当ブログでも度々登場している(株)サンクゼールの国産ブランデー「いいづなアップルブランデー」。
その第3弾となる新商品がウチにも届いたので、さっそく見て参りましょう!
これまでのいいづなアップルブランデー第1弾と第2弾の詳細は下記記事をご参照下さい。
→いいづなアップルブランデー第2弾レビュー:今度は「ふじ&ブラムリー」
第3弾は第1弾と同様、ふじ&高坂りんご
第3弾となる今回のいいづなアップルブランデーは、何と第1弾と同様に「ふじりんご」と「高坂りんご」を使ったアップルブランデー
「いいづなアップルブランデー2019 ふじ&高坂りんご」です。
↓独特の渋みを持つ、ピンポン玉サイズの高坂りんご↓g
この原料を伺った時、真っ先に頭に浮かんだのは
「ん?何が変わったん?」
でした。
もちろん、今回の第3弾は第1弾の残り物を販売・・・という訳ではなく、新たに今年蒸留されたものです。
果たしてその違いとは・・・
早速ストレートで飲んでみる
トニックウォーターやリンゴジュースで割ったりなど、様々な飲み方ができるこのアップルブランデーですが、今回はブランデー本来の味わいの違いを感じるためにまずはストレートで頂きます。
ん?
おっ・・・
これは・・・・
香り立ちが明らかに第1弾とは異なる豊かな香り立ちに仕上がっています。
お世辞抜きで。
注いだ直後、グラスから鼻を3~4cm程離した場所がもっとも香り高く・・・これは何の香りだろう・・・
うん、ふじりんごだ!!!
(まんまやないかーい)
様々な複雑な香りのニュアンスというよりも、本当に純粋にリンゴ感が凄い。そして第1弾よりもその香りが強く、少しイチゴのような甘みを含んだ香り立ちが芽を出してきたような気がします。
ストレートであまり近づけすぎるとややセメダイン的な香りは避けられないのですが、グラス内に広がる香り立ちはかなりふじりんご特有の香気成分が豊かになっているのではないでしょうか。
あと、香り立ちに関してはアップルブランデーとミネラルウォーターを半々で割ると香り立ちが爆発します。味わいとしては個人的にはストレートまたはロックの方が好みではありますが、ミネラルウォーターで割った再のりんご風味の拡散力が大変強いです。
舌に乗る感じが増した
第1弾のふじ&高坂りんごの記事は私はこのよな事を書きました。
個人的にはもう少しパンチが欲しいところ。
生意気にもこのような発言をしたのですが、今回の第3弾は第1弾と比べ口の中で感じる余韻に少し重みが増し、より高坂リンゴの特徴を感じることができるようになりました。単純に渋みが増したという意味ではなく、第1弾と同じような特有の渋みとりんごの風味の滞留時間が伸びた・・・という表現が正しいのかもしれません。
20年30年の熟成を経たカルヴァドスのような幾重にも変化する複雑な味わい・・・という表現には遠いですが、無熟成のホワイトブランデーですので、むしろ全く違う方向性で純でシンプルな和りんごの特性を上で楽しむ。そんな感じのブランデーである。
(株)サンクゼールに直接聞いてみた
確かに、第1弾のふじ&高坂りんごと、今回のふじ&高坂りんごは異なる味わいを感じることができました。
ただやはり何が起因しているのか気になります。
ということでこのいいづなアップルブランデーを作っているサンクゼールの生産者の方に直接伺ったところ、次のような回答を得られました。
第1弾のふじ&高坂りんごブランデーとの違いについて
今回の第3弾は蒸留方法と使用する酵母の工夫しました。
最初の第1弾では香りを集めることに着目して、本溜(ハート)の部分でも香りのある前半の部分をメインにしておりました。
一方で味わいに厚みを持たせる部分を使用していなかったので、ボディー感が弱いものになっていました。
今回の第3弾では、香りのよい部分を集めながら、本溜の後半に出てくる味に厚みを持たせる部分も使用することで香りとボディー感を両立できるように工夫しています。
また、酵母についても重みのある甘い香りが出やすい酵母を使用することで、ブランデーの香りに甘い香りが残るようにしています。
紅茶やコーヒーにブランデーを入れて飲むのが好きでよく飲んでいます。第1弾のものだと紅茶とはバランスがとれたのですが、コーヒーには負けてしまっていました。第2弾では味わいに厚みが出たこともあり、コーヒーにいれてもバランスがとれるようになった印象です。
なるほどー。
より香り高さとボディの厚みに着目して試行錯誤された結果が今回の第3弾の特徴ということですね。
様々な楽しみ方をしてみる
第1弾、第2弾と同様にこのアップルブランデーはストレートというよりも様々なもので割ったりすることで楽しみ方を何倍にも増やすことができます。
熟成のかかったブランデーよりも無熟成のホワイトスピリッツの方が割りものには合うことと、熟成されたカルヴァドと比較するとリンゴの風味をそのままある意味シンプルに楽しめるので、合わせ技の方が愛称はよいかもしれません。
組合せとしてはいいづなアップルブランデーの紹介ページにあるように、リンゴジュースだったり、トニックウォーターだったり、コーヒーだったり・・・といった所が自宅でも簡単にできるといった意味ではベストマッチでしょう。個人的には第1弾の時に書いたようにトニックウォーター割りが最もおススメかなぁ。
また、高坂りんごを使った少し渋めのアップルブランデーということで、食べ合わせとしてはチョコレートやナッツといったビター系よりも、同じ系統のフルーツジャムやドライフルーツなんかの方が合うと思います。カルヴァドスなんかでもそうなのですが、特にカマンベールチーズにリンゴジャムを乗せたものと一緒に飲むのなんかは私大好きです。
色んなおつまみをゲットだ
ということで、同じくサンクゼールが作っているオリジナルのラ・フランスジャム、りんごジャム、ソルトバナナチップ、フルーツミックスなんかをゲットしました!!!
これは楽しみすぎる。
アップルブランデーはじめ、コニャックやカルヴァドス、その他のブランデーとの食べ合わせも色々試してみたいところです!
このおつまみに関してはまた別記事で詳細レビューをしてまいりたいと思います。
なぜここまでピックアップするのか?
とあるきっかけでサンクゼールのいいづなアップルブランデー第1弾のプレスリリースに参加し、これまで第2弾、第3弾と飲ませて頂いたわけですが、今後いいづなアップルブランデーがどのように進化していくかは引き続きウォッチしていく予定です。
もとより興味深いクラフト(小規模・独立系)国産ブランデーの数々ですが、中でもいいづなアップルブランデーの生産には大変共感できる部分があります。
ワインの生産がメインだったサンクゼールにとっては初の地元長野県飯綱町のりんごを活かしたアップルブランデーの製造。第1弾から見てきた分、第2弾、第3弾と着々と進化している様子が分かり、今後の発展に期待が高まります。
まだまだいいづなアップルブランデーは発展途上な部分があるかもしれませんが、それは逆にもっともっと進化できる伸びしろが大きいということでもあります。10年、20年・・・とゆっくりと日本を代表するアップルブランデーに育っていってほしいと思います。
また開発担当の山崎さんはじめ、このブランデーの製造にかかわる人々の情熱、探求心、誠実さを強く感じることができ、それがさらなる進化の原動力になることを祈っています。その点も個人的に応援したい理由です。
今回の第3弾は熟成なしのホワイトブランデーですが、今後は樽を使った熟成バージョンも現在進行中とのこと。どのような仕上がりになるのかこれから楽しみです。
いいづなアップルブランデー第3弾はどこで手に入る?
第3弾となる今回の「いいづなアップルブランデー ふじ&高坂りんご2019」は前回同様数量限定。250ml入りが456本。35mlが192本で、全てシリアルナンバー入りです。
Amazon等には売ってなく、こちらのサンクゼールオンラインショップより購入が可能です。