カルヴァドスレビュー

カルヴァドス シャトー・ド・ブルイユ1998ミレジムのレビュー

当サイトでは久々に登場するカルヴァドスの定番中の定番「シャトー・ド・ブルイユ(Chateau du Breuil)」のミレジムを開封したのでレビュー。

今回は シャトー・ド・ブルイユ1998である。

シャトー・ド・ブルイユ1998ミレジムのスペック

簡単に今回のシャトー・ド・ブルイユ1998ミレジムの概要を紹介します。

シャトー・ド・ブルイユ1998ミレジム(Chateau du Breuil 1998 Millesime)

種類:カルヴァドス
生産域:カルヴァドス ペイドージュ
アルコール度数:41%
容量:700ml
熟成年数:17年くらい
輸入元:(株)ジャパンインポートシステム
購入価格:税抜9,833円(2019年10月)

シャトー・ド・ブルイユの概要とミレジム

シャトー・ド・ブルイユはフランス 「ACカルヴァドス」「ACペイ・ドージュ」「AC ドム・フロンテ」という3つのカルヴァドスAOC生産域の中でも最も基準が厳しく、高品質なカルヴァドスが作られることで有名な「ACペイ・ドージュ」で作られるカルヴァドスです。ペイドージュのカルヴァドスではコニャック同じシャラント式単式蒸留器で2回蒸留されます。

※カルヴァドスの産地の違いはコチラの記事を参照

シャトー・ド・ブルイユのシャトー(城)は16世紀初頭に作られたとても伝統的な建物。当時はノルマンディーの貴族達が生活していた建物です。現在は歴史的建造物にも指定されているこの城の中で3代にわたりシャトー・ド・ブルイユの生産が行われています。

その他概要はこちら
シャトー・ド・ブルイユの特徴とおすすめラインナップ

ミレジムは毎年あるのか?

シャトー・ド・ブルイユのミレジム(=ヴィンテージ)は毎年出ているわけではなく、 シャトー・ド・ブルイユが「本当に良い!」と思った年のヴィンテージが不定期にボトリングされるそうです。

今回私が購入したのは1998年ですが、その前は1994年のミレジムが出ていたようです。

1998年のミレジムは、1997年に収穫されたリンゴを1998年に蒸留されたものとなります。あくまでも蒸留年ベースであり、原料の収穫年ではないのでそこだけ注意が必要です。

裏のラベルによるとボトリングは2015年12月16日。

ちなみに日本の正規インポーターはコニャック ポールジローでもおなじみの(株)ジャパンインポートシステムです。

シャトー・ド・ブルイユの開封方法

毎回迷うのがこのしっかりと蝋封されたシャトー・ド・ブルイユの開栓方法である。

未だにどう空けるのが一番美しいのかよくわかりません。

特段「こうしなさい」という指定はないのですが、バーなどで見ているとボトルと栓に繋がっているこの赤いヒモをハサミで切って、その後ボトルとコルクに少し癒着している蝋を削ってあげると、そのままスポンとコルクを抜くことができるようです。

違う方法で開けてみる

ただ、せっかくなので、今回は試しに違う方法で開けてみましょう。

このヒモはコルクに繋がっており、片方の瓶に結ばれていないヒモを引っ張っていくと、蝋をバリバリバリっと崩壊させてコルクから剥がすことができます。

ほうほう、蝋封の中はこんな風にコルクに溝が掘ってありヒモが収まっていたのですね。

バリバリバリ・・・

バリバリ・・・

▂▅▇█▓▒░(‘ω’)░▒▓█▇▅▂ 
うわあああああああああ

削りカスが凄いことに。(床にもいっぱい落ちた)

・・・・もう二度とこの開け方はしません。

シャトー・ド・ブルイユ1998の香り立ち

開栓と同時に漂ってくる甘い香り。

鼻を近づけるにつれアンズ、スモモといった少し酸味のある果実の香りが踊りだします。

しばらくコニャックやアルマニャックなどの葡萄ベースのブランデーを続けて飲んだ後、久々に飲むカルヴァドスの香り立ちは新鮮な気持ちで楽しむことができます。

しばらく放置しておくと熟した梅のよう。

そこまで熟成期間としては約17年と長熟というわけではないものの、アルコールのツンケンした刺激はそこまで感じられず、程よく豊かな香気成分が漂ってきます。

流石にグラスに鼻を突っ込みすぎるとややインクのような香りが鼻を攻撃してきますが、グラスから3cm程離したあたりがベストアロマポジション!

シャトー・ド・ブルイユ1998の味わい

口に含んだ瞬間にややピリッとくる刺激と共に、りんごの豊な味わいと言ってしまうとそのまんまですが、その中にはアンズ、マンゴーのような甘みを感じ後に樽熟成によるバニラ感が口全体に広がります。そしてオレンジピールのようなかすかな渋み。

いわゆる洋ナシ的な要素は少なめですが、余韻としては白桃のような甘みが広がります。

他のカルヴァドスにも共通していることですが、このカルヴァドスの特有の酸味はやはり癖になります。カルヴァドスの深みにハマってしまう人の気持ちが分かります。

微妙な違いではあるものの、前身のミレジムであるシャトー・ド・ブルイユ1994と今回の1998を比較すると、 酸味は1994の方がやや強め。しかし余韻の長さや豊かさといった観点では1994の方がやや豊かに感じられる気がしました。

↑シャトー・ド・ブルイユ1994↑

ただ、今回の1998は抜栓して間もないものですので、また半年経つと大いに香り立ちも味わいも変化するかもしれません。

チーズ+リンゴジャムの至高の付け合わせ

私がカルヴァドスとのマリアージュで個人的に大好きな組み合わせは、カルヴァドスと一緒にりんごジャム (またはラ・フランスジャム) を乗せたチーズを食べることである。

もはやカルヴァドスには定番といえば定番なのですが、やはりこれが最高。

カルヴァドスに関してはチョコレートやナッツといったビターな付け合わせよりも、同系統の果物で作られたフルーティーなジャムやコンポートが本当に良く合う。

欲をいうなればカルヴァドスの生まれの地でもありカマンベールチーズの生まれの地でもあるノルマンディー産のカマンベールチーズだとより至福なブランデータイムとなるのですが、全然その辺のスーパーにあるチーズでもOK!

私は自宅で楽しむ際には高級なカマンベールチーズなどではなく、どこのスーパーでも普通に売っているあの雪印メグミルクのプロセスチーズ「6Pチーズ」(←10パック=60ピースで3,700円台!!)にりんごジャム(またはラ・フランスジャム)を乗せたものを家でカルヴァドスのお供として楽しんでいます。さすがにバーで雪印6Pチーズを袋からバリバリっと出されると「えっ・・・」となるかもしれませんが(笑)自宅では十分すぎるほどウマウマなのです。

今回はせっかくサンクゼールのりんごゴジャムラ・フランスジャムが手元にあるので、それをお供に シャトー・ド・ブルイユ1998を楽しみます。

チーズ+りんごジャム(ラ・フランスジャムでもOK)の付け合わせはコニャックやその他のブランデーでももちろん合いますが、カルヴァドスとの組み合わせは本当に至高。

完璧な調和だ。

これを最初に試した人は天才と言わざるを得ない。

偉大なる発明をありがとうございます。

今後のミレジムも期待

毎年決まって出すわけではないからこそ出るたびに楽しみになってしまうシャトー・ド・ブルイユのミレジム。

他の年度も楽しみに今後も待ちたいと思います。

カルヴァドスには有名どころとして今回のシャトー・ド・ブルイユやルモルトン、アドリアン・カミュ、ブラーなど様々なブランドがありますが、ペイドージュ規格としてはシャトー・ド・ブルイユは定番おすすめどころでもあります。しかしミレジムは数量限定なところから、定番品のシャトー・ド・ブルイユ15年がやはり手に取りやすいところ。

熟成具合としてはもう少し欲しいところですが、国内で入手しようとすると15年の次はシャトー・ド・ブルイユ ロイヤルやシャトー・ド・ブルイユ30年といったちょっと値が張るボトルになってしまうのでなかなか手に取りにくいというのが正直なところ。

できれば20年あたりを定番品として出して頂けると助かりますシャトー・ド・ブルイユ。

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