱からボトル、香りと味わいを見ていきましょう。
フロリレージュの箱とボトル
ラニョーサボランの外箱は35年熟成のフォンヴィエイユ以降からガラリと変わります。
↓左からVSOP、レゼルヴスペシャル、フロリレージュ↓
レゼルヴスペシャルまではただの紙箱なのですが、フォンヴィエイユとフロリレージュは外箱にも微妙なエンボス加工が施されていたり、帯封がつていたり、ラベルの印刷が高級感あふれる仕上がりとなっています。
ボトルは至ってシンプル。丸形のラベルに名称が描かれています。
個人的に、ボトルデザインに関してはレゼルヴスペシャルやVSOPなどに採用されている長方形のラベルの方が好きです。丸形にすると、ボトルに対する装飾面積が減るのと、正面から見た時のバランンスが崩れがちになり、あまり好きではありません。まぁこれは完全に私の好みですが。。。四角ラベルの方が高級感があると思うんですけどね。。。
香り立ち
香り立ちがラニョーサボランに共通する花の香り。でもかなり熟したもの。
さすがに45年熟成とあって、ラニョーサボランVSOP(10年熟成)の時に感じたアルコールの攻撃的な香りは無く、包み込むような独特な蜜のような香りと、丸みを帯びた檜の香り。 このくらい熟していれば、大きめのバルーングラスで飲んでも鼻がツンとすることはない。
味わい
まず、最初に感じる事は「意外とパンチが効いている」です。
フォンヴィエイユ35年とはどっこいどっこいなのですが、レゼルヴスペシャル(20年)と比較すると、こちらのフロリレージュの方がグランドシャンパーニュらしいパンチが効いています。ちゃんとガツンとくる。これは、このフロリレージュのアルコール度数が46度とやや高めなことと、ボトルが開栓したてであることも関係しているので、また開栓後1年くらい経つと感じ方は全然変わるでしょう。
フロリレージュの最大の特徴は、口に含んだ瞬間よりも、飲み込んだ後の余韻。つまりランシオです。コニャックの風味を決める最も大事な要素。
ラニョーサボランらしいフルーティーな味わいは共通して感じることができるのですが、飲んだ瞬間の華やかさはフォンヴィエイユ35年の方が一瞬香り高く感じるかもしれません。しかし、口に含んで飲み込んだ後の鼻抜けと余韻はフロリレージュの方が圧倒的存在感を発揮しています。個人的な感覚としてはグレープフルーツのような味わいが余韻として大きく残ります。
やはりラニョーサボランの集大成とも言うべきフロリレージュ45年には、最大限にエステルが凝縮されたランシオ香を感じることができます。ここがフォンヴィエイユ35年やレゼルヴスペシャル20年との最大の違い。
ラニョーサボランの終着点。ある意味グランドシャンパーニュコニャックの完成形と言ってもいいかもしれません。
やはり異なる住み分け
ラニョーサボランの味わいに共通する「フルーティーさ」は相変わらず顕著に表れています。ここはコチラの比較記事でも書いたように、レイモンラニョーや他のドライなコニャックとは完全に住み分けされています。
全体的なボディは柔らかめなので、好みは分かれる所かもしれません。
しかし・・・こんな高品位の45年熟成コニャックが24,000円前後で手に入るなんて、ウイスキー好きの方からしたら羨ましい限りではないでしょうか。。。数年後にはコニャックもどんどん値上がりしそうなので、今のうちが買い時かもしれません。
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